002 『転生2』
まず最初に私がしたのは知り合いに連絡を取ることだった。
この世界を作ったうちの一人。
その子は女の子で役割は天使。後、美人。
神の先兵として世界を導き、英霊たちを理想郷に迎え入れる。
…やっていることはワルキューレだが。
その子に連絡をとってみた。
もしもし、久しぶりー。早速だけど、転生者を作りたいんだ。一人でいいんだ。うちの魔王を倒すくらいの子を。
『で?』
それで大変申し訳ないんだけど、そちらの強い子を一人貸していただけないかな―?
『嫌。』
ぶちんっ。
通信が切られました。
めげずに再度トライ。
いや、話くらい聞いてよ。
『なによ。』
あのね、いまこっちの世界がね(説明中)て感じなのよ。
『ふーん。大変ね。』
うん。そうなんだよ。凄い大変なんだよ。
それで、お願いなんだけど、一人、一人でいいんだ。こっちの世界を助けてくれるために貸してくれないかな?
『嫌。』
…なんでさ。
『あのね。いくつかあるけどあまりにも自分勝手すぎない?あんた。』
…うん。自分でもそう思う。でも、それでも自分の世界を壊したくないんだ。
『そう。その世界に愛着があるのね…。ならわかるわよね。私は一人たりとも渡すつもりはない。』
…。
『私の世界の英雄たちは確かにあなたの世界の崩壊を止めるかもしれない。でも、私の子どもたちを。戦って、世界の英霊となったものを。死後の世界で好きに生きている彼ら、彼女らを。私はまた生の苦しみに堕とすことはできない。』
…そう。
『だから、無理。誰も渡せない。』
本音は?
『せっかく作ったハーレム!いろんなタイプの男女をそろえたこの極楽をなんでそんなことで崩さなきゃいけないのよ!くだらない!』
よくわかりました。もう頼むもんか。ちくしょー。
『落ち着いたら遊びに来なさい。お菓子とお茶くらいは出してあげるから。じゃね。』
わかった。またね。
ぶちっ。
けち。
だったら他の方法を考えてやる!