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第五章:真の敵
ある日、カルトラは森で迷子になった子供を助ける。
その際、突如として現れた黒い影を、無意識に根源魔法で撃退していた。
その様子を見ていたのは、魔法監督官のグレイブス卿。
「……あの光は、まさか。根源魔法? 封印されたはずなのに……」
彼はカルトラのことを、王宮に密かに報告する。
一方、カルトラはリゼッタと共に魔法学院に通い始め、交流を深めた。
エリヤスも、次第にカルトラに興味を持ち始め、会話をするようになる。
しかし、ある夜、王宮に侵入者。
そして、グレイブス卿が殺害された。
遺体には、黒い紋章──古代の「破滅の教団」の印が。
彼らは、根源魔法を解放し、世界を混沌に帰すことを目指す者たち。
そして、カルトラの力に目をつけ、彼女を拉致しようとした。
「お前は、我々の王となるべき存在だ」
「……違う。私は、誰の王にもならない。ただ、平和を守りたいだけ」
カルトラは、初めて自らの力を使い、教団の幹部を撃退する。
その戦いの末、彼女の正体が王宮に知れ渡った。
「シュナイドール令嬢が……根源魔法の使い手?」