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第四章:影の動き
カルトラが平和に日々を送る中で、王国には不穏な動きがあった。
辺境の村で、魔物の襲撃が多発。死者も出ている。
王宮は対策を講じているが、原因が不明だ。
カルトラは、図書館で古文書を調べ、ある事実に気づく。
「……魔力の歪み? これは、根源魔法の暴走の兆候と一致する」
もしかすると、古代に封印された力が、どこかで解き放たれつつあるのかもしれない。
そして、その影響が、カルトラの左手の紋を少しずつ熱くしている。
「……私の力も、封印から解かれつつある?」
彼女は、夜な夜な秘密の練習を始めた。
根源魔法は、感情に敏感。
怒りや憎しみで暴走するが、慈しみや守りたいという思いで制御できるという。
──私は、悪役なんかじゃない。
──誰かを傷つけるために生まれたわけじゃない。
「私は──守るために、この力を使う」