4-1. ケーキ屋さんの今年一三歳になる看板娘
この物語はフィクションです。
作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、
特定の事件・事象とも一切関係はありません。
どれだけの時間が経っただろうか。五分かもしれないし、一時間かもしれない。
案内された応接室のソファで一人、サトウは貧乏ゆすりをしながら待っていた。
「サトウ様、お待たせいたしました」
「!!」
短いノックの後、アッサラームが扉から顔を覗かせた。
思わずソファから起立したサトウに、アッサラームは笑顔で返した。
「ふふ、そこまで心待ちにしていただいていると、こちらまで嬉しくなりますな」
「心待ちだなんて、やれやれ。ちょっとだけだよ。リトルビットさ」
「さ、ミルフィーユ。ご挨拶なさい」
「はい」
ミルフィーユが現れる。
奴隷という身分だからか相手は酷く薄着だ。というか上半身裸だ。
しかも身長一七一センチのサトウが首が痛くなるくらい見上げる必要があるほど背が高い。
また、露出したミルフィーユの胸の高さにサトウの頭がくるため、恥ずかしくなり目線を外した。
目の前に突き出された胸を見たせいか、ついつい考えてしまう。
日本に残してきたアメリカ人美女の義母や、金髪巨乳ギャルより確実に大きい。
それにしても、たくましい胸筋だった。
「たくましい胸筋?」
「ほほ、サトウ様。そんなに凝視するものではありませんぞ。ミルフィーユも恥ずかしがっております」
「アッサラームさん。構わんさ。私の胸でよければ、いくらでも見るといい」
バリトンボイス。
その声を聞いたサトウは自分の両頬を強く叩くと、改めてミルフィーユの姿を確認する。
二〇〇センチ以上あるだろう身長。西洋彫刻のように鍛え上げられた肉体。
それでいて知性を感じる眼差し、厚い唇と、光り輝くスキンヘッド。
上半身は右胸から右腕にかけてビッシリとタトゥーが刻まれていた。
「満足したかな、御主人様。私はミルフィーユ。自認はケーキ屋さんの今年一三歳になる看板娘だ。どうか可愛がってくれ」
ケーキ屋さんの今年一三歳になる看板娘を自称する大男を目の前に、サトウは言葉が出ない。
これが恐怖だろうか。それとも強いストレスにさらされたせいだろうか。
「あぁ。右胸の彼が気になるのかな。彼の名はトップ。挨拶を」
「あ、あの、どうも。サトウです」
可愛いヒロインとの出会いです。
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