27-2. ンどしたん話聞こうか?
この物語はフィクションです。
作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、
特定の事件・事象とも一切関係はありません。
日本人が危険な存在だというのであれば王都へ移送などせず、その場で殺害すべきではと思っていたが、そのスキルを強奪する術があるのなら話は別だろう。
透明化スキル持ちのユウヤが「捕縛・最悪の場合討伐」対象とされていたのも頷ける。
「ン俺のスキル名は『韓流』。ンこのスキルに目覚めると髪型はさながら男性器に。ンそして包茎のように伸びた襟が顔面から剥がれなくなり。ン俺に触れられて喜ばぬ女はいなくなります」
「多分それは、韓流とはまた別の何かなんじゃねーかな」
ファタルは「ンちょうどいい機会なので体験していただきましょう」と言ってミルフィーユに近づく。
そして彼女の耳元でイケボツイキャス主のような吐息混じりの声で話し始めた。
スキンヘッドのムキムキのオッサンと、男性器の化身のような青年が絡み合っている。
やれやれ、最悪の絵面だ。何を見せられてるんだ。何らかのハラスメントだろ。これ。
「ンどしたん話聞こうか?」
「ぐっ、何だ、つい彼に全てを話したくなってしまう‥‥ッ!預金口座の暗証番号を教えたくなってきた」
「ンこれが俺のスキルです。ン全ての女性が俺に心も股も開き、隠し事が不可能になる」
「ミルフィーユちゃんも対象になるのは範囲広すぎんか?」
あまりにもミルフィーユ特攻すぎる。
もしミルフィーユにサトウが日本人だと気づかれれば、ファタルにも筒抜けになるだろう。
怯えるサトウを置き去りに、大人たちはファタルの持つチートスキルに盛り上がっている。
日本人以外のチートスキル持ちはそれなりに珍しいようだ。
ファタルによれば『韓流』は女性特化のスキルだが、男性かつ日本人特化のスキル『夢物語』持ちの女性拷問官も居るらしい。
それは、さぁ。ズルいじゃん。ちょっと会ってみたいじゃん。
「ン拷問官といっても、別に日本人へ暴行を加えるわけではありません。ンこれは攻撃系スキルではないですし」
「意外と優しいんだ」
「ンそうですとも。ン日本人男性はなぜかこちらの世界の女性を複数人囲ってハーレムを作っていることがあるでしょう‥‥。ン俺はただ、そのハーレム全員に話を聞くだけですから」
「はわわ!何か怖い話しようとしてない!?」
「ン俺がハーレムの女性全員の心と股を開かせていると、勝手に日本人が戦意喪失するんですよね」
「こいつ日本人どころか人類の敵だろ」
「ンそういう見方もありますね。ンさて、俺の自己紹介は以上です。ン依頼の話をしましょうか」
「そうだよ。俺を無罪放免にするための話をしてくれよ。さっきからお爺ちゃんと言い、君と言い。いちいちエピソード濃いぞ」
一気に色々伝えられても覚えてらんないよ、と言いながらサトウは文句を垂れる。
「ンまず安心していただきたいのは、今度はサトウさん個人ではなく『筋肉の監獄』への依頼であり、期限もありません」
「ふむ、私たちへの依頼か。だが期限が無いとは?」
「ン俺は今、ある日本人女性の捕縛を考えていましてね」
「日本人女性。まさにファタル殿案件というわけじゃな」
「ンその通り。ンですがなかなかその足取りを掴めず困っているんです。ンそこで今回サトウさんには俺の仕事に協力していただき、その働きぶりを見て領主様が処遇を決める流れになっています」
「指標がふわっとしてんな。まぁやるけど」
「ン頼もしい。ン彼女の名はトメ。ン魔法少女です」
この話を思いついたのは結構昔なんですが。
今って「どしたん話聞こうか?」な若者って生存してるんですかね。
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