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25-2. かなりボンボヤージュでした

 この物語はフィクションです。

 作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、

 特定の事件・事象とも一切関係はありません。

「そ、そそそんなわけ無いじゃないですかぁ!俺は極東人であって日本人じゃないですからね!ちょっと外見が似てるだけで日本人扱いされるだなんて、‥‥し、心外だぁ!」


「極東人だと身分を偽っていた日本人が見つかったという情報はこの大陸中にいくつもある。そのため突然現れた極東人は、それだけでも警戒の対象なのだよ」


身分詐称(そんなこと)しやがるんですか!日本人めぇ、許せん!ボコボコにしてやりますよぉ、この俺がね!極東人代表としてね!な、ミルフィーユちゃん!な!」

「御主人様。さっきから汗が凄いぞ、体調でも悪いんじゃないのか」

「違うから、これはそういうんじゃないから!日本人への怒り、そう、怒りの汗だから!」


「入外履歴のない突然現れた極東人。当時はこの国の常識もほとんど無く、ステータスは五歳児の平均値と同等。甘やかされて育った人間のステータスが低くなることはあるが、それにしても低すぎる」

「今は六歳児の平均値って言われてますけどね」

「いやぁ、低すぎる」


 ウサ耳を揺らしながら噛みしめるように言った領主の言葉に、傷ついた様子のサトウ。

 そこまで言われるほどなの?とミルフィーユへ目配せするも「まぁ七歳児と本気の殴り合いをしたら負けるかもしれない値だからなぁ」と言われ納得するしかなかった。


 体格差もあるため流石に負けることは無いだろうが、そもそもサトウの年齢(一七歳)だと七歳児と本気の殴り合いなんて始めた時点でもう負けなのである。


「自らのステータスと引き換えに絶大な力を得るチートスキルでも持っているのかと思いきや、そもそもスキル未修得。逆に何か隠していると疑わざるを得ないほど貧弱なステータス。そう。君はあまりに異質で不気味な存在なのだ」


 やれやれ、ボロクソ言うじゃん。

 貧弱だとか。異質だとか。不気味だとか。


 弱すぎると言われてもサトウも困っている。日本での彼はステータスオールS、チート盛々で神から存在がバグとまで言われた存在だった。

 せっかく異世界転移できたと思えばステータスオールGにされたうえ、ムキムキのオッサンと一緒に危険人物扱いされ、冒険に出れば大怪我してばかり。


 これらの不運は、サトウが日本で享受していた『幸福』が、異世界転移でチートが消えたことで定期的に『不幸』となって返ってきているせいなのだが、彼が知る由もない。


「ガッハッハ!ランコー(・・・・)よ!人をそう苛めるものではないのじゃ!」


挿絵(By みてみん)


 サトウが後ろを振り向くと、開いた扉の前にはインラーンが立っていた。

 先日の日本人との戦いで、老人が大きな怪我をしていないことをサトウは喜ぶ。


「久しぶり!元気そうじゃん!」

「うむ。二人とも久しぶりなのじゃ。すぐに会いに行ってやれんですまんかった。色々と根回しが必要での」


 インラーンもサトウのために行動していたようだ。

 サトウもスライム討伐期間中、インラーンだけ別行動ということはミルフィーユから聞いて把握していたが、別行動の内容までは知らされていなかった。


父上(・・)。苛めるなと仰られても、小言の1つや2つ言いたくなるでしょう」

「いやー、お前にも迷惑をかけたのう。助かったのじゃ」


「じーさんが父上?じーさんも、さっきランコーとか言ってたけど‥‥?」


 領主が椅子から立ち上がり、インラーンの隣へ進む。


「君が『じーさん』と呼んでいるのは、この辺境を初めて統治した方。つまり初代インラーン辺境伯だ」

「そして、こいつが倅の現インラーン辺境伯。ランコー・インラーン。儂と目元や耳がクリソツじゃろ」


 インラーンが前辺境伯?めちゃくちゃタメ口きいてたけど?

 サトウがミルフィーユを見る。


「当然、私も知っていたさ。『常識がほとんど無い』。そういうところだぞ」


 確かに領主にそう言われたけど、流石に教えてくれたって良くない?

 2エピソード連続でウサ耳サムネです。

 っぱ、異世界転移ものならお色気キャラ・ケモ耳キャラは鉄板でしょう。

 これからも軽率に上裸の13歳と、ウサ耳を出していきます。

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