表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/66

3-1. 主人公、初手で奴隷を買いがち

 この物語はフィクションです。

 作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、

 特定の事件・事象とも一切関係はありません。

 受付嬢から言われるがまま決済機の液晶に手をかざすサトウ。

 そもそも決済機って、コンビニのレジじゃないこれ?年齢確認の液晶タッチのやつじゃないこれ?


「は、はえー。最近のギルドでは日本人かどうかなんて確認するんだな」

「一般的な冒険者ギルドでは確認するものかと」


 決済を待つ間、サトウは体中の穴という穴から何らかの汁が滲むのを感じた。

 どんな情報が読み取られるんだろうか。国籍が表示されるんだとしたら詰む。


「はい。五千ゴールドたしかに。‥‥日本人ではなさそうですね。ギルドの決まりや、クエスト受注のルールについてはこちらの冊子をご一読くださいね」


 受付嬢はカウンターの上に「冒険のしおり」と書かれた冊子と、紐のついた木の板を置いた。


「この木の板は」

「こちらが駆け出し(Fランク)冒険者の認識票となります。冒険者であることの証明書でもありますので、肌身離さぬようお願いします」


「これ日本人だったらどうなってたんだ」

「治安維持隊によって拘束。その後は王都に移送することになりますね。日本人は大きな問題を起こしがちなので、そのまま懲役刑か処刑になります」


「日本人ってそんなに頻繁に転移してくるもんなのか」

「数年に一度でしょうか」

「後学のために訊いておきたいんだが、どうやって日本人か判断してるんだ?」

「決済機で読み取った情報を見て判断していますね」


 受付嬢がカウンターから軽く乗り出し、決済機の液晶を指差す。

 そこにはステータスが表示されていた。STR、VITといった文字の横に、GやG-というアルファベットが付いている。

 同じ情報が受付嬢の座るカウンター側でも表示されているのだろう。


「例えば、このステータスに一つでもA以上があると怪しいですね。ステータス値は努力や経験によって上昇するものですので、初めて冒険者登録に来た者が高ステータスであることは、ほぼあり得ません」


「山奥でめちゃくちゃ修行してたかもしれない場合は?」

「もちろん、そういうことも考えられますね。その場合、体型・一般常識の確認・修得スキルを見て、他のギルド員たちと協議して判断します」


 どこからどう見てもヒョロガリなのに、筋力や耐久力などのステータスが高い。

 手に傷一つ付いていないのに、農業系や狩猟系のスキルを豊富に修得している。

 みたいな人間が「ちょっと金の勘定を教えてくれないか」なんて言うとアウトになるようだ。まぁ、金の勘定を知らないやつは普通に怪しい。


「俺はそれに引っかからなかったと」

「ステータスが軒並みG評価以下。スキルも未修得。今年で五歳になる私の甥よりも弱いですからね!ご安心ください、日本人なわけがありません!」


「ン"ン"ン"ン"ン"ッ"!"‥‥俺だって、お金の使い方、知らなかったけどね!」


 サトウは奇声をあげながら自分も怪しかったはずだ、とアピールする。


「少し常識を欠いていて、不自然に弱すぎる気もしますが、甘やかされた富裕層のご令息は低い評価になりますし。特に問題ないと判断しました」

「そうだね。俺は随分と、甘やかされて、育ってきたからね。クソ雑魚だね」


 サトウは額に青筋を立てながらも何とか笑顔を作る。屈辱だ。

 悔しがるサトウに対し、受付嬢は何やら説明を続けていたが彼の耳には入っていない。無意識に手を強く握ったことで折れた指が痛んだ。


「痛っ」

「あぁそうでした。治癒魔法使いの伝手でしたね。あいにく当ギルド所属の治癒魔法使いは出払っておりますので、治療院か、試しに奴隷商を覗いてみていかがでしょうか」


 奴隷商。

 これも異世界あるあるだ。異世界転移した主人公、初手で奴隷を買いがち。


 せっかく異世界に来たのだ。美少女の奴隷を買って、何やかんやでその奴隷が覚醒して、やれやれしてたらハーレムが増えていって、みたいなことをやってみたいとサトウも考えていた。


「やれやれ、奴隷か。でも大丈夫なのかな、それこそ日本人っぽくない?」

「今回は私の方から勧めておりますし。もし治癒魔法使いの奴隷を購入できれば、治療院で治癒魔法をお願いするより安く済みますよ」


「治療院ってそんなにボラれるのかよ」

「骨折ですと一箇所ごとに一〇〇万ゴールドほどかと。奴隷であればピンキリですが安ければ数十万で購入できるはずです」


 折れている指は二本。治療院だと二〇〇万ゴールドかかってしまう。

 サトウの現在の所持金は「295,000G」。奴隷商でキリ(・・)の価格帯に治癒魔法使いの美少女が居ることを祈ってみようか。


「ありがとう。奴隷商を訪ねてみる」

「出入り口付近にこの街のマップが掲示されておりますので、経路をご確認くださいね」

 もうすでに異世界ものに美少女を出さないのは厳しくない?と思い始めました。

--

 お手すきでしたら【評価】と【ブックマーク】の方、どうかお願いします。

 評価は下部の星マークで行えます! ※例)☆☆☆☆☆→★★★☆☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ