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20-2. 仲良くしようよ。同じ日本人なんだから

 この物語はフィクションです。

 作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、

 特定の事件・事象とも一切関係はありません。

 不思議と痛みは感じない。両手首が吹き飛んだわけだがこれからどうしよう。

 両腕を義手にして仕込み刀を入れるか。やれやれ。ちょっと百鬼丸みたいで格好いいな。


「だ、大丈夫ですか?」

「大丈夫じゃねぇよ、これ。両腕を刀にするしかなくなっちゃった」

「な、縄を爆発させただけですから」


 確かに両腕の感覚がある。サトウの両手首は無事に繋がったままだった。

 ふと顔を上げると、リカケイが正座をしてその様子を伺っていた。


「なんだ、助けてくれたのか。でもユウヤ君を爆発させたのはやりすぎだったんじゃ」

「そ、そうかもしれませんね。で、でも日頃の恨みが、た、溜まりに溜まってて。つ、ついやっちゃいました」


「つい殺っちゃったんだ。まぁ、こんなに強いリカケイさんを無能呼ばわりして、置き去りにしようとするなんて悪い奴だったしな。インガオーホーってやつだな」

「ぼ、僕もマンプク君も、に、日本ではユウヤ君のパシリでした。こ、異世界(こっち)に来た直後は僕だけスキルが無かったので、あ、扱いは更に酷くなりました」


「スキルの覚醒後は良くしてもらえたんじゃないか」

「そ、そんなに変わりませんでしたよ。こ、このスキルは時速二キロなうえSP(スキルポイント)を多く消費するので、れ、連発もできず使い所も限定されるんです。し、仕返しを恐れたのか、ス、スキル覚醒後は基本的に別行動でしたが」


「これからどうするんだ」

「す、少しでもこちらの世界に溶け込めるように、い、以前、け、怪我で引退した冒険者から認識票を買っておいたんです」


 そう言ってリカケイは首元から、鉄でできた認識票を出してみせた。

 サトウが持っているのは木でできた駆け出し(Fランク)冒険者の認識票。鉄ということはEランク以上の認識票だろう。


「あ、荒事は苦手ですし冒険者にはなりませんが、ほ、本人確認書類代わりにはなるでしょう。こ、これからは独りでひっそりと暮らしていきます」

「それがいいよ。もう盗撮もしないように。理系でもモラルは守ったほうがいい」


 一応助けてくれたのだし、リカケイを逃がしてあげよう。

 サトウは立ち上がると窓から外へ出られそうな事を確認する。どうせ先に逃げていったマンプクは拘束されているだろうし、今は建物正面に人が集中しているだろう。


 ユウヤの死体を引き渡すだけで報酬も手に入るはずだ。

 この作戦は終わりかな。そう考えて立ち上がったサトウの頬に飛沫が飛んだ。


 血だ。


 正座したままのリカケイの首にナイフが突き立っている。

 ぶくぶくと口から赤い泡を出した彼は、白目を向いたまま動かなくなった。

 一〇年ぶりに艦これを始めました。

 イベントってどうやれば参加できるのこれ。そもそも今はイベントやってるの。

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