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14-3. グレープ味だぁ

 この物語はフィクションです。

 作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、

 特定の事件・事象とも一切関係はありません。

 あれから数日、サトウはいくつもの常設依頼をこなしていた。

 合間でインラーンと共にゴブリンやボーパルバニーの討伐依頼に挑戦し、無傷のまま囮役ができる程度には戦闘にも慣れたある日。

 依頼の完了報告に訪れたギルドに見覚えのあるスキンヘッドの姿があった。


「ミルフィーユちゃん」

「やぁ御主人様。インラーン氏も助かったよ」

「うむ。お主の討伐依頼はどうだったのじゃ」


「いや失敗してしまってね。持ち帰った情報の情報料だけ受け取ったところさ」

「ミルフィーユちゃんが失敗するほど強かったのか?」


「それが逃げられてしまってね」


 とにかく強いミルフィーユから逃げおおせるような敵。

 詳しく話を訊いてみようとしたが、受け付けのカウンターから受付嬢が顔を出し手を振っているのがサトウの視界に入った。


 順番が回ってきたサトウは、カウンター前へ進んで受付嬢に手提げ袋を差し出す。


 討伐証明部位の換金手続きが済み、依頼完了となったところで恒例のステータス確認を行う。

 サトウが決済機の液晶に手をかざすと受付嬢が驚きの声をあげた。


「サトウさん、こっ、これは‥‥!」


 ここ数日で囮役も立派に務められるようなったサトウ。

 自分で言うのも何だが「成長」というものを、ひしひしと感じていた。

 やれやれ。やっと勇者の力が覚醒したりしたのかな。

 ついに主人公が成長するようです。

 こいつぁすごいことになりますよ。

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