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11-1. ウサ耳の見習い鍛冶職人

 この物語はフィクションです。

 作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、

 特定の事件・事象とも一切関係はありません。

 ウサ耳の見習い鍛冶職人は使いに出ているらしい。

 鍛冶屋の親方からそう告げられ、二人はギルドに戻ってきていた。


 ウサ耳の彼女(・・)とはギルドで合流する約束を取り付け、先にギルドで依頼を見繕うことにしたのだ。

 新メンバーとの連携を確認するためにも、いつも通りゴブリン討伐依頼を受注することにした。


「楽しみだなぁ」

「御主人様、そわそわしすぎだよ。落ち着きたまえ」


 どんな美少女が仲間になるのだろう。

 高身長で巨乳でもいいし、低身長な幼女でもいい。


 日本のどこにでもいる普通の高校二年生でありながら、アメリカ人美女の義母と、美人三姉妹と、金髪巨乳ギャルと、美人生徒会長に囲まれていたサトウ。

 久方ぶりに美少女と戯れられると期待に胸を膨らませていた。


「失礼。サトウ殿かの、待たせてすまんかったのじゃ」

「!!」


 この口調は、のじゃロリ?


「小柄な子にゴツい武器はいいぞ」


 サトウが振り向く。目線の高さにウサ耳だけが見えた。

 身長一七一センチの彼と比較するに、その身長は一四〇センチほどだろうか。


 思っていた通り小柄だ。のじゃロリだ。のじゃロリだよ、これ。

 サトウが目線を落とし美少女の顔を確認する。


挿絵(By みてみん)


「ガッハッハ!見習いのインラーンじゃ!よろしく頼みますのじゃ!」


 豊かなヒゲ。左手にはバックラー。鞘に入れたままの剣で右肩をポンポンと叩きながら、歯をむき出しにして笑う兎人族の老人。

 体の至る所に短剣を帯びているため笑う度にガチャガチャと音がする。


「あ、あぁ、あぁぁ」


 サトウはその場にへたり込むと動かなくなった。


「どうしたのじゃ?」

「すまない。ウサ耳の見習い鍛冶職人と聞いて、彼は美少女が来ると想像していたんだ。まるで私のようなね」

「お主のような美少女?‥‥いや、そ、それは申し訳ないことをしたのじゃ」


「構わないさ、インラーン氏。私の名はミルフィーユ。人は私のことを『ケーキ屋さんの今年一三歳になる看板娘』とも言うね」


 インラーンと名乗った老人は、ケーキ屋さんの今年一三歳になる看板娘を自称するスキンヘッドの大男に困惑している様子だ。


「さ。パーティー登録を済ませて討伐依頼へ向かおう。いつまで座っているつもりかね御主人様」

「はっ、はわわ!俺のウサ耳美少女は!?」

「ほらそこに」

「何度見てもジジイだ!」


 騒ぐサトウの襟首を掴んだミルフィーユがぐんぐん受付へ進んでいくと、彼をいつもの受付嬢のカウンター前に立たせた。


「やぁ。依頼受注時に話した新メンバーだ。パーティー登録を頼むよ」

「お待ちしておりましたミルフィーユさん。って、インラーン様!?」

「ふむ。やはり彼はあの(・・)インラーン氏か。御主人様、それなりに戦えるどころか彼は即戦力だよ」


「ちょっと待て。あの(・・)って何だ。また犯罪者じゃないだろうな」


 大金はたいて買った奴隷が二つ名付きの犯罪奴隷、連れ去りミルフィーユだったサトウが警戒する。

 ただでさえ日本人だということを隠しておきたい彼にはこれ以上、爆弾を抱える余裕などないのだ。


「そうか。極東人の御主人様は知らないか。彼は」

「持ってくれ。儂はあくまで見習いのインラーンで居たいのじゃ」


「まぁ犯罪者じゃないなら何でもいいけどさ」


「わ、分かりました。であればインラーン様を一介の冒険者として、パーティー登録いたしますね」

「それで良い。よろしく頼むのじゃ」


 ミルフィーユとパーティー登録したときのように、一人ずつ決済機の液晶に手をかざしていく。

 サトウは依頼を受注する度にステータスを再確認していたが、特に強くなることもスキルが増えることも無かった。


「はい。パーティー登録完了です。‥‥と、一つお伝えしたいことが。隣町で日本人の目撃情報がありました」

 小柄なのにゴツい装備のウサ耳が仲間入りです。やったね。

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