9-2. あいつらのどこが「どこにでもいる普通の高校生」だ
この物語はフィクションです。
作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、
特定の事件・事象とも一切関係はありません。
「いやぁあああああああああああああああああああああああ!!!?」
倒れたゴブリンを改めて見て、サトウは乙女のような悲鳴をあげる。
サトウが掴んだ右腕は約二倍に伸びていた。
その逆に左腕は縮み、体内に飲み込まれた指先が僅かに覗いている。
筋が伸び切ってしまったのかもう右腕は動かせないようだ。ゴブリンは恨めしそうにサトウを睨んでいた。
この状態になったゴブリンはバランスがとれなくなるせいか、もう襲ってこないらしい。
地面に突っ伏した状態でコチラを睨むゴブリン。サトウがその胸に果物ナイフを突き刺すと、ゴブリンは動かなくなった。
「ゴブリン初討伐おめでとう」
「へ、へへ。やれやれ。余裕だったわ、マジで」
土下座したままのミルフィーユは「そうか」と短く言うと、祈りを続けた。
初めて自分の手で命を奪うという感覚に、サトウの体が震えだす。
吐き気がしてきた。汗も止まらない。インフルエンザくらい辛い。
サトウが見たアニメでは、異世界転移した高校生は簡単そうに魔物を殺せていたし、スキルの効果を確認するために魔物を大量殺戮したりもしていた。
実際はめちゃくちゃ怖いし、一匹殺すだけでもしんどいじゃないか。
あいつらのどこが「どこにでもいる普通の高校生」だ。
実家がマタギか、と殺場でも営んでないと説明がつかないぞ。
何にせよ。異世界転移ものなんて所詮フィクションだったのだ。
切り替える必要があると頭で分かっていても、しばらく夢に見るだろうとサトウはまた震える。
「御主人様。そろそろ帰ろう」
「ああ」
気づけばミルフィーユが祈り終え、立ち上がっていた。
その手には、倒したゴブリンたちの皿を持っている。
空が曇って日光が遮られたことで動けるようになったらしい。
ゴブリン討伐ノルマは達成済み。二人は森を出て街へ帰ることにした。
行き当たりばったりで書いてるので何が何だか分からなくなってきた。
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