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8-2. ふふ、これは必殺技ではなく弱攻撃だよ

 この物語はフィクションです。

 作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、

 特定の事件・事象とも一切関係はありません。

 今回はサトウの初クエストだ。

 まずは独力でゴブリンを探し出し、その後はミルフィーユとゴブリンの戦闘を見学するという流れになっている。


 サトウは手元の冊子を開いたり閉じたりしつつ初心者の森を進む。

 初日にギルドで受け取った冊子「冒険のしおり」に冒険に役立つ基礎知識がまとめられている。そこにはゴブリンの生態についても記載されていた。


 ゴブリン。

 子どものような体格していて、全身は緑色。森や山中の川辺に棲む魔物。

 好戦的な性格をしており、背中への攻撃はほぼダメージが通らないともある。


 頭頂部に特徴がある(・・・・・)らしいが、サトウはよく知っている生き物な気がしていた。


 しばらく森の中を歩くと、水の流れる音が聞こえてきた。

 加えて「グエッ、グエッ」という鳴き声のようなものも聞こえる。


 木の裏に身を潜めながらサトウが鳴き声の正体を確認する。

 緑色の生き物が数体、川辺に集まっていた。


「あれがゴブリン?」

「よくやった御主人様。あれが今回の討伐対象のゴブリンだ」


 冊子通りの体格をした緑色の魔物。

 背中に甲羅を背負い、手足には水掻き、頭頂部には皿を乗せている。


挿絵(By みてみん)


 河童だ。

 馴染み深い日本の妖怪。河童だ。

 実際に見たことはないが日本人ならよく知っている生き物。河童だ。


「河童って実在したんだ」

「カッパ?」

「こっちの話。で、これからどうする?頭の皿をカチ割ればいいのか?」

「皿は討伐証明のため、剥ぎ取る必要がある」


 ミルフィーユはサトウの頭を撫でると、そのまま両拳を握って河童の群れへ近づいていく。


「ミルフィーユちゃん、武器は!?」

「私の武器はこの肉体さ。さて、長年の奴隷生活で鈍っていないといいがね」


 突然現れた上半身裸でムキムキの大男に、あるゴブリンが気づく。

 そのゴブリンはミルフィーユを指さすと「ギャギャッ」とけたたましく吠えた。呼応するようにその他のゴブリンたちも騒ぎ出す。


 亀のような甲羅を背負っているわりに動きが素早い。

 あっという間にミルフィーユはゴブリンたちに囲まれてしまった。


 そしてゴブリンがミルフィーユに噛みつこうとしたとき、彼女はゴブリンの下顎を握っていた拳で軽く撫でた(・・・・・)

 瞬間、ゴブリンの下顎が弾け飛ぶ。そのまま糸の切れた操り人形のように倒れ、数回短く痙攣すると動かなくなった。


 ミルフィーユがゴブリンを撫でると次々に弾けていく。北斗の拳かな。

 気づけばゴブリンは残り一匹になっていた。


「グロすぎないか、その必殺技!」

「ふふ、これは必殺技ではなく弱攻撃だよ」

「こんな弱攻撃があってたまるか!」


 サトウの声に反応した最後のゴブリンが彼に襲いかかる。

 咄嗟にパチンコを構えようとするも、そもそも弾にする小石を拾っていないことを思い出した。


 とりあえず手に持ったパチンコで引っ叩こうと構えるサトウ。

 そんな彼とゴブリンの間に、ミルフィーユの拳が突き刺さる。


 先ほどまで身を潜めていた木が大きな音をたてながら倒れた。


「御主人様、怪我はないか」

「助かった。五歳児並みの戦闘力じゃ勝てるか心配だったんだ」


「もう少し下がっていてく、れ‥‥!?ヌゥウアァ!!」

「どうした!どこかやられたのかミルフィーユちゃん!」


 先ほどまで軽快にゴブリンを討伐していたミルフィーユが膝をついた。

 苦しげな表情を浮かべ蹲った彼女に、思わずサトウも駆け寄る。


 ミルフィーユは土下座していた。

 先ほどの攻撃で木陰を作っていた木を倒してしまったせいだ。

 陽の光に晒されている間、彼女はメッカに向けて祈り続けねばならない。


「ヌゥン!御主人様!気をつけろ、トラップだ!」


「いい加減にしろよ!このハゲ!」

 最初「河童」だけ入力したらサボテンダーみたいな画像が出てきて、

 それからいろいろ頑張ってこの画像になりました。これが私の限界です。

 もう少しシンプルな河童が欲しかったんですけどね。

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