1-1. どこにでもいる普通の高校二年生
この物語はフィクションです。
作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、
特定の事件・事象とも一切関係はありません。
特定の作品を馬鹿にするような意図もありません。
俺の名前はサトウタケル。
どこにでもいる普通の高校二年生だ。
身長一七一センチ、体重五七キロ。日本人の標準体型。
県内では有名だが、他県では全く知られていない、よくある地元密着型の公立共学高校に通っている。
この春に父親が再婚し、俺より二歳年上のアメリカ人美女の義母ができたり、
隣に住む大学一年生、高校二年生、中学三年生の美人三姉妹がなぜか毎朝ベッドに潜り込んできたり、
小学生のころ引っ越したきり行方知れずだった男友達が、金髪巨乳ギャルになって戻ってきたり、
授業中ずっと寝ているにも関わらず、美人揃いの生徒会にしつこく誘われていたりするが、
誰が何と言おうと俺は、どこにでもいる普通の高校二年生だ。
登校中、足元にサッカーボールが転がってきた。
やれやれ、一旦モノローグは止めることにする。
俺はサッカーボールをノールックで蹴り返すと、それは道路を挟んだ向かいの児童公園内のサッカーゴールに吸い込まれた。
そのまま着地を決めた俺は、通学路に戻るために顔を上げる。
「「「「タケルくぅ～～～～～～ん！！」」」」
複数の背後から聞こえる声。
アメリカ人美女の義母と、美人三姉妹と、金髪巨乳ギャルと、美人生徒会長だ。
はぁ、やれやれ。
やれやれ、はぁ。
いつものことだが、何で俺に構うんだろうか。
俺なんてせいぜい近所のカフェでバイトをしていたら一ヶ月でバイトリーダーになって何故か店長から全幅の信頼を寄せられたり、海外出張の多い父親のおかげか一八ヶ国語を話せるくらいしか取り柄がないってのに。
「「「「タケルくんっ！！危ないっ！！」」」」
こちらへ走り寄ってくる美女たちを捉えていた視界が大きく歪む。同時に激痛。
痛いというよりも熱いという感覚に近いかもしれない。少し癖になる感覚だ。
初めて異世界ものの話を考えました。
異世界感が出てくるのは次話からです。
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