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始まりの記憶  作者: わたよりなお
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おはよう

 「…………!ルタスさん!!おはよう!!」

 狩りを終えて小屋に帰れば、真っ先にノアの声が聞こえた。

 「起きたか。おはよう」

 ぴょこんっと布団から跳ね起きてこちらに駆けてくる。

 「〜〜〜〜っっっ!うんっ!おはよう!!ルタスさんおはよう!!!」

 「今飯作るからちょっと待ってろ」

 「はーい!」

 朝から元気だな……

 俺の周りをぐるぐると周っていたかと思えば、「オビと遊んでくる!」と外へ飛び出していった。

 外からはノアの笑い声とオビの吠え声が交互に聞こえてくる。

 本当に、1人増えるだけでこんなに賑やかになるものなのかと驚く。

 「うっし……作るか」

 良いうさぎが捕れたから、ソテーにでもするか。昨日採った玉ねぎがあるからソースにして、パンとスープも残ってるし……よし、良いな。

 何となく作るものを決めてうさぎの解体に取り掛かる。

 解体用の台にうさぎを乗せて、皮を剥ぐ。

 皮と一緒に取り出した内臓を避けておいて…と肉を捌き終われば、いつの間に帰ってきたのか、調理台から2つの顔がひょっこりと覗いていた。

 「………こんなの見てて楽しいか…?」

 「うん!すーってやったらわ〜ってなって、ドンドンッ!で、バッ!てかんじ!!」

 「わふっ!」

 「……怪我だけすんなよ」

 落ち着かなく思いながらも覗いてる1人と1匹を横目に手を動かす。

 じゅわ、と良い音をたててうさぎ肉が焼けていく。隣で火にかかっているスープもいい感じに温まってきている。

 皿でも出し始めるか。

 「ぼくもなにかする!!」

 少し手が空くな、と振り返ればノアがぴょこぴょこと跳ねながら手を挙げていた。

 「何かってもな……じゃあ、そこの棚から皿出してくれ。こんくらいの大きさの木のやつな」

 「はーいっ!」

 パンを乗せる用の平皿を頼めば、嬉しそうに駆けていって棚の中を物色し始める。

 普段は飯だと声をかけるまで寝転がって起きてこないオビまでアイツの後ろを着いて回っている。

 兄弟みてぇだな、何て思いながらスープをよそい、フライパンの中で蒸らしていたうさぎ肉を取りだす。

 「おいしそうっ!」

 テーブルに並べられたスープと肉を見てやっと平皿を見つけたらしいノアが目を輝かせていた。

 「ほら、それよこせ」

 「うん!」

 軽く温めたパンを受け取った平皿に乗せテーブルに並べれば、何時もより豪華な食卓になった。

 「もうたべていい?」

 「おう」

 いつの間にか定位置のようになった席に座ったノアに軽く返事をして俺も座る。

 「いただきます」

 「……いただきます?」

 俺の返事を聞いた途端パンに手を伸ばしたノアが不思議そうにこちらを見て俺の真似をする。

 「飯食う前の挨拶だ。生き物の命貰ってんだからな」

 ざっくり説明してやれば、頷きながらもう一度言って、パンに齧り付いていた。

 ふと静かだな、とオビの方を見ればとっくに自分の分を平らげて満足気に寝転がっていた。

 …呑気な奴だ。

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