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始まりの記憶  作者: 山田なお
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つい、うっかり。

 うっかりしていた。


 きゅう、と内臓が締まりながら上がってくる独特の感覚と共にそんな言葉が頭に浮かぶ。

 やっぱり星空が綺麗だからと眺めながら森を歩き回るのは良くないらしい。

 ズルッていって尻もちついたらそのままストーンだもん。

 そうそう、ストーンと言えば子供の頃にもこんなことあったっけ。

 階段の一番上から一気に下までごろごろ~って。

 あ、これはごろごろ~か。

 でもあれは痛かったなぁ……

 血も出たし、足は変な方向に曲がってたし。

 お母さんとか村の人達に遠巻きにされるようになったのもその頃からだったよなぁ。

 確かに絵面はちょっと怖かったかもしれないけどさぁあんなに避けなくてもいいじゃない。

 まぁもう別に気にしてないからいいんだけど。

 でも、ちょっと困るんだよね。

 話しかけても返事してくれないとつまらないし、聞きたいことがあっても分からず仕舞いになっちゃうし。

 重いものを持とうとしても僕の腕じゃ持ち上がらないし、シーツを広げる時にそっち持っててって出来ないし。

 トランプは手札が全部見えちゃうし、チェスはどっちを勝たせようとしてたのか忘れてこんがらがるし。

 歌は1人でも楽しいけどいっぱいいた方が絶対楽しいし、動物たちと追いかけっこをしてても鬼はずっと僕だし。

 うん、やっぱり友達が欲しい。

 おはようって言ったら返してくれて、頭が良くて、力持ちで、シーツの端っこ持っててくれて、トランプもチェスも強くて、僕が歌い出したら一緒に歌ってくれて、追いかけっこは交互に鬼をやってくれる友達!



 ドォ─ンッッッ───!!!



 鼓膜が破れちゃうんじゃないかって轟音と一緒にグシャッとかバキャッッとか聞こえたと思ったら、さっきまで綺麗に見えていた星が一つも見えなくなった。






 




 あーぁ、こんなところまた誰かに見られたら友達が出来なくなっちゃう。









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