★ショートコント★『御縁探し』
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ショートコント★パート6
『御縁探し』
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大学の友達に彼氏が出来た。
これで、仲良し5人組の中で彼氏がいないのは私だけ。
生まれてこの方、彼氏なんて出来た試しがない。
なんで私には彼氏が出来ないんだろう。
そんな愚痴を、自宅の居間でテレビを見ている弟に語り続けて3時間。
ずっと黙っていた弟は、コマーシャルが終わる頃になって口を開いた。
弟「そう言えばさ、『御縁探し』って知ってる?」
姉「へ?なにそれ」
弟「この前、クラスの女子から聞いたんだけどさ。隣町に縁結びの神社あるじゃん?そこにまつわるジンクスらしいよ。『御縁、御縁、御縁がない』って唱えながら、神社の近くで五円玉を探すんだって。そこで五円玉を見つけたら、賽銭箱に入れてお祈りすると、神様が縁結びしてくれるらしいよ」
姉「え!うそ!ほんと!?」
弟「そのジンクスやったら彼氏出来たって、その女子が言ってた」
姉「え!ほんとに?私、ちょっと行ってくる!」
テレビを見るのに邪魔な姉を、居間から遠ざけるべく適当な作り話をした弟だったが、毎日のように五円玉を探す姉が、一週間もしない内に都市伝説と化していたことを知る。
姉に嘘がバレる事なく、これ以上身内の恥を晒さないよう一計を案じた弟は、高校の友達を人身御供にすることを選んだのだった。
かくして、姉と、弟の高校の友達は、縁結びの神社の下に出会い、姉の猛烈アタックの末に、5年の歳月を経て結ばれるのだった。
姉は、今でもジンクスを信じている。