4話 予想外のエンカウント
八日目
今日も今日とていつものルーティンをこなした後【神熊の木彫り】のお手入れをし、何をするかリビングで悩んでいると、今まで少しも気に留めてなかったことが浮かんできた。
この世界って四季あるの?である。
今日起きてほんの少し、ほんの少しだけだが肌寒く感じたのだ。もし万が一冬が来てしまうと食料が森から取れなくなる可能性がある。(冬眠とかするだろうし)
冬越しのために食料をためたいところだが一般男子高校生の俺は保存食の作り方など知らないし、こないだ狩ったシカは運よく獲れただけである。定期的に狩るのは絶対に無理だ。
ならどうするか、そう魚である!。どうにかして川を発見する事さえできれば冬でも魚を捕ることができる可能性がある。冬釣りとかいう単語をきいたことがある。
ので!今日は森の探索をした、ただし何日か前に聞こえた化け物の声がした方向と逆方向の森の探索である。今回は迷わないようにするために来た道にある木にナイフで傷をつけながら探索を行った。
さて結論から言うが川は見つかった。歩いて30分ほどだろうか、ものすごくきれいな川があった。かなりいいサイズの魚も泳いでいた。大発見である。
そしてここで俺にある考えが浮かんできた。このまま川を下れば人里につくんじゃね?である。というわけでそのまま川を目印に歩いてみた。2時間ほど歩いただろうか、ものすごいものを発見した。焚火の痕跡である!!!。
これで確定した。このまま川を下れば100%くらいの確立で人里につく。しかし今はまだ準備が足りない、今人里におりても言葉が通じない可能性もあるしここからもう何時間も歩かないとつかない可能性もある、だから俺は一度家に帰り準備を進めることにした。
ちなみにだが本日は迷わずに家に帰ることができた。目印様様である。
九日目
本日は遠出の準備をすることにした。鞄の中にいろいろとものを詰め、人里についたときに売ってお金に代わりそうな「塩」「コショウ」を少し多めにもって川につくまでの道をわかりやすく少し整備する。まぁ整備といってもスコップを使って川までの道を軽―く掘っていき獣道らしきものを作るくらいなのだが…草とか落ち葉とか邪魔だし
疲れた、計画が甘かった。7時間くらいかかった。なめてた。本当に疲れた。道を軽く掘って落ち葉とかをどかせば何とかなると思っていたが甘かった。何とか完成はしたが何日か放っておくと即見えなくなりそうな道だ。定期的に整備する必要がありそうだ。
十一日目
さてようやく家に帰ることができた。今日はいろいろあったので昨日と同じくらい疲れた。しかしその分だけ収穫はあった。
人里は発見できた。村と呼べる規模の集落であった。が滅んでいた。人っ子一人いなく、村の周りをかこっている柵は崩れ、家屋も半数くらいは倒壊していた。
そのまま村の探索しようと村に入るとさっきまで寝ていたのかかなり寝ぼけた様子のゴブリン?が歩いていた即座に剣を抜き構えると、向こうもこちらに気づいたのかニヤァと気持ちの悪い笑みを浮かべ手に持っていた棍棒をもって「グギャガガガガ」と声を挙げ襲ってきた。俺は全力で森まで逃げた。
ゴブリンは俺が逃げたことに一瞬驚いていた様子だがすぐにそのまま俺を追いかけてきた。足は俺の方がかなり速かったので逃げ切れたし登れそうな木の上に上って隠れて弓を構えることもできた。ひっそりと息を殺しているとゴブリンは息を切らしながら俺の隠れている木の下付近まで来たのでそのまま頭部を弓で射抜いた。
まさか一発で当たるとは思わなかった。どうやら俺は本当に弓の扱いがうまいらしい、そのまま一応周りを見渡しゴブリンの仲間がいないことを確認してから下に降り殺したゴブリンの腹の部分を思いっきりナイフで刺して紫の結晶を取りだした。やっぱりこいつにもあった。
その後一息つきもう一度村を見に行ったがよく見るとゴブリンたちが家屋からぞろぞろと出てきていた。どうやら睡眠中だったらしい、さっき殺した個体は早起きしていたようだ。というかあの集団に遭遇しなくてよかった。危うく殺されていた。俺はそのまま全力で逃げた。そのあと殺したゴブリンを頑張って埋めた。
あいつらにどれくらい知能があるかわからないがこういうのは隠す方がいいに決まっている。幸い穴を掘るのは慣れていたのですぐに終わった。終わったら即帰宅した。怖いし
さてここで少し状況を整理してみよう、あの村はたぶん滅んでからまぁまぁ時間がたってると思う。かなり荒れてたし、それよりもあのゴブリンどもである。まず確定事項として俺はこれから生きていくうえであのゴブリンはどうにかして殺さないといけない。でないとあの村を調査できないからだ。今のところ唯一の情報源だ。何とかして奴らをどかさないと。
自分で書いてて思うけどこの主人公すごすぎん?