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戦後の復興

【戦後の復興】


ドーム・ダンジョンを破壊すると、

大和国の西半分に展開していたダンジョンも消滅した。

合わせて、大和国にはびこっていた魔物も全て消えてしまった。


『ドーム・ダンジョンが諸悪の根源という説は確かだったわね』

『ああ、こう見事に魔物やダンジョンが消え失せるとは』


『だが、これからも大変だぞ』


大和国の人口は3分の1以下に減っていた。

推定3千万人。


インフラはそのまま残されている。

が、輸入が閉ざされている。


政府は壊滅しており、

早急に無政府状態をなんとかする必要がある。


しかし、そういう時に活躍するタイプがいる。

百年以上前の話だが、世界大戦が終わった後にゴロツキが大和国を荒らし回った話は有名だ。

彼らはなんと武装して警察署まで襲ったのである。


警察も軍も壊滅状態だ。

だから、オレは緊急避難的に全国に魔烏と魔狼を解き放った。

この頃になると、数万体の魔烏・魔狼を呼び出すことができた。

彼らにある程度フリーハンドに動いてもらい、

睨みをきかしたが、それでも数が不足した。


早急に各地方なり都市なりで統治機関を立ち上げる必要があった。

首都圏及び北部については、ある程度の統治が回復していた。

役所や警察などの生き残りを中心に暫定統治機関が発足していたのだ。

大和人はこういう時に過剰なほどのまとまりを見せる。

大災害が起きても治安が乱れないので世界的に称賛されることが多い。


大和国の西部においても、問題のありすぎる個人・団体には密かにチェックに入った。魔烏・魔狼にアンタッチャブルなエリア・存在はない。

どこにでも現れ、ガッチリ証拠をつかんできた。

まさしく超合法的な秘密警察といったところだが、治安が回復するまでのつなぎとして勘弁してもらっている。



インフラは殆どが無傷で残っている。

だが、維持できるかとなると難しい点が多い。

そもそも、大和国はエネルギーの多くを輸入に頼っている。

備蓄量は3ヶ月分。

人口の激減した今だとしても、輸入がなければ1年程度で備蓄分がなくなる。


そこで、早急に手当したのが太陽光発電と燃料電池だ。


太陽光発電工場は稼働していた。

太陽光発電パネルも在庫が多く残されていた。

そもそも世界的な供給過剰だったのだ。


夢露もより効率の高い太陽光発電魔道具を開発した。

合わせてどんどんと増産・設置していき、

1年以内に、家庭用電気程度ならばなんとか自給できる程度になった。



注目は燃料電池の開発だ。

燃料電池は将来のエネルギーを担保するものとして、

国あげての開発が進められていた。


今回の騒動でも研究者や開発企業はそのまま残っているところが多かった。

研究機関の多くは田舎にあり、セキュリティがしっかりしていた。

核戦争が起きても耐えられるような地下に設備を有するところも多かった。


この世界は、大和国の一流の技術陣、教授陣の集まりになる。

大和国の誇る大秀才の集団だ。


そこに夢露が参加した。

規格外の能力を持つ夢露により、技術的なブレイクスルーが数多く行われた。

燃料電池は以前から量産に向けて開発が進められていたが、

より新機軸の燃料電池が開発され、大量生産の目処がつくところにまでなった。


まあ、オレは蚊帳の外だが。

夢露や研究者、著名な教授陣たちが生き生きと会話を続けていく。

オレにはさっぱりだ。

これなら見知らぬ外国語を取得するほうが楽だろう。

なにせ、ワード一つ一つが頭の痛くなるような概念の塊である。


ただ、量産レベルとはいうものの、レアメタル等の輸入に頼らざるを得ない物質をどう確保するかという問題が立ちふさがっているので、夢露たちの頭脳派の出る幕ではなくなっている。   



食料問題も頭が痛いが、大和国の人口が3千万人前後にまで減ったことによって、食料自給はなんとか達成できる見込みができた。


全国的に農地を早急に整備し、そこに余剰人員をどんどん投入していった。

職にあぶれた人は大勢いる。

あぶれていなくても、食料確保のために農業に転向する人が後を絶たない。


休耕地は全国にたくさんある。

休耕地でなくても、高収益作物を栽培している農地は多い。


それらをすぐに主食作物、つまり米や小麦等の栽培に転換できるかというと難しいものがあるが、やりとげる必要がある。



ただ、食料を自給できる、というレベルであり、以前のようなグルメの生活はままならない。


そもそも、流通が著しく制限されている。

単純にトラックが稼働しない。

ガソリンが供給できないからだ。

一般人も移動手段は歩きかせいぜい自転車だ。


燃料電池車の出番だが、生産体制が整えられない。

大和国だけで生産を賄うのには大変な無理がある。


数年先に実用的な燃料電池が出回る目処がついたとしても、

量産車を市場に送り出せるというわけにはいかない。



頭の痛いことは山積しているが、医療もそうだ。

電気は優先的に病院にまわすとしても、

薬の供給は先細りである。

輸入に頼っていた原材料を国内産に代替する。

それは製薬会社の生き残りたちが急ピッチで行っていた。


旧来の伝統的製法による薬は大流行の兆しを見せ始めている。

山野に入り、野草を採集してそれを薬とするのだ。



水道は安定供給を維持できている。

優先的にリソースを回しているからだ。

ただ、これも極力電気や旧来の浄水設備に頼らない方法を模索することになる。


例えば、雨水を貯水する。

活性炭を利用した自作濾過器を使用する。



ごみ問題もどうするか目処がたっていない。

以前のようなゴミ収集サービスは行えない。


もっとも、ゴミの量は著しく減っている。

包装紙とかペットボトルとかゴミの多くを占めるものがなくなってきているからだ。


生ゴミも減っている。

食料が貴重となってきているのにそれを無駄に捨てるようなバカはあまりいない。

いても、周りから冷たい目で見られ放置される。

そういうタイプが泣きわめいて食料を求めようとしてもフルボッコにあうのがオチだ。


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