ドーム・ダンジョン戦3
【ドーム・ダンジョン戦3】
下の階へ降りていく。
すると非常に抜けのいい空間に出た。
まず、天井と壁は空。
つまり、なんらかの遮りがない。
下は海。これも延々と水平線の彼方へと続いている。
そこに浮かぶ島。
浮かぶと言っても、海に、じゃない。
空に浮かぶ島。
縦横500mぐらいだろうか。
オレたちは階段を降りるとその島に降り立った。
目の前には、荘厳な神殿。全体が石でできており、
太い石の柱で屋根を支えている。
柱にはなにやら装飾が施されている。
神殿に壁はない。
柱のみで屋根を支えている。
その神殿の中心には、5鬼が鎮座している。
ここからは見えないが、おそらく五芒星の頂点に1体ずつ配置されているはずだ。
その周囲にオーガ。
ただ、通常のオーガではない。
オーガ・ソーサラー。魔法使いのオーガ。
ウォー・オーガ。物理的攻撃力を高めたオーガ。
それぞれ4体ずつ5鬼の周囲を囲っている。
これもよく見えないが、ストーン・サークルの8つのモノリスの位置に奴らがいるはずだ。
5体の鬼と五芒星。
8体のオータとモノリス。
これでストーンサークルを起動させている。
『お久しぶりかな』
『2万年ぶりだな。また2万年寝るためにやってきたのか』
『いや、君らを永遠に消滅させるために来たよ』
『ふん、ぬかせ』
『言っとくけど、呪いは効かないからね』
『同じことを繰り返すと思ったか』
『うん。君ら、頭悪そうだし』
『頭悪いのはお前らだ。この世の仕組みを知りもせず、ぐだぐだと』
『なんのこと?』
『いいんだよ。おまえらは所詮、道化』
意味のわからんことを言い終えるが早いか、
5鬼の頭上に漆黒の球ができた瞬間に、
その球をこちらに放ってきた。
『ズガーン!!!』
綾羽の結界とノワールのシールドに守られているとはいえ、
凄まじい衝撃が中のオレたちにも伝わってくる。
そこからは、鬼の一方的な攻撃になった。
息をつかぬ連続攻撃で漆黒の球をこちらに放ってくる。
オレたちはひたすら耐えるだけ。
そう思っていると、オレたちの後方、つまり輝星の後ろに、
オーガが多数現れ、オレたちを攻撃し始めた。
『輝星、頼むぞ』
『まかしとけ!』
輝星はノワールと同等のシールドを張り、後ろからの攻撃を通さない。
こちらの攻撃は強くない。
オレと瑠輝亜は、奴らが一息ついた瞬間を逃さず、
飛斬と拳斬を目に見えぬ速度で繰り出す。
あっという間に、後方のオーガは消滅した。
さて、次は鬼だ。
オレは、腕を高々と上げ、気を練った。
腕の上にできる光球。
直視できないほど眩しい力を放った瞬間、
オレは光球を奴らにお見舞いした。
『ズガガッ!!!』
敵には直接攻撃できなかったが、
奴らを覆う結界と神殿が消滅した。
残る防御は周囲を固めるシールドだけだ。
その瞬間を逃さず、碧空と瑠輝亜が攻撃を仕掛ける。
この攻撃で奴らに致命傷は与えられないが、態勢が大きく狂った。
オレは5つの拳撃を発動し、大きく迂回して奴らの背後に到達するように攻撃した。
挟撃された形となり、いくつかの拳撃は奴らをとらえた。
オレたちはここが正念場とばかり、綾羽・ノワールも含め全員で猛攻撃を仕掛けた。
やがて、シールドは破られ、鬼はボロボロになっていった。
『もはや、これまで』
黒鬼が叫ぶと、鬼たちは黒く発光し始めた。
『おい、やばいぞ。何か仕掛けてくるぞ』
オレたちの警戒は遅かった。
鬼たちは全気力をこの攻撃にこめたのだ。
即座に黒い光は強大になった。
『ドガーン!!!』
鬼は自爆した。オレたちに黒い波動が襲ってくる。
その瞬間だ。情景がスローモーションになると同時にオレの意識が赤く染まる。
オレは迫り来る大爆発のカウンターとすべく、とっさに光球を起動させた。
だが、光球は闇の大波を完全には抑えきれなかった。
綾羽の結界を破り、ノワールのシールドを突破し、
オレたちを包み込んだ。
そこを救ったのが、大量の魔烏と魔狼たちだ。
彼らはオレたちの盾となると、闇の大波によりドンドン蒸発していった。
確かに彼らは復活できる。
しかし、その自己犠牲はオレたちを熱くさせた。
限りなく時間をスローにさせたオレは、再度光球でオレたちを包んだ。
その光球は少しずつ拡大していった。
そして、闇の大波と正対すると、エネルギーを相殺していった。
気づくと、オレたちは巨大な空間に浮かぶ島に佇んでいた。
島の上には何もなかった。
鬼たちは蒸発した。
大きな地震を感知する。
ダンジョンが消滅した。
オレたちはダンジョンから廃棄された。
気がつくと、扶桑山にいた。
そして、ドーム・ダンジョンは大穴を開けたまま沈黙した。




