A基地ダンジョン攻略2
【A基地ダンジョン攻略2】
『よし、一気に穴の縁まで近づくぞ』
オレたちは駆け足でA基地ダンジョンの穴に向かった。
土煙はいまだ収まっていないが、静寂があたりを支配していた。
穴を覗き込むと、トールハンマーからの攻撃で穴の底は溶岩状になっていた。
以前、グツグツと地面が煮立っている。
『深さは50mぐらいありそうだな。よし、穴を降りるぞ』
ロープを使って、穴を降りていく。
30mほど降りた辺りで底からの熱気で降りられなくなった。
この事態は想定していたので、冷却魔道具を夢露に作ってもらってあった。
オレと瑠輝亜で穴の底を冷却していく。
『これは簡単には冷えませんね』
瑠輝亜は汗もかかず涼しい顔をしているが、
オレは汗だくだ。
1時間後、ようやく底に降りられる程度には冷えた。
穴の底に降り立つと、
『よし、魔狼達。おそらくどこからにダンジョンに降り立つ入り口が隠れているはずだ。探すぞ』
穴は魔狼が簡単に見つけてきた。
地下に潜るスキルをもつだけある。
オレは、その穴に手を当て、パワーを送り込む。
すると、穴が光り輝きだし、ダンジョンへ降り立つ入り口となった。
空間魔法様々である。
『じゃあ、行くぞ。フォーメーションは今まで通り。まず、魔烏、探索』
魔烏はダンジョンの様子を通信してきた。
何階なのかはわからないが、普通の洞窟のような情景が広がっている。
薄暗く、ゴツゴツとした岩が延々と連なっていた。
トール・ハンマーの攻撃に拠る熱で敵は蒸発してしまったのか、
生命反応がない。
オレたちはダンジョンに降り立った。
熱い。
結界を張っていなかったら、耐えられないだろう。
ただ、魔狼が潜る地中は次元が違うようで、地中でも問題ないらしい。
魔烏による探索で、この階の構造はオレと瑠輝亜、ノワールも共有している。
ただ、敵はいなくても、罠があるかもしれない。
オレたちは、階段をめがけて慎重に歩いて行く。
魔烏の誘導で、階段まで一直線でたどり着いた。
『この階は何もなかったですね』
『ああ』
オレたちはホッと息をつく。
その瞬間、
『ドガーン!!』
派手な音を立てて階段が爆発した。
オレたちは吹き飛ばされた。
オレはスローモーションモードになり、
瑠輝亜を守りつつ、受け身をとった。
『いてて』
壁に叩きつけられたが、オレは打撲で済んだようだ。
『瑠輝亜、怪我はないか?』
『ありがとうございます。大丈夫です』
『夢露の新しい防護服はかなり使えるな』
『以前でしたら、タダじゃすまなかったでしょうね』
『うん、強烈な爆発だった』
ノワールが心配そうにオレたちを覗き込む。
『ノワールも怪我ないか?』
『ガオ』
大丈夫のようだ。
『すんなり行かせてくれないな。じゃあ、下に降りるぞ』
魔狼に下階への通路を探させる。
爆発した階段のそばにあった。
オレは閉ざされている入り口を吹き飛ばし、下に降りた。
『おお、大変な歓迎だな』
下に降りると、ゴブリンからハイ・オークまで夥しい数の魔物がオレたちを待ち受けていた。
さっそく、シールドをはるノワール。
シールドはオレたちを囲うように展開する。
オレは瞬時に自分の力を開放した。
腕を上に突き出しに力を込めると白い光が漏れ出した。
その光を周囲に照射する。
『バシュッ』
空気が漏れるような音を立てながら、次々と魔物が蒸発していく。
斬撃という技で、空間の裂け目を放つ技だ。
現在では360度の範囲攻撃技となっている。
射程距離は30mほど。
魔物は叫び声をあげる間もなく空間の裂け目に吸い込まれる。
瑠輝亜は、オレが撃ちもらした魔物へ飛斬を飛ばす。
正確な精密射撃のような技をマシンガンのような早業で放っていく。
『ギャー』
魔物は醜い声を上げながら、こちらもどんどんと消滅していく。
敵もオレたちに攻撃を仕掛けてくる。
しかし、ノワールのシールドに勝てない。
一方的な殲滅戦である。
結局、僅か1分ほどで、フロアの敵はいなくなった。
魔烏を飛ばし、生き残りがいないか確認しつつ、
下に降りる階段を探す。
階段のそばまで来て、魔狼にチェックさせるが、
仕掛けはなかった。




