A基地ダンジョン攻略1
【A基地ダンジョン攻略1】
オレたちは市役所へ行き、武上さんたちと会合をした。
『君は古代人、2万年前の時空を越えて生まれ変わったんだって?』
『ええ、説明した通り、この戦いは2万年前の戦いの延長戦です。そして、奴らは決めにかかっている』
『なんだが、想像の埒外だな。しかし、ハイ・オークの群れを一掃したことといい、この衛星兵器、トールハンマーだったか、頷かざるをえんな』
『奴らの目的は地上の徹底的な破壊です。このままだと、全世界が滅亡します』
『もう情報が入ってこないが、世界中にこれと同じダンジョンができているんだろ?』
『多分。ネットが切れる前にもたらされた世界で8つのストーンサークル。これは奴らのドーム・ダンジョン、本拠地になってると考えたほうがいいですね』
『で、まず首都圏のダンジョン5つを叩いて、そこを結界で保護区とするってか』
『ええ。武上さんたちには、保護区の統制の準備を検討してもらおうと思いまして』
『現状、無政府状態で、K市の外側で生き残りがいるのかどうかはわからんが、やらねばなるまいて』
武上さんと会合した翌日。
オレたちは、トールハンマー・プロトタイプを中心にダンジョンに攻撃を仕掛けることにした。
出陣するのは、オレ、ノワール、瑠輝亜の3人。
あと、魔烏10羽。
魔烏の敵探知スキルは便利すぎる。
オレの覚醒が魔烏にも及んでおり、新たに敵妨害スキルをものにした。
目潰し、毒、混乱、麻痺を相手に与えるスキルだ。
前後に、魔狼5体ずつ。
魔狼も魔烏同様パワーアップした。
攻撃力・防御力ともに格段に向上したが、
同時に挑発スキルをものにした。
魔狼は非常に素早いため、挑発を繰り返して
敵の攻撃を交わし続ける、いわゆる避けタンクとしての性能が強化された。
地面に隠れることもできるので、敵撹乱にはもってこいだ。
なお、綾羽・夢露ともにスキルが大幅にパワーアップしたために、
防護魔法スキルを編み込んだ防護服の性能が大幅に上がった。
結界、物理防御、気配遮断の3つの性能を持つ防護服である。
瑠輝亜の飛斬を数発くらっても大丈夫なほどである。
ちなみに、仲間内ではオレを除けば瑠輝亜の攻撃スキルが一番威力がある。
それでは、一番近いダンジョンに向かう。
とはいうものの、本拠地から50kmは離れている。
オレたちは装甲車に乗って移動した。
道路を塞ぐ車が多いので難儀したが、
オレは斬撃を使って、どんどん車を異次元に飛ばした。
ゴブリンやホブゴブリン、たまにオークがオレたちを襲いに来るが、
魔烏と魔狼の連携であっという間に排除されていった。
なお、オレは召喚できる魔烏・魔狼の数が数千に増えた。
これは、前世と同水準である。
魔烏3羽と魔狼3体を1チームとして、本拠地から半径50kmの範囲の敵を殲滅するよう、彼らを解き放ってある。
オレたちはダンジョンの側、5km辺りの地点で待機した。
おそらく、オレたちの居場所は概ね特定されているとは思うが、
敵も随分と手数を減らしていた。
魔狼・魔烏の活躍ゆえだと思う。
『夢露、ぶっ放してくれ』
これが映画だとレッツパーティとでも言うんだろう。
『了解。90分ごとに攻撃するから、気をつけて』
衛星は約90分で惑星を1周する。
2発目以降はその間に集積したエネルギーで攻撃する。
『カウント。10,9,8,7,6,5,4,3,2,1、0、発射』
『バリバリ、ドバーン!!!』
天空から一筋の光がダンジョンに降り注いだ。
光はダンジョンの結界をものともせずに、地平に到達すると大爆発を起こした。
光は雷と同じである。
あたりが光ったかと思うと、数秒後に大音量が鳴り響き、
さらにしばらくしてから、猛烈な爆風がオレたちのところにまで到達した。
『成功。半径100mほどのクレータができている』
魔烏より通信があった。
この通信は音声通話ではなく、念話と呼ばれるものだ。
概念を通じ合う。
『煌人君。じゃあ、90分待ってね。次の攻撃をするから』
そうやって、合計5回、ダンジョンを攻撃した。
オレたちは慎重に徒歩でダンジョンに近づいていく。
1kmにまで近づいてから、肉眼で穴を確認する。
確かに半径100m強のグレーターができていた。
深さはよくわからないが、かなり深そうだ。




