反省と対策
【反省と対策】
『今度のハイ・オーク戦でわかったことがある。オレたちの火力が不足し始めている』
『嬉しくないわね』
『ハイ・オークだとさほど強敵とは言えない。しかし、今日はハイ・オークの強化版が現れた。こいつらには、瑠輝亜の飛斬が効かなかった』
『どうやってやっつけたの?』
『正面は硬かった。それで、オレはこっそり裏をとった。オレの斬撃を至近距離で放ってしとめた』
『もう一つあるわ。おそらく、今日の敵クラスがゴマンといる可能性』
『仮説として、敵は人間の生体エネルギーを食らって進化する。ハイ・オークだけでも数千体か、万を越える数がいるかもしれない。強化版ハイ・オークも何体いるのか見当もつかない』
『オレたちの実力が前世に遠く及ばない。回復しきれていない。しかも、強敵が腐るほどいるってか』
『でもやんなくちゃいけないわ。おそらく、近いうちに大量の魔物がやってくる』
『K市街地では戦闘したくないな』
『どこを戦場に指定するかだ』
『最適なのは、前回ゴブリンを殲滅したA拠点だけど』
『またひっかるかな』
『奴らは学習能力が高い。何か手を考えてくるだろう』
『つまり、敵と真っ向勝負か……分が悪いな』
『4つの拠点と本拠地は地下道で結んである』
瑠輝亜ビルには土魔法スキルの得意な人が多く、地道に掘削を続けていた。
『A拠点で上手く行かなかったら、本拠地に戻って徹底抗戦しかないな』
『そうなると、かなりの人的被害が出るね』
『K市街に侵入された時点でオレたちは戦略的に負けてる。武上さんたちにも覚悟を決めてもらう必要がある』
『K市には下水道が完備している。欧州型の広めの下水道だ。そこを使ってゲリラ戦したらどうか?』
『ああ、忘れてた。下水道と冠水時の排水設備があるな。早急に魔烏に探索させよう。役所に行けば、地図もあるはずだから、武上さんと打ち合わせしておこう』
早速、市役所を訪れ、武上さんと打ち合わせをした。
『そうか。総攻撃をしかけてくるか』
『間違いないです。今日仕掛けてこられても不思議ではありません』
『逃げるとこはないな』
『オレたちは、まずK市の郊外で抗戦を試みます。でも、敗退する可能性が強い。敵は強い上に、数が圧倒的に多い』
『敗退したらどうする?』
『K市には広い下水道が通っていますよね。あと、冠水時の排水設備。大きな空洞ができています』
『なるほど、下水道でゲリラ戦か。避難場所としても使えるな。下水道課に行けば、地図が手に入る。下水道は迷路に近いからいけるかもしれん』
『臭いのはこの際我慢してもらいましょう』
『上手く行けば、排水設備の大空間。ここに敵を追いこめないかしら』
『いいかもしれん。敵の第一目標はオレだろうから、囮になって引き込もう』
その後、武上さんと市役所水道課の人たちを交えて、避難場所や敵を誘い込むルートを話し合った。
『夢露、どうだ。強化ハイ・オークを倒す兵器は開発できそうか』
『奴らは熱や爆発には強いみたいだから、今度は寒さでやってみようかと』
『凍らせるのか』
『液体窒素をやつらにふりかけてみる』
『うまく追い込めたら効果抜群そうだな』
『これに耐えられる生物がいるとは思えないけど、効果がなかったら、逃げるしかないね』
『逃げるルートも確保しなくちゃな。そうなったら、阿鼻叫喚だな』




