ドームダンジョン奥深く2
【ドームダンジョン奥深く2】
そのころ、ダンジョンの地下深くでは。
『K市に向かったゴブリンとオーク部隊ですが、あっさりとやられたようです』
『これは、奴らがそこにいると考えてもいいな』
『はっ。K市に軍が展開したという報告はありません。普通の人間にこれほどの攻撃力はありません』
『それから、防御力も高いです。どうやら、小さな結界を張っているようで、この点からも普通の人間ではないですね』
『その後ですが、いつのまにかK市全体に結界が張られた模様です』
『そうか。かなり高位のスキル持ちがいるというわけか。対策を練る必要があるな』
『なんにしても、多数の人間を屠ることにより、続々と進化形態が生まれております』
煌人たちの推測通りであった。
ゴブリンがなぜ人を襲うのか。
人間の生体エネルギーを吸収して、進化を促すためだ。
平均すると、人間10体程度の生体エネルギーを吸収して進化する。
ホブゴブリンになるのだ。
さらに殺戮を続けると、ホブゴブリン⇒オーク⇒ハイ・オーク⇒オーガ⇒オーガ・ソーサラーへと進化していく。
ただ、通常はオークで打ち止めだ。
それ以上は、彼らに伝わる“儀式”で試練をくぐり抜ける必要がある。
その最終形態が“鬼”である。
『ダンジョンは40。それぞれ5万体のゴブリンを生み出した。つまり200万体のゴブリンが大和国に散らばっておる。そいつらは進化したか?』
『はっ。概算ですが、十分の1の20万体がホブゴブリンに進化しました。オークに進化したのは2万体。全てはダンジョンに戻り、ハイ・オークになるための儀式待ちです』
『宜しい。では、奴らをここに転送しなさい。儀式を始めるぞ』
ドーム・ダンジョンの最深度にはストーン・サークルが設置されてある。
これはダンジョンを作り出すとともに、約5万体ものゴブリンを生み出す装置となっていた。
そして、ダンジョンの外に設置したストーンサークルは、ダンジョンとゴブリン を作り出すとともに、ドーム・ダンジョンとつながっていた。
ドーム・ダンジョンを親とすると、外部のダンジョンは子ダンジョンというべき関係になるのだ。
ストーン・サークルは、ダンジョン間では転移魔法陣のような働きをもたらす。
各ダンジョンで進化したオークたちは、このストーン・サークルを通って、
ドーム・ダンジョンへ転移した。
ドーム・ダンジョンの最深部は、非常に広い空間となっていた。
地平は海であり、壁も天井も見当たらず、空は青くそのまま無限にひろがっているようだった。
空間には島が浮かんでいた。
縦横500メートルほどの大きさであろうか。
その島には神殿がそびえ立っていた。
ちょうどギリシャ神殿のような大きさだ。
神殿はストーン・サークルを囲うように建てられており、
儀式はそこで行われるのだ。
そのストーン・サークルから続々とオークが転移してきた。
オークはそのままサークルの前に広がる冷泉に浸かった。
オークは体の内部から眩しい光を発し、ハイ・オークに進化した。
ハイ・オークになると、冷泉の上にある光の渦に吸い込まれていった。
彼らは別階にある広場へと転送されるのである。
【オークとハイ・オークの違い】
攻撃力はオーク350、ハイ・オーク500
であり、力に関しては極端に強くなったわけではない。
だが、動作が見違えて速くなり、
知能も高くなり、中級の4属性魔法が使える。
防御も固くなる上に、守護魔法を常時かけている。
守護魔法は、物理攻撃・精神攻撃を軽減する上に、
気配を消す効力も含まれている。
別物といっていいぐらいの進化を遂げるのである。




