K市制圧2
【K市制圧2】
あらかじめ魔烏で偵察した通り、市役所玄関前はバリケードが張られている。
オレたちはバリケードの前で中に呼びかけてみた。
『おーい、誰かいませんか』
『なんだ、君たち逃げ遅れか。早く中に入りなさい』
バリケードの隙間を開けてもらい、市役所のロビーに入った。
『どなたか責任者と少し相談があるのですが』
ガジンが話しかける。
『市の職員はほとんど逃げてしまってね。ここにいるのは、最後まで市民の面倒を見ようという奇特な奴らばかりだよ』
『もっとも、逃げるところはどこだかわかんないけどね』
オレたちは、2階の会議室のようなところへ連れて行かれた。
『おや、煌人くんじゃないか。逃げ遅れたのかね?』
『武上さん、丁度良かった。実は武上さんがいるかもって碧空が言い出しまして』
『碧空は大丈夫かな』
『ええ。少し相談があるんですが。ちょっと内密に』
『うん。じゃあ、こっちで』
オレたちは個室へ行き、そこでオレたちのスーパーマーケット開放作戦を話した。
『それはありがたいが、スーパーとかコンビニには魔物が張り付いていると言うじゃないか』
『武上さん、K市は怪物の数が少ないと思いませんか』
『ああ。前回の時もそうだったが、なんだかK市には守り神がいるという噂があるぐらいだ。なんでも、ステルス烏に地面に潜る狼なんだと。多くの目撃証言があって嘘とは思えない』
『その守り神、オレたちの仲間です』
『えっ?』
オレは魔烏と魔狼を召喚させた。
『ああ、本当にステルス烏と地面に潜む狼だ』
『武上さん、あまり深くは聞かないでください。オレたち、ちょっと特殊な人間で。多くの烏と狼を使役しています』
『実物を見せてもらえば信じないわけにはいかんな。君の戦闘力といい、たしかに君は不思議な少年だ。まあ、ゴブリンも湧いたぐらいだから、少々のことでは驚かんが』
『オレたちは、これからK市のスーパーマーケットとコンビニ、それから周囲にあるホームセンターを開放してきます。スーパーマーケットが20以上、コンビニは約80。ホームセンターは周囲に市の周囲に2つ。K市の避難民が何人いるのか、またどこに集まっているかはわかりませんが、小~高校は25あります。大病院も3つ。最低限、そこに避難している人に食料が渡せるよう、市役所のほうで指導できませんか』
『それは願ってもないことだが、安全は確保できるのかね?』
『行動時の安全ならば、オレたちかオレの仲間が』
『とりあえず、そばのスーパーでやってみよう。この市役所には数百人の避難民がいるからね。僕もついていきたいが』
『今回は、オレたちを信用してください』
『うむ。足手まといになりそうだしな』
オレたちは直近のスーパーを制圧しにでかけた。
市役所直近のスーパーはK市で最も大きい。
3階建てで2階は衣料品等、3階は台所用品とかを扱っている。
突入前に、ステルス魔烏で中の状況を調べてみる。
ああ、ひどいもんだ。生鮮食品は全滅だな。
食い荒らされているか、この暑さで駄目になっているようだ。
ゴブリンは……1階にゴブリン10体。ホブゴブリン3体。
2・3階にはいないようだ。
戦闘場所は倉庫へとつながる通路で行うことにした。
通路から売り場に顔を出して、ゴブリンを挑発する。
『ギギー!』
醜い顔をした奴らが醜い声を上げて怒り狂ってるぞ。
オレとガジンが先頭で主に守備、瑠輝亜が攻撃という態勢で
ゴブリンが通路に入り込むのを待つ。
『ギギー!』
よし。
『『『『シュバババッ』』』』
瑠輝亜の飛斬連続攻撃が次々と決まる。
ゴブリンはあっという間に掃討したが、
ホブゴブリンは警戒してやってこない。
仕方がないので、売り場に出ていく。
『ギャー!』
フォーメーションを守ったまま、一体ずつ瑠輝亜の飛斬で
ホブゴブリンを排除した。
もう一度店内をくまなく捜索して、魔物のいないことを確かめ、
要所要所に結界の魔道具を設置していった。
ホブゴブリン程度ならば、店内に入ってこれないはずだ。
オレたちは市役所に戻り、武上さんを連れてスーパーマーケットに戻った。
『驚いたな。あっという間だな』
『武上さん、驚かないでくださいね。この建物には結界を張りました』
『結界?』
『バリアみたいなものでゴブリンやホブゴブリンならば中に入ってこれません』
『ハイテクなんだな』
『驚きついでに、もう一つ。この銃を持ってください』
『えらく格好のいい銃だな』
『それを構えてください』
『了解』
夢露は式神銃を凝った形にデザインしていた。
形なぞどうでもいいんだが、気分が違う。
『狙った標的に十字が光ったら、引き金を軽く引いてください』
『おし。うわっ。壁に穴が開いたぞ』
『これは玩具ではありません。本物のライフルです』
『なんだか、めまいがしそうだな。君たちは軍の特殊部隊か何かに所属してるのかね?』
『まあ、そんなところです。これは重要機密ですから、どうかご内密に。まあ、軍は壊滅してるみたいですけど』
『やはり軍は駄目か』
『オレたちの得た情報では残念ながら。武上さんにこれからいくつかこの武器を渡します。信用のおける人を選んでください』
『よし、わかった』
『銃には登録情報を入力します。本人以外、使用できないようにしますから』




