K市制圧1
【K市制圧1】
オレたちは、その後残党狩りを進めた。
特に、コンビニとかスーパーマーケットとかに群がっている敵を排除していく。
オレたちの食料は足りているが、学校とかの避難民は色々と物資が不足している。
『奴らは、食料を必要としているみたいですね』
『ああ、魔狼たちと違うな』
魔狼は食料を必要としない。
魔狼たちのエネルギーは召喚されるときに充填してあり、
エネルビーがなくなれば消滅して、虚数空間に帰っていく。
『消滅の仕方から実体がなさそうだが、維持するのにエネルギーが必要であると。そういうことか』
『燃費が悪いのかもですね。これは奴らの弱点でもありそうです』
『その話はちょっとおいといて、当面はK市の開放からだな』
『魔烏や魔狼のお陰で治安はある程度維持できている』
『オレたちはいいが、公共施設を中心に避難民が固まっているだろ』
『彼らは物資が不足してるだろうね』
『ああ、オレらは彼らを全面的にバックアップすることはできない。オレたちの人数が少なすぎる。だが、スーパーマーケットとかコンビニとかを確保することはできるはずだ』
『大和国は無政府状態だ。スーパーやコンビニも放棄されているに等しいからね』
『よし、スーパーやコンビニ、ホームセンターを中心に徹底的にゴブリン狩りを行うぞ。開放したら、付近の避難所を誘導しよう』
『ガソリン・スタンドも。ジェネレータがあれば、電気を回復できる』
『それと、人間側のリーダーと話をつけたほうがいいかも』
『うん。信用できる人がいるのなら、オレたちの正体をある程度ばらしてもいいかもしれない。とにかく、敵の圧倒的な数に対して、オレたちは限定戦しか戦えないからな。少しでも味方がほしいところだ』
『場合によっちゃ、式神銃で武装させてもいいかもしれんね』
『キラト、武上さんなんか、どうかしら』
武上さんは、碧空が通っている道場主だ。
『ああ、彼なら信用できるな。しかし、K市にとどまっているのか?』
『わかんないけど、武上さん、市の職員よ。中間管理職だったはず』
『へえ、公務員でファイターか。副業禁止じゃないのか?』
『市長直々に認めてもらったって言ってたよ』
『懐の広い市長さんなんだね。市役所も行ってみようか。誰かいるかもしれん』
当面の活動はこんなところだ。
①スーパーやコンビニの開放
②避難民の誘導
③ジェネレータとガソリンの確保
④人間の指導者と話をつける
オレたちは書店へ行き、地図をチェックした。
ここK市は人口20万人。
スーパーマーケットが20以上ある。
コンビニは80ぐらいか。
ホームセンターは見当たらないが、周辺にはいくつかあった。
対して、小~高校は25。
大きな病院も3つある。
それ以外の避難民は我々では手が及ばない。
市役所が機能していれば、そこにまかすか。
望み薄だが。
それ以外にもいろいろな懸案事項が思い浮かぶが、
オレたちの手にあまることばかりだ。
何から始めるか迷ったが、まず人間の指導者を見つけることから始める。
上手く行けば、組織化できるかもしれない。
市役所はここから2kmほど北にある。
ガジンと瑠輝亜をつれていく。
ガジンは見かけが最も大人であるからだ。
瑠輝亜はオレの護衛として欠かせない。
『よし、じゃあ行ってくるよ。碧空、指揮をたのむぞ』
『わかった。気をつけて』
通りに出てみると、日差しが強い。
5月終わりでもうすぐ梅雨だ。
市外へ出ようとする避難民はもういない。
いつもなら渋滞する道路上には車も人もいない。
不気味な静けさがあたりに漂っている。
オレとガジンが先頭、瑠輝亜を後衛として市役所に向かう。
もちろん、上空には魔烏が警戒。
前後には魔狼、そして全体に瑠輝亜による結界で防護している。
装甲車で行くことも少し考えたが、
装甲車で行動の自由を奪われることのデメリットが大きい。
道路上にはかなりの車が放置されており、運転しにくいこともある。
かなりのゴブリンを掃討したつもりだが、それでも数千体は残っているだろう。
ホブゴブリンなどの上位個体もそれなりに徘徊しているはずだ。
今回は気配を消すことのできる個体が出てきている。
注意しすぎることはない。
慎重に歩みを進めつつ、時々現れるゴブリンを排除していく。
さしたる抵抗もなく、市役所に到達した。




