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登校

【登校】


 綾羽と碧空(みらん)はオレが起きたのを確認すると、学校へ向かう。

 一緒に登校する訳では無いが、オレは起こされないと確実に寝坊する。

 そういった親切心で綾羽はオレを起こしてくれる。


 ちなみに碧空はほっといて寝かせてあげなよ派である。


 オレはよろよろと支度をして、

 簡単に朝食をすますと、急いで学校へ向かう。


 オレの家の周囲は案外治安がいい。


 それはオレが小4のとき、ここに引っ越したあとにできたビルのお陰だ。

 オレの家の2ブロック向こうに建てられた。

 5階建で高さ自体はそれほど目立つ訳では無い。


 なんのビルだかわからないが、敷地が広い。

 やたら綺麗なビルで周囲も木々がたくさん植えられ華やかだ。

 むしろ、公園の中にビルが建っている。

 夜でも街路灯が煌々と周囲を照らし、

 このビルを中心に犯罪がめっきり減ったと言われている。



 しかし、そんな場所にも馬鹿はいる。

 パンをくわえて慌てて飛び出したら、転校生の美少女とぶつかった、

 なんてことはない。


 しばらく歩くと、さっそくモブ1号・2号・3号が現れた。


『おまえがカウンターキングか?名をあげさせてもらうぜ』


 あー、がっくりくる。

 カウンターキングと呼ばれるのもかっこ悪いし、

 名を上げるのに、なぜ3人でくる?

 こいつら、大抵つるんでくるんだよ。


 まあ、仕方ないか。

 1対1ならオレは逃げるからな。


 オレは両肩をすくめ、などという外国人の真似はしないが、

 思わずため息が漏れる。


 それを見た3人は馬鹿にされたと思ったか、

 オレに向かってきた。


 オレは神経を集中させる。

 いや、勝手に神経が集中する。

 3人のうち、真ん中の動作が一番速い。

 次が右、そして左。


 オレは瞬時に戦う順番を決めると、

 オレに殴りかかろうとする真ん中モブの肩の起こりが起こった瞬間に掌底を相手の顎に入れる。


 その態勢から裏拳で右のモブ2号の顔面をとらえ、

 左の男がオレにタックルをしかけよう腰をかがめている瞬間に、顔面を膝でカウンター気味に打ち抜く。


 その間1秒程度か。

 最初のは顎、2番めは鼻骨が骨折したっぽいな。

 最後のは脳震盪を起こしている。鼻と顎が割れたか?


 もうね、こんな修羅の朝はほとほと疲れる。

 普段なら逃げるんだが、大勢で囲まれたら相手せざるを得ない。

 いや、大勢でも逃げることはできる。

 後顧の憂いを断つというやつだ。

 まとめてふっとばしたほうが話が早いしな。


 こうして“真のランキング”とやらでオレのランクが駆け上がり、

 “カウンターキング”(笑)の評判が上がってしまうわけだが、

 それよりもバカどもに囲まれる方がうざったい。



 “カウンターキング”。

 なぜかオレについている二つ名。

 あだ名というやつだな。

 それは前に説明した通り。


 名前といえば、オレの名前とか笑ってないよな?

 煌人(きらと)って名前。


 オレの世代では急にキラキラネームが大ブームになって、

 3人に一人がキラキラネームをつけられた。


 オレの名前なんてカワイイもんだぜ。

 実在するかどうかわからんが、こんな名前が知られている。


 奏夢リズム

 泡夢アリエル

 愛羅ティアラ

 黄熊プウ


 これ以外にもわんさかあるぞ。

 当て字もいいとこだし、そもそもなんでそう読むのかもわからんのがある。


 碧空なんてのも典型的な名前だよな。

 これでどうやったらミランと読めというのか。



 ところが、この世代は超優秀な奴を何人も排出している。

 マスコミとかは当初キラキラ世代と嘲笑したが、

 天才的な人物を輩出し続けるにつれ、称賛の意味に変化していった。

 輝く世代であると。


 有名なのが山科天響(てぃーの)

 中卒でMLBのチームに入団。

 その年にホームラン王とセーブ王を獲得した。

 去年のスポーツ番組とかは彼の話題で持ちきりだった。


 スポーツだけじゃない。

 世界一と言われる外国の大学を飛び級で卒業した奴も何人かいる。


 だから、世間では第二次キラキラネームブームが到来している。

 オレたちの世代にあやかろうとしているわけだ。

 オレらが爺になったら、周りの爺・婆がみんなキラキラネームだ。

 勘弁しろよ。



 オレも超優秀な一人かもしれない。悪い意味で。

 一つは前にも言った通り、抜群の反射神経だ。

 もう一つはそのうち紹介することもあるだろう。



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