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騒動後

【騒動後】


 怪物騒ぎは、我々の生活に大きな影響を及ぼした。

 ライフスタイルが180度変わってしまった人も多い。


■アウト・ドア生活の流行


 非常用グッズやキャンプ用品のバカ売れした。

 メーカーは増産に継ぐ増産を重ねるが、店頭に出ると売り切れ、

 という状況が長く続いた。

 初期にはパニック買いも起きたぐらいだ。


 人々は休暇となると山や野原にでかけ、アウト・ドア生活が大流行した。


 自分の車をRV車や1BOXカーに買い替え、車をキャンピングカー仕様に改造した。

 メーカーも簡単にお泊りできる車のオプションを設けた。

 本格的なキャンピングカーをラインナップにあげるメーカーもいくつか出てきた。


 アウト・ドア生活を動画投稿サイトにあげる人が他を押しのけて一番人気になった。

 売れない芸人とかが参戦して、再注目される人も多かった。



■都市脱出


 一時的滞在にとどまらず、拠点を都市から地方に移す人も増えた。


 過疎化しているが、ネットなどのインフラの整っている村というのは全国にたくさんある。

 そういう場所でスローライフを楽しみつつ、

 仕事はテレワークで。というのが浸透した。


 随分前に世界的な疫病が流行った時もテレワークが推奨されたが、

 結局は多くの企業がテレワークをやめてしまった。

 今回の流行は一過性にとどまらない勢いだ。


 それどころか、アウト・ドアで仕事をする、という人も増えた。

 むしろ、人々の目はサバイバルに重きを置き始めたのである。


 寂れつつある温泉やスキー場、別荘地も注目された。

 インフラが整っていることが第一で、それにレジャーを楽しめるということで、タダ同然で売られていたそれらの物件が急激に値上がりしていった。


 逆にドーム・ダンジョン後の大穴は破壊されたとみなされたが、それでも不気味がる人が多く、周辺の街は一気に過疎化が進んだ。



■宗教


 宗教関連に没頭する人も増えた。

 カルト教団も増え、まっとうな宗教団体も風評被害を被るケースも出てきた。



■防犯グッズ


 現状でも、防犯スプレーとかスタンガンは野放しだった。

 スタンガンのより強いバージョンとか、テーザー銃も密かに出回り始めた。

 それらは違法ではあるが、ほぼ野放し状態になった。


 というのは、銃の密輸が大幅に増えたのだ。

 これに取締りの全ソースが注ぎ込まれたのだ。

 それでもおっつかない。

 完成品ではなくて、パーツごとに巧妙に輸入され、

 簡単には水際で発見できない。


 一旦国内で流通し始めると、

 販売は地下に潜るため、摘発は困難を極めた。

 何しろ、販売業者の数が多すぎるのだ。

 それだけ、需要があるということである。



■軍・警察の増強


 政府は軍の増強を進め、合わせて警察の所有する武器を大幅に改定した。

 警察の軍隊化と言ってもいい。


 人を逮捕する、という警察業務の基本の一つに加え、対象を殲滅する、という部門に力を入れたのだ。

 そして、それは特殊部隊だけでなく、末端の警察官にも及んだ。



 そういう風潮を嫌うマスコミもいた。

 しかし、そうした発言はゴブリンの被害にあった人々を中心に抑え込まれた。

 というよりも、マスコミ生命をなくす、といったほうがいいかもしれない。

 ネットを見れば、醜悪なゴブリンが人を襲い、警察官を屠る場面がいくらでも出てくるのである。

 そうした現実に目を背けた人という烙印をおされたのだ。


 以前であれば、反軍、反警察、無防備都市宣言などを唱える評論家がいたが、

 それらの発言をほじくり返され、非難を受けた。

 軍の増強、警察力の強化に世論は傾いた。


 大和国は普段はおとなしい民族であるが、現実的な人々でもある。



『なんとか収まったみたいね』

『ああ、でもまだ序盤戦じゃないかな』


 夢露がいう。


『だって、ゴブリンとホブゴブリンしか現れていない。まだ、オーク、オーガ、そして最強の鬼が戦ったという記録はない』


『様子見ってことか』

『様子見であれ?』


『大穴も粉砕できたか怪しいな』

『おそらく、地中深く力を溜めてるんじゃないかな』


『あれがダンジョンだとすると、せいぜい10階程度が破壊された程度だ』

『前世で一番深いダンジョンは100階をこえていたもんな』


『もう少ししたら、あの大穴、調査してみるか』



 その言葉通り、オレたちは数カ月後に大穴に降り立った。

 立入禁止区域だが、オレたちには関係ない。


 大穴を降りてみる。

 確かに、何も感じない。

 破壊され尽くしたのであろうか。


 いや、いつかはあの強大な鬼が出てくる。

 それがこの地底深くからなのか、それとも別の場所なのか。



 それに備えて、オレたちもやっておくことがある。


 ①記憶の回復


 これについては問題ないだろう。

 すでにかなりの記憶を回復できている。



 ②能力の回復


 特に、綾羽とオレだ。


 綾羽は防御の要となる。

 広域結界を構築できるからだ。

 さらに、強力な回復スキルも使用できる予定である。


 オレは攻めの要だ。

 少なくとも、魔烏と魔狼を大量に召喚できる。

 そうなれば、我々の量の不足は補える。


 それと、オレがみんなのパワー増強の要となる。

 この力が復活すれば、みんなの力が倍増する。



 ③拠点の強化と複数可


 K市郊外に複数の拠点を作った。

 敵を攻撃するときはこれらの拠点を活用する。

 できる限り、ルキアビルの存在から目をそらすためだ。


 これらの拠点とは地下でつながっている。

 ソロキネシス(土魔法)を付与した式神を重機につけて、ドンドン掘り進んでいった成果だ。


 トンネルは強固な壁に守られているので、崩壊の危険は薄い。



 ④自給自足


 将来的な食料不足を睨んで、自給自足態勢を考えてみた。

 今のところは、ルキアビルに地下農園を作る方向で進んでいる。


 備蓄は1年分ある。

 それが枯渇するような事態とは?

 これは将来の懸案としよう。



 ⑤数の担保


 要するに、オレたちは26人と1頭。

 数が少なすぎる。

 いずれは、オレたちの正体をさらしてでも、誰かと連帯する必要が出てくる。


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