K市郊外
【K市郊外】異変3日め
今回は待ち伏せだ。
気配を消すことが肝心となる。
瑠輝亜が小さい結界を張ることができるので、
それで気配をもらさないように慎重に歩を進める。
乗り捨てられた車が延々と放置してある。
オレたちは車の間を縫うように前進した。
途中までは避難する車も人間もたくさんいたが、
途中から静けさが支配するようになった。
ゴブリン軍団が東進していることが伝えられたので、
避難民は北か南へ逃げた。
わざわざ東のK市に逃げる人は殆どいなかった。
これで丸まった枯れ草が転がってきたら雰囲気満点だな。
と呑気に考えながら、1時間ほどで目的のビルについた。
5階建てのビルである。
外部階段を登り、最上階の扉の鍵を壊してビルに侵入した。
屋上への扉は開いていた。
屋上に出ると、オレたちはこっそりと外を眺めてみる。
西の地平線を緑が覆っている。
『おお、生でみると迫力の行軍だな、ゴブリン軍団』
『うまいこと、あと30分ほどでこちらにきそうですね』
『ビルの前の国道を通ってくるのを願って、リーダーらしき集団を特定しようか』
『あれでしょうか?』
各自双眼鏡で観察していると、瑠輝亜がさっそく見つけたようだ。
ホブゴブリンは普通のゴブリンよりでかいから目立つ。
先頭グループではないし、集団に紛れ込んでいるが、
瑠輝亜の選別した集団を眺めていると、特別な電波を出しているように感じる。
『ビンゴっぽいな』
ゴブリンたちは一部が街に散らばり破壊活動を繰り広げている。
しかし、オレたちの目標は脇道にそれず、国道を東進してきた。
オレは式神銃を構え、集団が目の前を通るのを願った。
地響きを上げて、ゴブリンたちが通り過ぎようとする。
ギイギイ、奴等の耳障りな声がうるさい。
件のゴブリン集団めがけて、オレは擲弾を次々と発射した。
『『『『ドーン!!!』』』』
おお、こりゃ迫力あるわ。
リーダーを特定する必要がないぐらい広範囲にわたって爆風が及んだ。
いくつかビルも崩壊してしまった。持ち主、すまん。
20発ほど打ち込んだ。
おそらく、千以上のゴブリンを屠ったと思う。
瞬時に消滅してしまったが。
途端に、ゴブリンは統制のとれないものになった。
てんでバラバラの方角へさまよい始める。
一部は、オレたちに気づいているようだ。
どうみても怒りの表情をしてオレたちの方を見上げている。
奴等は大声で何かを叫びながら、ビルの入口を叩き壊し始めた。
こちらに向かってくるつもりのようだ。
叩き壊す音が止んだ。
内部の階段は一つだ。
オレたちは階段の頂上で待ち伏せする。
オレと瑠輝亜が式神突撃銃を構えて、ゴブリンが登ってくるのを待つ。
ノワールは先頭にてシールドを張る。
きた。
『『『ドガガガガ』』』
オレたちはひたすら撃ちまくった。
ギイギイと叫び声を上げながら、どんどんゴブリンが消滅していく。
しかし、奴らは怖れずに階段を登ってくる。
5分ほど経過すると、ようやくゴブリンが登ってこなくなった。
式神銃は大きな音をたてないので、あまり他に気づかれない。
『よし、慎重に降りていくぞ』
ノワールを先頭に後ろがオレと瑠輝亜。
ゆっくり降りていく。
下の階に到達するたびに、誰もいないことを確認するために、
オレはあたりを見渡し、確保。
次の階は瑠輝亜が階を確保。
という具合にオレたちは阿吽の呼吸で1階まで降りていった。




