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不良ランキング

【不良ランキング】


 そのバス事故のとき、オレは2つのスキルが発動した。


 綾羽が投げ出されるときに、突然動きがスローモーションになったのだ。

 だからオレは綾羽に飛びかかれたわけだ。

 それ以来、危険が迫ると時間がスローになるようになった。

 そのうち、意識してスローにすることもできるようになった。


 オレはしょっちゅう不良に絡まれる。

 碧空はオレのことを不良ホイホイとからかうくらいだ。


 だが、問題はない。

 大抵、オレは逃げる。


 不良に絡まれて殴りかかられても、拳に蝿がとまるような速度になる。

 オレは避け放題だ。

 だが、いつからかカウンターを浴びせるようになった。

 避けるだけじゃなかなか終わらないからな。


 そのせいで、一部不良たちにオレは有名になってきたようだ。

 夕方になると、オレを待ち受けている奴らがいる。


『おまえら、なんでオレをつけまわす?』

『有名になりたいからにきまってるだろ』

『有名?』

『おまえは“アウトロー”の有名人だが、知らんのか』

『なんだ、その“アウトロー”って』


 更に追求すると、全国中を網羅する不良御用達サイトというのがあるらしい。

 サイトの名前が“アウトロー”。



 きっかけは、オレが中2のときに大ヒットした映画“アウトロー”。

 主人公が不良ランキングをかけあがり、英雄になるとかいう脳筋カルト映画だ。

 それがこの国の不良たちに大流行した。

 ストリートで名を上げる。

 それを英雄的行為と勘違いした不良たちが巷にあふれることになる。


 そのブームに便乗したサイトが“アウトロー”。

 初期はしょぼいサイトだったらしい。

 だが、瞬く間に全国の不良に知られることになった。

 それとともにサイトが垢抜けた。

 勘違いした有名ウェブデザイナーとかも参画したらしい。



 そのサイトの中に、“アウトローランキング”というものがあり、

 ご丁寧に街単位で喧嘩自慢がランキングされている。


 昔は不良嵐緊愚という名だったが、時代錯誤すぎて改名されたという。


 流石に実名や住所は載っていない。

 こんな荒れてる世の中でもそれをやるとサイト運営者は一発で御用だ。

 誘拐予備だったか、殺人予備だったかの罪に問われる。


 これは世界的な波で、個人情報の開示には厳しくなった。

 外国では個人情報を晒した犯人を捕まえに行って、

 警官が抵抗した犯人を射殺することもあるという。



 “アウトローランキング”は基本的に登録制だ。

 名を売りたい奴がHNで登録していく。

 次に登録者同士で対戦相手と場所・日時が決定する。


 相手が参ったというまでファイトが続く。

 バックレた場合は不戦敗だが、同時に不名誉と取られるから、

 よっぽどのことがない限り、バックレるやつはいない。


 闘いにはちゃんと第3者の見届人がつく。

 この対戦でポイントが決定し、アウトローランキングを上下するわけだ。



 そんなことはバカ同士でやってくれ、と思うわけだが、

 やっかいなのは、“推薦制度”だ。

 世の中には登録していなくても強者はいる。

 ご丁寧にもそういう強者を発掘するのがこの推薦制度コーナーだ。


 オレはそのコーナーにかなり初期から登録されている。

 登録されている名前が“カウンターキング”だ。


 恥ずかしい。本当に勘弁して欲しい。

 そのサイト自体を消滅させたいのだが、なにせネットの話だ。

 運営者も場所も何もわからない。


 確かにオレは昔からよく絡まれていた。

 だが、このサイトに載ってからは性質が変わってきた。

 前は弱者として襲われていたのが、強者としてみなされるようになった。



 だが、大声で言いたい。


 確かに“アウトロー”の推薦コーナーに“カウンターキング”が載っている。

 だが、オレは不良じゃない。

 ガリ勉じゃないし、品行方正でもないが、いたって普通のモブ男だと思う。


 身長175cm,体重60kg。

 顔はイケメンといえなくもない特徴のない顔。

 成績は高校では真ん中ぐらい。

 スポーツは苦手じゃない、という程度。


 オレの特技を使えば、かなりの選手になれると思うが、

 そんなことでオレが有名になるのは本意ではない。


 そんなオレが“アウトロー”の推薦コーナーに載せられるのは、

 忸怩(じくじ)たるものがある。


 繰り返すが、昔から不良が寄ってきやすい体質のようで、

 碧空(みらん)はオレのことを不良ホイホイといって馬鹿にしている。


 ただ、俺は突っかかってくる蝿を追い払うだけだ。

 あくまで、その推薦コーナーに名前が載っているだけで、

 アウトローランキングに名前が載っているわけじゃない。

 そこに名前を乗せるには自薦しかない。



 ところが、“真のランキング”という裏コーナーもあり、

 そこにオレの名前が上位ランクされている。

 本当に勘弁して欲しい。


 それに、通(笑)にはオレを影のランキングトップと主張する奴もいる。

 そういう噂がネットに出回るもんだから、オレは結構忙しい。


 真面目に相手するとランキンが上がってしまうし、めんどいから、

 逃げ出せるのなら、すたこら逃げる。

 1対1の時だな。


 集団で囲まれてしまったら、仕方なく相手する。

 集団でもいいからオレを倒したいというバカは後を絶たない。



 もう一つのスキルは、というか発作?については後述する。

 一言で言えば、危険が迫ると視界が赤で染まり、意識を失うが、

 危険からは脱することだ。


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