ルキアビル1
【ルキアビル1】異変初日
『実は私の住まいはすぐそばにあります』
『『『へっ?』』』
オレたちはマヌケな声をあげたが仕方がない。
瑠輝亜さんの住まいはずっと謎のままだった。
彼女は、登校・下校は車だ。
下校時、多くのストーカーが彼女の乗った車を追いかけるのだが、
必ず見失うのだ。
そんな彼女の家がそばにある?
『そばの5階建てのビルです。一棟全てが私達の住まいです』
おお、あの謎のビルか。
それが彼女の家?
私達の?
『何も聞かずに、私についてきていただけませんか。あのビルはセキュリティ完備です』
みんな目を丸くしたまま、誘われるように彼女の後をついていった。
ああ、夢露の道具はできる限り持ち出した。
驚くことに、彼女はオレの家の地下室に向かった。
この地下室を知るのはオレと綾羽・綾羽父しかいないと思っていたのに。
『○×△☆♯♭●□▲★※』
『ガチャ』
彼女は意味不明の言葉を発すると、なんと地下室の壁が開いた。
こんな仕掛けがあったのか。初めて知ったぞ。
てか、なんで彼女がそんなことを知ってる?
地下室の壁の向こう側にある地下道に入る。
自動照明みたいで明かりがついた中を歩く。
すぐに扉が現れた。
『ここが私達のビルです』
オレの家と5階建てのビルは地下でつながっていた。
なんだよ、それ。
そのビルにオレたちは入っていく。
分厚い絨毯のしかれた廊下は、高級ホテルなみであった。
オレたちはエレベータにのり、地下に向かった。
エレベーターを降りると先程と同じような絨毯敷の廊下があった。
柔らかな明かりの元、しばらく歩き、とある1室にオレたちは入った。
『みなさん、今から私の説明することをゆっくり聞いてください』
それは驚くべき内容で、瑠輝亜さんの正気を疑った。
『皆さんは、大昔に生きていた人の生まれ変わりです』
みんな、ポカンとするばかりで二の句が継げない。
『大昔というのは2万年前です』
『煌人様は帝国の第一皇子でした。
綾羽様は聖女として崇められていました。
私は煌人様の護衛。
碧空と輝星は綾羽様の護衛。
夢露は研究職でした』
『オレはやんごとなきお方ってか』
『帝国の次期支配者となられるお方でした』
夢露とよく妄想話を繰り広げていたが、それ以上の話になってきた。
全く理解が追いつかない。
他人が見たら、オレの目は点になってたと思うぞ。
『2万年前に闇の一族との争いが起こりました。この惑星の存亡をかけた闘いです。勝利はしましたが、闇の一族が滅びるときにこの惑星に呪いをばらまきました。多くの民と皇族の殆どが死に絶えました』
闇の一族?
笑いしか起こらんのだが。
『煌人様と聖女様、そして護衛の皆さんもその呪いを浴びましたが、かろうじて死を免れました。非常にしつこい呪いで、みなさんは解呪するために、綾羽様の解呪のスキルにて眠りにつかれたのです。ただ、眠りというよりも転生することになりますので、長期の覚悟が必要でした。それでも2万年もかかるとは思いませんでしたが』
『そして、煌人様が復活されるときの波動で、次々と皆様が生まれかわりました』
いかん。理解が追いつかないどころじゃない。
妄想もすぎる。厨2すぎんだろ。
オレたちのキラキラネームは本名だという。
つまり、オレなら煌人じゃなくてキラトが本名だ。
なるほど、キラキラネームじゃなくて2万年前の名前なのか。
世の中のキラキラネームブームや優秀な人が多く排出されたのは、オレが復活する影響なんだそうだ。
みんな、オレの復活の波動を受けたんだという。
ちょっと待て。
綾羽が聖女なのはまだ納得できる。
だが、オレが皇子?次の支配者?転生?闇の勢力?
瑠輝亜さんは頭の弱い子か?
『信じていただけないのはムリもありません。今から記憶を取り戻すブースに入っていただきます。すぐには記憶が戻りませんが、徐々に復活するはずです』
オレたちは話を信じられなかったが、
瑠輝亜さんには謎の信頼感が感じられた。
みんなは瑠輝亜さんにいわれるまま、隣の部屋に入った。
そこにあるのは複数のカプセルだった。
瞬間に少しだけ記憶が蘇る。
これは、2万年前にオレたちが入ったカプセルだ。
呪いで意識が混濁していたが、そのことは覚えていた。
ここでオレたちは解呪の歳月を過ごしたのか。
『もともと、このカプセルは違う場所においてあったものです。そこが敵に知られましたので、こちらに移し替えました』
よく見ると、カプセルにはそれぞれの名前が刻まれていた。
瑠輝亜さんがカプセルもボタンを押していく。
すると、プレートのようなものが浮かび上がってきた。
『みなさん、ご自分の名前の刻まれているカプセルの横にお立ちください。そして、プレートを手に取ってみてください。皆さんの記憶とスキルが回復します』
オレたちのスキルは、
オレ 時空スキル
綾羽 守護スキル
夢露 魔具スキル
輝星 剣スキル
碧空 格闘スキル
だという。




