札幌記念(GⅡ)本番
今週は色々悲しい出来事一杯で大変ですが、皆さん頑張っていきましょう。
あ、皆さん選挙には行かないとダメですよ。
私は明日ゼロ票確認してきます。(ガチ勢じゃないヨ)
本馬場へ移動後返し馬を経て今俺は4コーナーポケット部分で輪乗りしている。輪乗り中一時雨が降った。あの程度の雨なら馬場状態には影響はなさそうだが。
そういえば返し馬の際、崇が俺を落ち着かせるように気を遣っているのに気付いた。ちょっと調子に乗っていたのがバレたか。危ない危ない。またやらかしてしまう所だった。
「フクオ、いい感じにテンションを維持出来てますね。発汗もせずやってくれそうです。横川ジョッキーが宥めてくれたお陰です」
「うまく落ち着いてくれて良かったです。力を出し切れれば勝ち負けは確実ですから。雨で馬場が渋れば更に良かったんですけどね」
どうやら翔哉の兄ちゃんにも大分気を遣われていたようだ。大丈夫だよ兄ちゃん。流石に宝塚記念みたいな過ちを犯しはしないさ。
それにしても崇。お前俺の事を道悪巧者と思っているようだが道悪によるダメージは普通に受けるんやで?良馬場で走れるに越したことはないんだ。
「さぁファンファーレだ。行くぞフクオ」
兄ちゃんに促されゲートに向かう。それにしても札幌記念のファンファーレ、難易度高くない?開幕ハイノートで始まるファンファーレだけど、失敗したら責められるんだろうなぁ。上手くいって良かったね。
さぁて、あの演奏に相応しい走りをみせてやるぜ。
「もうちょっとでスタートだ。このままでいてくれ」
「フクオ、無事帰ってこい」
俺を宥める崇と捌けていく兄ちゃん。2分後にまた会おうぜい。さぁて、今日の枠入りはどんなもんだ?
「後少しで最後の馬が入るぞ、もうすぐスタートだ」
おぉ、割りと順調だな。よし、前走の汚名返上と崇今年初の重賞制覇をプレゼント。そして、翔哉の兄ちゃんの株上げの為、いっちょうやったるか。
ガシャン!
***
『雲が広がる札幌競馬場。先程パラついた雨が降り始めましたが今は止んでおります。
夏唯一のGⅡ競走、夏の頂上決戦、札幌記念です。
解説は競馬本の渡辺 弘さんです。よろしくお願いします』
『よろしくお願いします』
『さぁ今年はGⅠ馬3頭を含む15頭で争われます。ヴィクトリアマイル連覇のマイル女王⑩番メイディアーマ。昨年の菊花賞、今年の天皇賞(春)を制した最強ステイヤー⑤番ヴェンデッタ。そして復活を期す2歳女王⑮番ザイマジネーション。
渡辺さんの本命はザイマジネーションですね。』
『そうですね、本命にしました。昨年の牝馬クラシックは勝利を逃しているものの、これまでのレース全てで掲示板内に入る安定感。恐らく2000mが最もこの馬には合っていると思いますし、大外枠も最初の直線が長いこのレースならば大きな不利にはならないと思われます』
『ありがとうございます。さぁ、ファンファーレです。演奏は陸上自衛隊北部方面音楽隊です』
主にGⅠ競走で行われる生演奏ファンファーレだが札幌記念は札幌競馬場で行われる主要重賞であるため、生演奏ファンファーレが行われた。
『場内から拍手が沸き上がっております。北の大地に響き渡る陸上自衛隊北部方面音楽隊の生演奏でした。
さぁ、GⅠ馬3頭を含む実力馬が揃った今年の札幌記念。枠入りは順調。最後に大外⑮番ザイマジネーション入りまして枠入り完了。
夏の熱き戦いを制し秋のGⅠ戦線に名乗りを上げるのはどの馬か。札幌記念のスタートです。
各馬まずまずのスタート。その中一際綺麗なスタートを決めた馬が1頭。やはりこの馬、⑤番ヴェンデッタが好スタート好ダッシュ。ドンドン加速していっています。
さぁ⑤番ヴェンデッタが端をきる。そして、②番ルックリーゼルが2番手。外を通って⑪番アメリカンロード、内から④番テンヤシャ。外からは⑬番サドンデスウォーも上がってきている。
そして前から6番手、7番手に⑩番メイディアーマ、⑮番ザイマジネーションが並走で各馬は第1コーナーのカーブに入っていきます。
先頭は⑤番ヴェンデッタ横川 崇。ヴェンデッタが今回は大逃げに打って出ました。既に3馬身、4馬身のリードを取り⑤番ヴェンデッタが現在先頭で逃げています。
さぁ⑤番ヴェンデッタの後ろですが、②番ルックリーゼル、その後ろ⑪番アメリカンロード、④番テンヤシャ、並んで⑬番サドンデスウォー。
そこから1馬身程開いて⑩番メイディアーマ、⑮番ザイマジネーション変わらず並走。前2頭を見るように③番カノンショット、外に⑫番ターフコマンダー。⑦番ライジングフェローその後ろ。
1000m通過58秒6です。速い。やはり速いぞ⑤番ヴェンデッタ横川 崇!リードは5馬身差まで広がったか。
⑦番ライジングフェローから2馬身切れました。①番ウソダドンドコドン末脚勝負、⑧番フェートファルクス、⑨番アンブレラカレッド、⑭番ウンボイクザーム上がっていく。
そして最後方には⑥番ウメノキオリオンです。
先頭の⑤番ヴェンデッタは第3コーナーのカーブ。このまま行くのか!後続も徐々に差を詰めてきて3馬身差といったところ。
3,4コーナー中間、先頭は⑤番ヴェンデッタ、2番手は⑭番ウンボイクザーム、3番手の位置に⑩番メイディアーマ進出。そして、⑮番ザイマジネーションは外に持ち出している。
第4コーナーのカーブに入ります。さぁ直線の攻防、横に目一杯広がって札幌の直線。先頭はヴェンデッタが突き放しに掛かる。
ウンボイクザーム後退、メイディアーマも伸びが苦しい!間からルックリーゼル!内から内からカノンショット!外ザイマジネーションだが伸びない!
そして大外から!大外からウソダドンドコドンとウメノキオリオンが飛んできた!2頭がヴェンデッタに迫る!ヴェンデッタに迫る!
カノンショットも最内からやってきている!
しかし!届かない!届かない!2000mが短いなどと誰が言った!ヴェンデッタ逃げきったぁ!
大きな歓声に迎えられ、最強ステイヤー⑤番ヴェンデッタ、見事札幌記念制覇です!
2着は接戦!外ウソダドンドコドンとウメノキオリオン、最内カノンショットやや不利か。
そしてタイムはなんと!1分58秒3!2008年にタスカータソルテが出した1分58秒6をコンマ3秒縮めるコースレコードです!
上がりの3Fは35秒8!渡辺さん!凄いレースでしたね!』
『いやぁ、凄いレースでしたねぇ。前半1000m58秒6で1分58秒3でしょう?それでラスト3F 35秒8となると、ほとんど息を入れることなく走り抜いてますね。
そのハイペースで後続馬の脚を溜めさせず末脚を封じた見事な逃げきりでした』
『ありがとうございます。前走初の二桁着順だった宝塚記念。その借りを返した形となりましたヴェンデッタ横川 崇。
そして横川 崇は今年の中央重賞初制覇となりました』
***
「良くやった。良くやったぞフクオ」
ゴール後俺の首を叩きながら労ってくれる崇。なんか久々に思いっきり走れた感じだな。今年に入ってから逃げられなかったり、体調最悪だったりだったからな。
いや、体調最悪は自業自得なんだけど。
端に立たず、控えるのがダメって訳じゃないけど、やっぱり逃げの方が性に合っているんだろう。後方からの直線一気もロマンを感じるがロードケラウノスと被るし、俺のポンコツ末脚じゃ出来ない相談だものな。
さてと、戻りますかね。いやぁ、やっぱり戻るときに浴びる歓声ってのは堪らないね。
「フクオ、良くやった。よく勝ってくれた。横川ジョッキーありがとうございました」
「こちらこそありがとうございました。役目を果たせてホッとしていますよ」
俺を迎えに来た翔哉の兄ちゃんと崇が握手しながら脱鞍所へと向かう。
「崇、よくやってくれたな」
脱鞍所では笠原のおっちゃんが待っていた。ようおっちゃん!勝ってきたぜ!
「ありがとうございます。これで秋に向けての弾みになりましたね」
「あぁ。優勝に加えコースレコードともなれば、もう誰もフクオがただのステイヤーだなんて言うこともないだろう。次は天皇賞(秋)だ。
元々水嶋さんの希望だったからな、次もよろしく頼むぞ」
「はい」
天皇賞(秋)か。てことは天皇賞春秋連覇を狙うってことか。確か同年での天皇賞春秋連覇をした馬って三冠馬より少なかったんじゃないっけ?
ロードケラウノスいないならワンチャンあるか?あー、でも今年の3歳馬や宝塚記念で走った中には重馬場に泣いた良馬場バッチコイな馬もいるかもしれないか。舞台は世界有数の超高速馬場である東京競馬場だもんなぁ。
舐めてかかったらソッコーぶち抜かれる未来しか見えん。
「とりあえず、フクオは数週間ほど放牧に出そう。その後美浦で調整だな」
「そうですね」
また放牧か。随分刻むな。まぁいいけど。次走が秋天なら後はジャパンカップか有馬記念走って今年は終わりだろう。そのくらいは頑張りますよ。
さぁて、口取りと表彰式が終われば2度目の夏休みだ。早く行こうぜ兄ちゃんやーい。
札幌記念着順
1着⑤番ヴェンデッタ
2着①番ウソダドンドコドン 1馬身
3着⑥番ウメノキオリオン ハナ差
4着③番カノンショット クビ差
5着②番ルックリーゼル 1馬身
今週は七夕賞とプロキオンステークスがありますね。
七夕賞の本命はレッドジェネシス
プロキオンステークスの本命はユニコーンライオンです。




