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競走馬転生  作者: ナカH
59/82

札幌記念(GⅡ)パドック

帝王賞メイショウハリオ浜中騎手

CBC賞 テイエムスパーダ 今村騎手

ラジオNIKKEI賞 フェーングロッテン 松若騎手

優勝おめでとうございます。


みんな大好きメイショウの優勝めでたい!

今村騎手重賞初騎乗初制覇ついでにレコードは驚きました。

フェーングロッテンのお兄さんは昨年のスプリンターズステークスの勝ち馬ピクシーナイトで、母ピクシーホロウは重賞馬2頭を産んだ優れた繁殖牝馬ですね。


これ前書きじゃないですね。改める気はありませんが。

では本編どうぞ。

第2回 札幌競馬 4日目 第11レース

札幌記念(GⅡ) 芝 2000m 天気:曇 馬場状態:良


『皆さんこんにちは~。北海道シリーズ大好き野郎です。えー、今日は私の大好きな札幌記念が行われるということで、馬券予想していきたいと思います。

先週のUHB賞はピタリ的中したことからも、今波来てますから。この勢いに乗って今回も当てていきたいと思います。


札幌記念は夏競馬唯一のGⅡレースですね。そして数少ない定量GⅡレースという事でGⅠ馬の出走もあるレースですね。

その為、今日の札幌記念はGⅠ馬3頭含めた15頭で争われます。そして今年の札幌記念の出走馬は以下の通りです。


1枠①番 ウソダドンドコドン

2枠②番 ルックリーゼル

2枠③番 カノンショット

3枠④番 テンヤシャ

3枠⑤番 ヴェンデッタ

4枠⑥番 ウメノキオリオン

4枠⑦番 ライジングフェロー

5枠⑧番 フェートファルクス

5枠⑨番 アンブレラカレッド

6枠⑩番 メイディアーマ

6枠⑪番 アメリカンロード

7枠⑫番 ターフコマンダー

7枠⑬番 サドンデスウォー

8枠⑭番 ウンボイクザーム

8枠⑮番 ザイマジネーション


1番人気⑩番メイディアーマ 3.8倍、2番人気⑮番ザイマジネーション 4.1倍、3番人気③番カノンショット 5.5倍とGⅠ馬2頭が1番人気、2番人気に入っている感じですね。

メイディアーマはヴィクトリアマイル連覇と基本マイラーな気もしますが、昨年のエリザベス女王杯3着と好走していますし、長すぎるということはないでしょう。

一昨年の阪神JFを勝ったザイマジネーションも今年は阪神牝馬、ヴィクトリアマイルとマイル戦を使ってからの札幌参戦ですね。この馬も昨年の秋華賞クビ差3着と好走していますし、2000mは十分こなせると思います。


3番人気のカノンショットは宝塚記念10着からの今回ですが、前走は重馬場に泣きましたね。今年の金鯱賞をレコードタイで走っている事からも、 良馬場では滅法強いイメージですね。左回りが得意らしいですが、右回りでは勝ち星がないのが気になるところ。


そこである意味目立つのが⑤番ヴェンデッタですね。GⅠ2勝とメイディアーマと互する実績を持っているにも関わらず、現状5番人気 11.9倍に甘んじています。

やはり2000mの実績が無いことと、前走宝塚記念の惨敗。そして今年から見え隠れし始めた気性難の気が皆さん気になる模様。


さて、人気上位+1頭について語った上で選ぶ、私の本命は⑤番ヴェンデッタです!札幌競馬場は勾配が少なく円形に近い形をしています。そして函館競馬場同様オール洋芝なので時計もかかりやすい傾向にあります。

そこで着目したのが洋芝適性と上がりのかかるレースを勝った馬を絞ってみました。


その中で⑤番ヴェンデッタは前走重馬場の宝塚記念12着ですが、それを無しで考えれば前々走である不良馬場の阪神大賞典を5馬身ちぎってるんですよね。上がりのかかるコースは前残りしやすい傾向にあるため、逃げ先行型のヴェンデッタを本命としました。血統的にも札幌の馬場は合うと思います。


その上での買い目なんですがーーー』



***



真夏の競馬となるとアホみたいに暑い灼熱の中でのレースをイメージする。メイクデビューの新潟も暑かった。

札幌も暑いことは暑いが風が吹き天気も曇りであるお陰かだいぶ過ごしやすい。


そんな札幌競馬場のパドックで俺は周回している。勿論これから始まる札幌記念に出走するためだ。

宝塚記念で惨敗したことにより、今後の方針を決める為の試金石としての出走だろう。2000mが走れないとなると出れるレースが減るからな。特に下半期は3000m以上のレースがステイヤーズステークスしかないが、GⅠ2勝馬のメンツもある。ジャパンカップを回避して翌週にあるステイヤーズステークスを選ぼうものなら、その批判の度合いは菊花賞の時の比じゃないだろうしな。


「よぉし、号令だフクオ。テキと横川ジョッキーが来るぞ」


そして個人的に負けられない理由もある。牧場に来てくれたファンの為。そして翔哉兄ちゃんの為だ。

何で翔哉兄ちゃんだけかと言えば、厩務員の変更という可能性が先日明かされたあれだ。

俺が2回やらかしたことにより、その責任のいくつかは翔哉の兄ちゃんにもいっているはず。対外的には笠原のおっちゃんの責任になるだろうが、厩舎内でも翔哉の兄ちゃんの責任は無しとはならないはずだ。

普段俺を見てくれているのは兄ちゃんだしな。


多分翔哉の兄ちゃんは厩舎の中でも色々期待されているようだ。笠原のおっちゃんがいない際は色々任されていたみたいだし。


だからここは是が非でも勝ってその担当持ち乗り調教助手である兄ちゃんの株を上げないと。


そもそもお前が隠さなければいいだけの話だろうという至極真っ当な反論がイマジナリー自己批判精神から飛んで来そうな気がするが。


「翔哉さん、よろしくお願いしますね」


「横川ジョッキー、こちらこそよろしくお願いします」


「フクオはどうした?気合いは入っているな。珍しい。入れ込む一歩手前とも取れるが」


「いつもは本馬場に行ってから徐々にエンジンが掛かるんですけどね」


「返し馬で少しガス抜きする必要がありそうだ。崇、頼むぞ」


「わかりました」


会話をしながら本馬場へ向かう俺ら。やる気を出したのがバレてたらしい。落ち着け俺。クールに。クールに行こうぜ。


「横川ジョッキー、噂じゃ別の馬に乗る可能性があったんですって?」


ピクッ


「どこで聞いたんですそれ?」


「他の厩舎の助手さんから。多分仲介人さんが誰かに言ってそれが自分まで来たんでしょう。又聞きなんでどの馬かは聞いてませんが」


「まったくあの人は。まぁ、そうですよ。依頼は来てましたよ。蹴りましたけど。こいつに乗るのになんで依頼するのか、持ってくるのか理解できませんでしたね」


「宝塚記念があの様だったからな。あわよくばってとこじゃないか?今年はお前重賞を勝ってないが、勝ち星は順調に積んでいる。近い内に勝つだろうって思われたんだろう」


ふ、ふーん。他の馬の依頼蹴ったんだぁ。俺に乗るために。そんで、崇今年は重賞勝ってないんだぁ。阪神大賞典も天皇賞(春)も崇じゃなかったしな。宝塚記念はあの様だし。

じゃあ今日勝てば崇は俺に感謝するよな?崇が乗るべき馬は俺だと、痛感するよな?他のお手馬とブッキングしても俺を選ぶよな?恩を売って束縛しt・・・

ではなく、コロコロ鞍上替わるのもよろしくないし、ここは崇に重賞勝利をプレゼントしようじゃないか。いやー、しょうがないなぁ崇君は。



***



「むすーっ」


「楓。貴女いつまでむくれているのよ」


「だって有り得なくない!?なんであの子が5番人気なのよ!」


札幌競馬場の馬主パドックエリアでは水嶋一家が札幌記念に出走するヴェンデッタの応援に来ていた。


丁度夏休みが終わろうかというこの時期。札幌記念の週にも関わらず、姉、楓の宿題が終わっておらず母親の雷が轟き、男性陣が震えながら嵐が去るのを待つ水嶋家の乱が起こっていたが、詳細は割愛する。

姉、楓が札幌競馬場にいるということはそういうことなのだ。


「今日は負担重量の少ないGⅠ牝馬や3歳牝馬。2000m重賞を勝った馬が出ているからな。GⅠ馬とは言え、その重賞勝ち鞍全てが3000m以上のヴェンデッタではこの評価も仕方がないさ」


「実際どうなんだろう?やっぱり厳しいのかなぁ?」


雄大が質問をぶつけてきた。


「笠原先生が言うには放牧先でファンと触れ合ったのが良かったのか、肉体的精神的に復調出来ているらしい。宝塚記念よりも状態はいいとのことだ」


「春はヴェンデッタちゃんの得意な長い距離で走っていたのに、随分距離が短くなるんですね?」


「秋はヴェンデッタの走れる長距離レースが実質ほぼ無いんだ。ただでさえ長距離レースは少ないからね。だから春より距離が短いレースで頑張ってもらうしかないんだよ」


穂高が家族に説明していたら号令がかかった。ジョッキーが乗り、これから本馬場へ向かうだろう


「じゃあ本馬場へ向かおうか。楓、行くよ」


「はぁ~い」


娘は相変わらず機嫌がよろしくなさそうだ。通じるかはわからんが、1つ話をしてみるか。


「楓。昔の騎手の言葉にこういうものがある」


「何?」


「1番人気はいらないから1着が欲しい。これはダービーの名言だが、人気はあくまで人が決めたものだよ。それが正しいかどうかはこれから決まる。だから楓、これはヴェンデッタを過小評価している皆を見返すチャンスでもあるんだ。

人気があるということはその馬が1着になると考え馬券を買った人が多いということ。ならその中で勝つことが出来れば、ヴェンデッタの名前通り、意趣返しになるさ」


「1番人気はいらないから1着が欲しい、か。いい言葉ね!そうよ、あの子の事を見くびっている人らの鼻を明かしてやるチャンスだわ!さぁ、父さん!早くコースの方に行きましょう!」


ここまでチョロくて大丈夫か?と内心別の心配が出てきたが、穂高はそれは脇に置き家族と一緒に馬主席の方へと移動を始めた。

ブックマーク数1000件突破誠にありがとうございます。

一瞬

「もうゴールしてもいいよね」

と頭をよぎったりしましたが、流石にここで終えたら怒られる気がしたので思い直しました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そうですよね、欲しいのは1番人気じゃなく1着ですよね! どうせなら15番人気でも良かったのですよ? [気になる点] 相変わらず、これだけ馬名を考えたのが凄いです。 ウソダドンドコドンはイ…
[良い点] 実績だと2000mは皐月賞(レコード)に二着で入ってるし、やはり人気薄の原因は前走でしょうかね? あるいは『燃え尽き』を気にしたファンが多かったか? [気になる点] 秋競馬は古馬の長い重賞…
[一言] クラシック成績考えたらそこまで…ってなるけど前回の負けが響いてるな 今の評価完全に重ステイヤーくらいの扱いだろうし
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