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競走馬転生  作者: ナカH
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フクオの放牧

ちょっとウイポやり始めたら止まらなくなってしまい、執筆をサボってました。申し訳ありません。

トニービン系統樹立を目指したんですが、優秀なトニービン産駒、牝馬多過ぎぃ。

ホープフルステークスから数日経ち、年が変わり俺は3歳になった。そんな年越しを厩舎で過ごし、三が日が終わった頃俺は放牧に出された。


てっきり生まれ故郷に帰るものだと思っていたら美浦トレセンから1時間くらい移動した近場の牧場だ。


わざわざ冬の北海道に帰すより近場の方がいいってことかな?年末年始の長距離移動とか地獄以外の何物でもないし。


さて、今回の放牧は俺が思い描いていた放牧そのものだ。広目の放牧地でのんびりさせてもらっている。


ただ、牧草はない。正確には枯れてて食える草がない。その代わり、放牧地の端ッこに牧草ロールみたいなのが置かれてる。


それをもっしゃもっしゃ食ってる。それを食いながら何してるかって?


なんもしてねぇよ。リフレッシュ放牧に来てるのに何やるって感じだもん。前世でも有名な台詞があるだろう?


“よく動き よく学び よく遊び よく食べて よく休む”


今はよく食べてよく休むターンなわけですよ。まぁ、遊んでも良さそうだけど、独りぼっちでどう遊べって話。


近くの放牧地にも放牧中の馬がいるけど、多分年上で牝馬だからなぁ。


厩舎でお隣のパイセンがいればまた違ったんだがなぁ。


パイセンは今3勝クラスで俺の放牧中にレースがあるらしい。うまく勝ってくれれば俺に次いで2頭目の笠原厩舎のオープン馬になる。是非とも頑張って欲しいものだ。


話はずれたが、他にすることがないので、今はよく食べてよく休む。まぁ、ちょっとは考えもするけど。


ホープフルステークス2着だったから、当面の獲得賞金は問題ないだろう。となると、順当に行けば次走は弥生賞か?何回中山2000m走ることになるんだ?


弥生賞、皐月賞と走ることになったら4回かぁ。でも皐月賞まで終わったら中山2000mを走る事もう無さそうだな。いや、中山金杯が2000mだったか。


そもそもどっかで重賞勝たないとクラシック終わったら条件馬に格下げになるんじゃなかったっけ?獲得賞金の問題なのかあれ?


でもステイゴールドみたいに勝てなくても2着に入り続けてオープン入りみたいな例もあるんだよな。


どっちにしろ次のレース勝ちたいなー。でもあの化物出てきたら厳しいよなぁ。


あ、牧草ロール無くなった。


ここでは牧草ロールがなくなっても翌日には補充してくれるから実質食べ放題だ。その分の料金が水嶋のおっちゃんに請求されるのかもしれんけど、そこはホープフルステークスの賞金で十分賄えるだろう。


つーわけで、多分あと1ヶ月か2ヶ月、食い放題させてもらうでぇ。



***



二月上旬。


美浦トレセン笠原厩舎では調教師の笠原 雅道がパソコンに向かって作業をしていた。


笠原が管理している馬はフクオだけではない。オープン馬は現状フクオのみだが、条件馬はそこそこの数を預かっていた。


その中で今週のトリトンステークス(4歳以上3勝クラス)に所属馬であるランドトニー(牡4)が出走する。


この馬は去年の春頃まではまったく走らずどうしたものかと悩んでいたが、6月にようやく1勝を挙げるとトントン拍子に3連勝してしまった。


(血統的にはそれほど晩成タイプではない筈だが、血統もあくまでも目安だ。トニーがたまたま晩成タイプだったんだろう。


そういえば、トニーが勝ち始めたのはちょうどフクオが入厩した頃と重なるな。フクオが福を持ってきたのか?あいつの“ふく”は復讐の復なんだがな。いや、母母父のシュクフクとも掛けているんだだったか。


それにあの2頭は仲がいい。どちらかと言うとトニーがフクオに懐いている感じだが、フクオも満更でもなさそうではある。


フクオが帰ってきたらトニーと併せ馬をしても良さそうだな)


笠原はこれから厩舎の顔になるであろうフクオとランドトニーの事を考えながら作業を続けた。



***



時は更に進み二月中旬。


今日はフクオが帰厩する日だ。笠原厩舎では調教師の笠原 雅道と持乗調教助手である田中 翔哉がフクオの帰りを待っていた。


「トニーが勝ってくれてうちの厩舎もオープン馬が2頭になりましたね。この調子で重賞ウィナーが出てくれれば言うこと無いんですけど」


翔哉が言う通り、先日のレースでランドトニーがレースを勝ち、オープン入りを果たしていた。


次走をダービー卿チャレンジトロフィーに定め、今は放牧に出している。3月中頃帰厩予定だ。


「そうなるように手を尽くすのが俺らの仕事だ。お、帰ってきたみたいだな」


話をしていると馬運車が厩舎の敷地に入ってきた。そしてフクオが出てくる。


「お帰りフクオ。十分休めたみたいだな。身体も大分大きく・・・大き・・・く?」


「いや、デブり過ぎてませんか?」


翔哉の言うとおり、フクオは太って帰ってきた。それはいい。放牧先でも食欲旺盛だということは聞いていたし、放牧に出されれば運動量が減り、馬体重が増える。しかし、フクオの増え方はちょっと予想外だった。これは不味い。


心なしかフクオも申し訳無さそうにしているが、恐らく気のせいだろう。


とにかく、


「増えた馬体重を確認したら明日からひたすらプールだ!まずは絞らんと話にならん!」


フクオダイエット計画のスタートである。

コントレイルジャパンカップ優勝おめでとうございます!

三冠馬は強いことを最後に証明してくれて嬉しい限りです。


3年後、4年後、コントレイル産駒が競馬場に出てくることを楽しみにしています。

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