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競走馬転生  作者: ナカH
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馬へ転生

昨今の競馬ブームに乗っかって書いたこともない小説を書いてみました。

色々拙い部分も多いですが、読んでいただけると幸いです。

「やっちまった・・・」


朝日眩しい月曜日の朝。布団の中でポツリと呟いた男がいた。

某競走馬擬人化育成ゲームをきっかけに競馬にドはまりしたものの、実際の競馬を観るけれど馬券を買うまでは行かないこの中途半端なオタクが行き着いた場所はウ○ニング○ストであった。


「徹夜なんていつぶりだよ。それも二徹とか人生初だよ。俺徹夜出来ない人間のはずなのに。」


三十路を過ぎたあたりから夜更かしが辛くなってきた自覚はあった。

しかし、軽い気持ちで始めたゲームにのめり込み貴重な週末を全て費やしていた。


「これから出勤かぁ。流石に休めないし行きますか。」


布団から起き、着替えを済まし食パン一枚を咥えアパートを出る。

徹夜明けの頭はモヤがかかったかのようにハッキリせず、交差点の信号が赤であったことすら気付いていなかった。


キキーッ!!ドガッ!


「え・・・?」


突然の衝撃。どうやら赤信号と気付かず横断歩道を渡って車にぶつかってしまったようだ。

急速に力が無くなっていく感覚を覚える。どうやら当たりどころが悪かったらしい。


「マジか。なんてあっけない。」


この日、一人の男が短い人生を終えた。


・・・ん?なんだ?やけに暗くて生暖かい場所だな。

俺確か車に轢かれなかったっけ?いや、俺自ら車に飛び込んだに近いか。

どうやら生きてたようだな。こちらの不注意だったし、車の運転手には申し訳ないことをしたな。


にしてもどこだここ?身動きできねぇし。

お?なんか手が引っ張られてる。

なんだなんだ?何をそんな引っ張るんだよ。お、明るい場所に出た。




で、気付いたら馬に生まれ変わっていたと。ダジャレではない。


いやー、ちょい前に流行った異世界転生みたいなことあるんだな。まぁ、貴族の八男だったり竜だったりスライムなんてことはなく馬。それもサラブレッド。


生まれ変わって最初こそ混乱したけど、半年もすれば気持ちの整理も出来るよね。ちょっと前に母親と離されたけど、確か離ればなれにされた直後は母親を探すために騒いだ方が自然だと前世の知識で知っていたので嘶いたりしといた。どのくらい騒げばいいかわからないし、あんまり長く騒ぐのも疲れるし迷惑なのでほどほどに。


母親と離されると今度は同い年(多分)の仔馬と一緒になるようになった。

仔馬にも群れとしての序列争いがあるらしく噛んできたり蹴ってきたり危ないことこの上ない。中には未だ母を探して駆け回るやつもいて、実にカオス。


あ、そうそう。生まれ変わった俺は生前と同じくオス。牡馬ってやつだな。


うん、これはヤバイ。ただでさえ競走馬ってのは生き残るのが難しい生き物やん。牝馬なら走らなくても血統次第で繁殖牝馬としての道もあるだろうけど、牡馬って。


これは逆に血統次第じゃ例えG1レースを勝っても種牡馬になれない可能性もあるな。結果を残せなかったら馬肉行き。良くて去勢後乗馬行き。運良く功労馬として余生を送ることになったとしても、去勢されるの怖いなー。


嘘かホントか馬の去勢手術て鎌で袋をバッサリ切り落とすって聞いたことあるし。麻酔無しで。

嫌だなぁ、鎌。


そんなわけなので俺はというと仔馬の群れの付き合いもそこそこに自主トレに励んでいる。まぁ、放牧中走っているだけなんだが。


元人間なので、馬としての走り方が分からないなんて事も考えたが、流石に馬としての本能があったらしく走り方はすぐに分かった。今はより走りやすい方法を模索中である。


自身の血統は知らんが、鍛えておいて損はない。一番可能性がありそうなのがサンデーサイレンス系が父なんだろうが、そうなると大変だ。ただでさえサンデーサイレンスが頑張りまくった結果、昨今の日本では出走する馬全てにサンデーサイレンスの血が入っているなんてレースもあるくらいだ。


更にディープインパクトによる駄目押し。例えダービー馬になろうと、更に実績積まないと種牡馬は難しそうだ。


となれば、少なくともここにいる他の仔馬に勝てないようでは話にすらならない。良くて鎌。最悪馬肉。良くて鎌の時点で酷い人生だよまったく。あ、馬生か。


そんなわけで、地道な努力の結果単純なかけっこなら勝てるようになった。

しかし人としての頭脳を持ち自主トレに励んでいた俺が、群れで序列争いをしていたこいつらにようやっと勝てるようになったってことは、この体、元のスペックはあまり高くないのでは?


と、考えてたら誰か来たようだ。三人いるな。一人はいつも世話してくれてる牧場のおっちゃん。もう一人はたまに見掛けるおっちゃん。恐らく偉い方。前に世話してくれてるおっちゃんが社長って呼んでたし。

で、最後の一人が見覚えのないスーツ姿のおっちゃん。


また庭先取引かな。ちょくちょくこんな風に人が来て俺らを見ていくんだよな。


既に何頭か契約が決まってるっぽいんだが、その中に俺は多分入っていない。前に一度俺を見て買うことに前向きな感じだったおばさんがいたけど、どうやら買うのをやめたらしい。値段が高かったのかしら?


「この鹿毛の仔馬がスカイシャワーの仔ですか」


「はい、比較的人懐っこいですね。少々群れから離れている感じはしますが、他の馬に怯えているというよりも無用な争いを避けている感じですね。当歳とは思えないほどの賢さです。走力も最近になって上がってきています」


「なるほど、トモのつくりもいい感じですし中々見所がありそうですね。まだ買い手がついていないと聞きましたが何か理由があるんですか?」


俺の母親はスカイシャワーって名前だったのか。中々いい名前もらってたのね。

それより俺が売れ残っている理由が気になる。セールストークやリップサービスもありそうだけど、結構誉めてくれてるじゃん。そうだよ、自分で言うのもなんだけど、自主トレに励んだ成果が出て、そこまで酷い馬体はしてないと思うんだよぼかぁ。


「それについては事務所の方で説明しましょう。こちらへどうぞ」


「え?あ、はい。わかりました」


なんだよー。俺の何が悪いのさ。つか、俺の父親は誰なんだ。教えてくれよおっちゃん、おっちゃーん!


血統まで行けませんでした。もう素人が考えた血統全開な血統表です(笑)

次回には載せたいです。ただ、載せ方が未だよくわからない・・・

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