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グリーンスクール - 好きだから  作者: 辻澤 あきら
9/15

好きだから-9

 しばらく雨の日が続いています。

 今日もまた、友崎君も私も屋上には行っていません。でも、友崎君はお昼になるとどこかへ消えてしまいます。購買に行ってそのままどこかへ行ってしまうのです。まだ、お弁当は食べてもらえません。

 元気がないように見えるのかもしれません。最近は和美ちゃんが随分よく話し掛けてくれます。私はただ聞き役に回っていればいいだけの状態です。


 今日も何人かで集まってご飯を食べていると、和美ちゃんが元気に話をしています。この間の出来事は黙っていてくれているので、周りの誰も私に特別気を使うこともありません。

 楽しく話していると、後ろから平田君の声が聞こえてきました。

 ―――友崎って、よく商店街の方で見かけるぜ。

 振り返って聞いてみると、放課後ふらふらと商店街の中を歩いているということです。

「それ、本当なの?」

 和美ちゃんも気になったようで、訊いてくれました。

「あぁ、あいつ、ぶらぶらと歩いてたよ」

「あたし、知ってるよ」

 薫ちゃんが、言いました。

「あたしの行ってる塾が市役所の向かいで、繁華街のはずれなのよネ。それで、時々、繁華街の中の本屋で時間を潰すんだけど、その時に見たの」

「何を?」

「あの子がクラブへ入って行くのを」

 驚嘆の声が上がり、みんなの注目が薫ちゃんに向けられました。

「本当よ、あたし、ついて行こうかと思ったけど、制服だしね、いけなかった」

「友崎君は、制服のまま?」

「一応、上着は脱いでたけどね。手に持って、シャツのまま」

「すっごぉい。そんなの、この学校にいたのぉ」

「やばいよ、あいつ。前から、思ってたんだけどさ」

「でも、この学校に編入してきたんだから、頭はいいんでしょ」

「そんなもん、コネでなんとかなるんじゃないの」

「カネだったりして」

「そうそう、公立じゃあ受け入れ先がないから、私立にカネで」

「でも、家の事情でアルバイトしてるって、緑川先生が言ってたわ」

「まぁ、そういうことにしてるんじゃないの、表向きは」

「遊ぶ金、欲しさ、だったりして」

「要は、遊びたいんだよ」

「高校生って、言ってるのかな?」

「トーゼン!嘘つかなきゃ、入れるわけないだろ!」

 みんなが口々に友崎君のことを悪く言います。でも、私は友崎君がそんなに悪い人だとは全然思えませんでした。一度も優しくされたことはありません。ただ、そう思うのです。中井君と岬君に訊いても、きっとそう言うことでしょう。そう、友崎君は、ただ悪く見えるだけなんだと、信じています。


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