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グリーンスクール - 好きだから  作者: 辻澤 あきら
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好きだから-8

 どうして、そんな言葉が口をついてしまったのでしょう。咄嗟に出てしまった一言が、私を私が全て納得させてしまったのでした。

 顔が赤くなっていることはわかっていました。中井君と岬君がどんな顔して私を見ているのか、気になるのだけれど、どうでもいいような気持ちで、じっと友崎君の顔を見ていました。友崎君は目を伏せ、舌打ちすると、

「バカかぁ、お前は?バカだろ?」

「私、友崎君のことがずっと気になっていて、ずっとずっと…好きだったの」

「バカヤロウ。そんな…、ちっとは、頭冷やせ」

友崎君はそう言いながら屋上を出て行きました。


 友崎君がいなくなってしまうと、どうしてか涙が出てきました。どうしても堪えきれなくて泣いてしまいました。二人が私をなだめてくれます。それが申し訳なくて、止めようと思うのだけれど、どうしても、どうしても涙は溢れてきます。

「どうしたの、まゆみちゃん!」

突然聞こえた声に驚いて振り向くと、和美ちゃんがいました。

「どうしたの、こいつらにいじめられたの?」

二人はあわてて手を振り首を振り、否定します。私も、否定しなくちゃと思うのですが、思ったように話せません。涙を拭いながら、かろうじて、言いました。

「…違うの」

「じゃあ、友崎のやつ?」

「…違うの」

「どうしたの?」

そう問う和美ちゃんに寄り掛かって泣いてしまいました。

 和美ちゃんは教室でのやり取りが気になって私を探しに来たそうです。友崎君が階段の上から降りてきたのを見て、多分私が上にいるのだと思って、来たのでした。そうしたら、私が泣いていて驚いたということです。

 和美ちゃんに訳を聞いてもらいました。恥ずかしさも感じることができない状態でした。ただ、聞いて欲しかったのでした。和美ちゃんはいつもより無口で、私の言うことをじっと聞いてくれました。私は、それだけで満足して、涙も止まってしまいました。中井君と岬君も、黙って聞いてくれました。男の子のいる前でそんな話をすることができるとは、自分でも驚きでした。でも、ただ聞いてほしかった、いえ、ただ話したかったのでした。


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