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好きだから-最終話
朝のホームルームの時間、緑川先生の後ろから女子生徒がついて入って来ました。まぁるい眼鏡がよく似合っていて、長い髪を後ろでくくった、かわいい女の子です。みんなの注目の中、その女の子は静かに頭を下げ挨拶をしました。そして、由起子先生から事情の説明があり、驚嘆の歓声が教室中に響き渡りました。
うそだろう、と叫ぶ声もあれば、本当に女なのか、と質問も飛びます。中川を呼べ、と叫んでいる人もいます。和美ちゃんも驚いて言葉が言葉になっていません。私は、一人、おとなしくあゆみさんを見ています。あゆみさんは、じっと清楚な雰囲気で立っています。緑川先生は、すごく楽しそうです。友崎君が男の子でなくて本当に残念だけど、あゆみさんならいいお友達になれそうだし、しばらくは戸惑うこともあるかもしれないけれど、楽しみです。それに、中井君と岬君の驚く顔も楽しみです。
あゆみさんは、混乱する教室の中を静かに歩いて来て自分の席につきました。
「あらためまして、よろしくね」
「はい!」




