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9位:エズメ(エズメ)、エズメに――愛と悲惨をこめて(J・D・サリンジャー)、小説
わたしが書くランキングでサリンジャーの短編集からひとつも入らないのは不自然とおもって急遽いれた。
ご存命中にお会いしたかった。
作中のX軍曹はあるいはサリンジャーそのものだったのかもしれないし、そう考えると彼がX軍曹のように安らかな眠りを得ることができたのかはわたしとして本当に気になるところ。
エズメはまさしくX軍曹にとって平和な生活の象徴であったのだろうし(要審議)、もし届いた時計が普通に動いていたらX軍曹はそこから安らぎを得られただろうか?とも思う。
戦争を知らないわたしが言葉にあらわそうとするのはとてもおこがましいことのように感じるけども、ただカフェで話しただけの少女は、ただカフェで話しただけ、という関係だからこそX軍曹に日常に戻る手がかりを示せたのではないだろうか。
…などと真面目に書いてしまったよ。