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二章 少年時代
週末、僕の家では議論が続いていた。
「それは違うだろう」
「いいや、僕の計算の方が正しい」
「その計算じゃ再構築ができない」
「できるさ!」
「できないね!」
「できる!」
「できない!」
そんなやり取りが、かれこれ3時間休みなく続いていた。
秋人が疲れた様子でベッドの上に横になって言った。
「少し休もうぜ。さすがに疲れた」
疲れは感じていなかったが、埒が明かない事実は変えられない。僕も少し、休むことにした。
「皐月はどうしてる?まだ怒らせたままなのか?」
それを聞いて秋人は大丈夫だとでも言うように手をひらひらさせる
「そんなに怒っている訳じゃねーよ。いつものことだからな。それに、今度あいつの誕生日だし」
この2人はいつまでも変わってないな。
僕は子供のころを思い出した。