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今日もわたしは、ドラゴンに人間の常識を叩き込んでいます。  作者: 竜風 愛花
第Ⅰ章 異世界へ
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六曲目 ~これからの歌~

先週はお休みして申し訳ありません。

テスト前で執筆できませんでした。


 今、わたしたちがいる町は「パラティア」。アストラル大陸で最大の魔法国家、「カテドラル皇国」の主要都市の一つらしい。カテドラル聖騎士団の本拠地が都市の西にあり、カテドラルの中でも随一の戦力を保持しているとのこと。

 パラティアでは冒険者ギルドの活動が盛んらしい。聖騎士団は主に国の防衛を、冒険者ギルドは魔物の討伐やダンジョン探索を。きちんと棲み分けられているんだー、ちょっと驚き。

 ついでに「神竜」と「邪神竜」についても聞いてみた。「鑑定」スキルだとステータスに関する情報ばっかりだからなあ。

 神竜は、カテドラルでは神の使いとして崇められているとのこと。聖騎士団の紋章にも神竜が組み込まれているらしい。

 へー、なかなか好印象じゃん。これなら実は人間じゃないってバレても問題ないんじゃない?

 そして邪神竜は、邪神の手先であり、人間を恐怖に貶める者。聖騎士団と冒険者ギルドの最終目標は、邪神竜の討伐なんだって。

 ……やっぱバレたら終わりだわ。


「うん、だいたいわかったよ。ありがとう」

 一通り聞きたかったことを聞けたので、わたしは質問を打ち切った。

「いいのよ全然! 大したことないし!」

 クルル、あなたただ話聞いてただけでしょ? そんなこと言うとまた……。

「貴様は何もしていないだろうが。私が答えたものがほとんどだ」

「何ですって!? うるさいのよ、たかが黒悪魔のくせに!」

 ほらもー! 無駄に喧嘩するのやめてよ! あんたらのステータスだと一歩間違えたらこの町半壊するのよ!?

「ふん、悔しければ反論してみるか? できるものならやってみるがいい」

「うるさい! あんたなんかあたしがちょっとその気になったら粉々なんだからね! わかってる!? もっと敬いなさいよ!」

 だからその全身に闘気みたいなの纏うのやめてくんない!? 風圧で土埃がヤバイことになってるからね!?

「……カリアニ、煽るな。クルルも乗せられるな」

「だってこいつが!」 「邪神竜様、何故このような輩を庇われるのですか!」

「ほう、まだ予を困らせたいのか」

 威圧するようにポズは二人を睨み付ける。クルルとカリアニは不満そうにだけど黙ってくれた。

「ありがとう、ポズ。また暴走しそうになったらお願いね?」

 わたしの言葉にポズがした、心底嫌そうな顔は見なかったことにしよう。


 さて、これからどうしようか?

「鍵を探しに行くんでしょ?」

 うんとねー、クルルちゃん。そういうことじゃないのよ。

 確かに目標はそうだよ? 問題はその方法。……ちょっとそこのカリアニさん、町は破壊しないからね?

「何故ですか? それが最も手っ取り早いではありませんか」

 もうやだこいつら。何でとりあえず破壊しようとするのよ、もうちょっと平和的に行こうよ。悪魔か。

「黒悪魔です」

 言うと思った。

 話を戻すと、鍵は探すんだけど、方法がいまいち思いつかないのよねえ。人伝に噂を集めるのも効率悪そうだし……じゃあどうするかって言うと、自分で探しに行くか……けどこの世界だって広いだろうし……。

 鍵はあと八本……道は長いからなあ……。

「ならば、ギルドに加入すればよろしいかと」

 カリアニが提案する。うーん、けど一応、ポズがいるしな……。うっかり正体バレたら謝って済む話じゃないもの。

「そうはおっしゃいましても、私はもうギルドの一員ですから問題ないかと」

 ……え? あれ、そうだっけ?

「先ほど城壁で、衛兵にギルドカードを提示したのですが……覚えていられませんか?」

 言いながらカリアニはスーツの懐からカードを取り出す。意外とシンプルな作りで、名前と年、職業とランクだけが記載されている。


[名前:カリスト Bランク

 年齢:27 職業:魔法使い]


 試しに鑑定してみると、【ギルドカード:Bランクのギルドカード。本物】と出た。悪魔だから偽物じゃない? って思ってたわ。ごめん。

 てかよくバレなかったね? 大丈夫なの冒険者ギルド、悪魔に侵入許しちゃってるけど。

「邪神竜様に人間界の動向を探るように命令されまして、懐に潜り込むことが効率的かと思いましたので。結界や魔物に反応する仕掛けはありましたが、あの程度無いも同然でしたね」

 さいですかー。

 あれ、おかしいなー、普通ちゃんと警戒されているよね? 魔物だもんね? ううん、きっと警戒されてるんだよ。ただこの悪魔には意味がなかっただけ……。

 どうしてわたしの会う人(?)はみんなこんなに規格外なんだろう? 類は友を呼ぶ? やだなわたしは普通だよ。

「んー……よくわかんないけど、ギルドに行くのよね!」

 わかって。クルルずっと黙ってたの、もしかして話についていけてなかっただけ? こんな頭が弱い神竜嫌だ。

「ふむ、では行くか」

 言うなりポズは右手の指を鳴らす。パチン、という音と共にわたしたちを覆っていた半透明の膜が消えた。よく考えたらこの結界って魔法だよね? 詠唱とかいらないの?

 いや、けどひょっとしたら、この世界では魔法には元々詠唱はないのかも……。

「よっし、じゃあ行くわよ! ギルド!」

「貴様、ギルドの場所はわかってるのか? わからないならば下がっていて貰おうか」

「……うるさいのよ!」

 またいがみ合う二人にポズはため息をついた。がんばれ。同情はするから。代わり? 無理無理、わたしは一般人だよ?

「クルル、カリアニ。いい加減にしないと、予もそろそろ緒が切れるぞ?」

「それに二人とも、最初の行き先はギルドじゃないよ?」

 ポズの後に続いてわたしが言うと、クルルとカリアニだけでなくポズも仲良く首を傾げた。

「え、ちがうの?」

「他にどこへ……?」

「…………?」

 いや分かりきってるでしょ? 逆に何でわからないのかが謎なんだけど。

「服屋に行くのよ」


聖騎士団の本拠地の位置が東から西に変更されました。

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