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隠し部屋


 ゼンタたちは洞窟の奥へと走る。

 しばらく走ると、ゼンタたちから見て左側の岩壁に盗賊が2人、少し間隔を開けて立っていた。

 よく見ると、洞窟の奥に続く道は巨大な岩で行き止まりになっている。

 そして盗賊の2人の間には隠し通路があった。ここにセレットたちがいるとゼンタたちは察した。


 「てめぇらまだいやがったのか!」


 盗賊たちはこちらに気づき、声をあげ即座にダガーを構えた。

 ゼンタたちは盗賊の元へ直進する。

  

「私が道を開け、やつらと戦います。お二人は先へ」


 走りながらリシャールが剣を構えた。ゼンタとハイナは無言で同意した。


 「界風螺かいふうら!」


 リシャールは盗賊と盗賊の間を、コマのように自身ごと剣を横一回転させた。

 

 「うおっ!」


 「あぶねっ!」


 盗賊2人はそれを避けた。

 その隙にゼンタとハイナはリシャールの横を通過し隠し通路の中へ入る。


 「待ちやがれ!」


 「待つのは貴様たちだ!」


 後を追おうとする盗賊をリシャールが立ちふさがった。

 ゼンタとハイナは振り返らずに走る。

 

 ゼンタたちはすぐに隠し部屋に到着した。中に足を踏み入れる。

 隠し部屋は岩壁に囲まれており天井にはランプがついている。 

 すると突然「あああ!!!!」と盗賊4人の叫びが響く。

 セレットと盗賊たちは何かを凝視しており、ゼンタたちに気付かない。


 「てめぇやりやがったな!!」


 盗賊が怒鳴る。

 セレットと盗賊たちは部屋の真ん中の小さなテーブルの周りを囲んでいた。

 そしてそのテーブルの上が真っ赤に燃えている。


 「こんなもの……この世に必要ありません!」


 セレットは鬼気迫る表情で答えた。

 すると盗賊の一人がゼンタたちに気づき「あっ!」と声をあげ、それに続いて盗賊たちがこちらに気づいた。


 盗賊たちはダガーを取り出した。

 ゼンタは意を決する。

 

 「うおお!!」


 ゼンタは盗賊たちの真ん中に突っ込み剣を横に振り回した。

 盗賊たちは後ろへ避ける。その隙にセレットとチュリンが走り、出入り口のハイナの元へついた。

 

 ゼンタは盗賊の一人に斬りかかる。盗賊はひらりとかわした。その隙にゼンタの後ろの盗賊の一人がゼンタにダガーを振り下ろした。

 

 「フレア・バレット!」


 セレットから放たれた高速の炎の玉が、ゼンタを刺そうとした盗賊の体に当たった。


 「うわあああちちち!!」


 盗賊の体は燃え、盗賊は地面にゴロゴロと転がった。


 「やろう!」


 一人の盗賊がセレットの元へ向かう。

 セレットは隠し通路へ逃げ出した。


 盗賊は燃えているテーブルをつかんだ。

 そしてゼンタへ燃えているテーブルを投げつけた。

 ゼンタはそれを剣で弾く。

 その隙にもう一人の盗賊がゼンタの腹を刺した。


 「ぐあっ!」


 ダガーは甲冑を貫通しゼンタの肉体に刺さった。

 その瞬間ゼンタは左手で盗賊の腕を掴み右手の剣を逆手に持ち替え、盗賊の肩に突いた。


 「ぎゃああ!!」


 盗賊は肩を押さえ地面に倒れた。

 その隙にもう一人の盗賊がゼンタの右肩をダガーで突いた。

 

 「つあっ!」


 ゼンタの肩の甲冑から血が流れる。


 「うらああっ!!」

 

 ゼンタは盗賊に突進し、剣を振り下ろす。それを盗賊はかわした。

 ゼンタは勢い余って岩壁に激突した。

 その隙に盗賊はゼンタの背中をダガーで突いた。

 

 「ぐううっ!」


 ゼンタはすかさず左手で盗賊の服を掴む。

 盗賊は掴まれた手を振りほどこうと、掴まれた腕をダガーで突いて、突いて、突いた。

 ゼンタはそれでも手を離さず、右手の剣で盗賊の体を斜めに斬った。


 「がはっ!」


 盗賊の体に斜めの斬り傷ができ、盗賊は地面に倒れた。

 

 隠し部屋には盗賊3人が地面に倒れている。

 先ほどフレア・バレットをくらった盗賊の、体についた炎は消えていたが、その盗賊は気絶していた。



 ゼンタは急いで隠し部屋を出た。

 

 ゼンタは隠し通路から洞窟へ出ると、リシャール、セレット、チュリン、ハイナの姿があった。

 盗賊3人が地面に倒れている。これで6人、盗賊は全滅だ!


 「みんな無事か?」


 「ゼンタ!?」「ゼンタ様!」「ゼンタさん!」


 ハイナ、リシャール、セレット、はゼンタとその左腕と腹の出血を見て驚く。チュリンは、きょとんとした顔でゼンタを見る。


 「大丈夫!?」


 ハイナたちが心配そうにゼンタに駆け寄る。


 「大げさだよ。大丈夫、大したことないって」


 ゼンタは強がったが、左腕と腹は焼けるように痛かった。


 「大丈夫じゃないじゃん!」


 ハイナは涙目で言った。


 「平気だよ。とにかく、これで盗賊は全滅だな!」

 

 「ですね」


 リシャールは頷いた。

 セレットは口を抑えて泣いている。

 

 ゼンタの心は晴れていた。終わった。勝ったんだ俺たちは。


 

 「よし、カランカへ帰ろう!」




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