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何の存在アピールですか
僕はRPGと呼ばれるゲームの主人公である。
僕を操作している人間は人との交流を大切にする人だ。
今日も新しい街に到着した。
セーブゾーンで記録を残してからいつもの様に街に出て交流を始めた。
武器を買うわけでも、スキルを習得する訳でもない。
ただひたすら街の人に声をかけるのだ。
「こんにちは」
「やあ、今日もいい天気だね」
「こんにちは」
「○○くんは広場に行くって言ってたな」
「こんにちは」
「武器はうちで買って行きな!」
「こんにちは」
「海が俺を呼んでいる……」
「こんにちは」
「あー! 待って〜」
「こんにちは」
「岡の上は風が気持ちいいんだ」
「こんにちは」
「小鳥さんが鳴いてる」
全く前に進まない。
それに、今後のストーリーに必要な情報を持ってなさそうな人ばかりに声をかけるのだ。
僕は指示された人に声をかける。
もちろんそれも僕の仕事だが、せめて必要最小限に留めてもらいたい。
時間の無駄だから!!!!
声をかけたかどうか忘れて、2度、3度と同じ街人に話しかけてしまう時もあります。笑