表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

コンビニの山田です

ーー午前2時。草木も眠る丑三つ時。お腹が空いたので俺は最近出来たばかりの近くのコンビニに来ていた。


「ありがとうございましたー」


さて、家に帰るか。いや待て。トイレも行っておこう。綺麗なトイレじゃないと用を足したくない俺は初めてのコンビニに来ると必ずトイレが綺麗か確認している。3丁目のコンビニは凄く汚かった。2度といくかあんなコンビニ。


「さぁここのコンビニはどうかな」


俺はトイレへと向かった。


「おおおお」


普通に綺麗だった。まぁまだ出来たばっかりだしこれからに期待だな。新しく出来たサッカーチームでも応援するかのようなコメントを残し俺は家へ帰ろうとした。その時。


ドンッドンッ


掃除道具箱から音がする。


「なんだなんだ…?」


俺は恐る恐る掃除道具箱を開けた。


すると1人の髪の長い白い服を着た女性が。


「うわああああああ」


「バファリンー!」


「・・・」


「あ…うらめしやーでした」


「もう遅いわ!」


「 」


「バファリンは頭痛の時に使うやつだろ何と間違えてんだよ」


「すみません」


「いや謝んなくてもいいけど…」


なんだこの変な幽霊。全然怖くない。


「え、えっと君はトイレの花子さん的なやつ?でもあれって学校じゃなかったけ」


「私はコンビニの山田です」


「いや誰だよ!」


「すみません」


「いやだから謝られても」


本当になんなんだこの幽霊は。すぐ謝るし。気が弱すぎるだろ。幽霊ってみんなこうなのか?


「私はコンビニの霊で、コンビニのトイレで怖がらせるのが目的なんです」


コンビニ限定かよ。


「それで俺を驚かそうとしたと」


「はい失敗しましたけど」


「そっか」


なんか面倒くさい幽霊だなぁ。よし早く帰ろう。


「じゃあ俺は帰るから」


「待ってください!」


「え、なに」


「私今まで一度も人を驚かせた事が無くて、困ってるんです」


「うん」


「困ってるんです」


「うん」


「困ってるんです」


「うん」


「…助けるって言わないんですね」


「うん」


「いや助けてくださいよ!」


「だって面倒くさいもん」


「手伝ってくれないと不幸になる呪いをかけますよ。そのくらいは私にも出来るんですからね。ふっふっふ」


うわこいつ幽霊の特権使ってきたぞ。


「…わかったよ。でも何すればいいんだ」


「ちょっと貴方の生活を観察させて下さい何か怖がらせるヒントになるかもしれないんで」


「嫌だ」


「呪いますよ」


卑怯者め。早く成仏してしまえ。


「…わかったわかった。でも、トイレとか風呂とかそういう時には来るなよ」


「それはわかってます」


「じゃあいいよ」


「ありがとうございます!ではまた会いましょう」


もう二度と会いたくないけどな。

さぁ、帰るとするか。


ーーーーーーーー


帰宅したら山田がいた。


「あのさぁ…なんで家にいんの?」


「ずっとトイレで飽きちゃって」


「くたばれ」


「もうくたばってます」


「うるせえ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ