普通の高校生・・・・なんだぜ?
どうも、前まで、ほかの小説を書いておりましたが、ネタが尽きたのでやめました
なので新しくこの小説を始めたいと思います
みなさんどうかよろしくお願いします
コメントや、お気に入り追加をしてもらえると大変うれしいです
では!どうぞお楽しみください!(楽しめるものなのかわからないが)
『勇者』
誰もが知っているその名前
とはいっても、『勇者』にも色々ある、魔王を倒すために生まれた勇者、みんなを助けるために生まれた勇者
しかし、俺はそのどれにも当てはまらない、いや、どっちにも当てはまるのだろうか
よくわからない『勇者』になってしまった
正確には、そうさせられた、といったほうがいいだろう
俺は前まで、『勇者』という人物は生まれてくるものだと思っていた、血筋などから
しかし現実は違い、『勇者』というものは、作られるものだということを知った
なぜ知ったかって?
そんなの簡単だ
実際に俺が体験したからだ
まあ、まずは一つ一つ話していこうか
† †
とある日の朝、俺はいつもより早く目が覚めた、まだ辺りが薄暗く鶏や雀もまだ鳴いていなかった
いつもの俺だったら七時半くらいに起きて、ぎりぎり学校に間に合うくらいなのだが、その日はそうもいかなく、朝を早く起きる人は何をしているのか疑問に思った
学校の準備を済ませる、とは言っても、スクールバッグの中に教科書を詰め込んだだけなんだが、やり終えたあと、俺は何もすることがなく、ベッドの上でぐだぐだしていた
そう、俺はどこにでもいる普通の高校生、普通の学校、普通の家、父、母、妹という、どこにでもある家庭
特にこれといって得意なものはない、特殊なことも何一つなかった
ベッドの上でぐだぐだしていると、雀が外を飛び回り始めた
チュンチュンという、朝から聞くにはうざったらしいとしか思えない鳴き声を出しながら
そのうち、家の中から部屋のドアが開く音がした、母や父が起きたのであろうと俺は推測する、十六年間も一緒にいればわかるさ
その音を聞き、俺は部屋を出た
「あら、颯真がこんな時間に起きるなんて、天変地異の前触れかしらね」
「母さん、いくらなんでも天変地異は酷過ぎるぜ」
「いや、それにしてもお前が早起きとはな、父さん感心するぞ」
「親バカか?俺だって早起きくらいするさ」
やることは何もないけどな
「いまから朝ごはんの支度するから、顔洗ってらっしゃい」
「了解」
だるそうな声をだし、俺は洗面台に向かった
中央に鏡があり、脇に歯ブラシなどを入れるために棚がついている、ごく一般的な洗面台だ、蛇口をひねり水を出す
両手で水を受け止め顔につける
夏に入るちょっと前の今の時期には丁度いい冷たさだった
タオルを拾い、顔を拭く、次に歯ブラシを手に取り、歯磨き粉をつけ、歯を磨く
使っている歯磨き粉はク◇アマ◇クス、眠気が一気にとぶぜ?
くまなく磨き、口を二、三回ゆすぐ
口の中がすっきりする、流石ク◇アマ◇クス
眠気が覚めたところで、俺はリビングに戻り、ソファーに腰掛ける、低反発なソファーはとても気持ちがいい
「颯真、学校楽しいか?」
「父さん、何回目だ?そのセリフいい加減聞き飽きたぞ、いつも普通だっていってんだろ?」
「そうか……父さんがお前みたいなときはな――――――――」
聞くと長いので無視をする
父もボケが始まったか?……いやそれはないか、なんせ、まだ三十前半のはずだ、父も母も、学生の時に結婚をしたらしく、あまり年をとっていない、おかげで俺と妹の年の差は一歳だけだ
「できたわよー」
母の声とともに朝ごはんが食卓に並んだ
母がおばさん口調なのは、母親みたいにみられるため、だそうだ、そんなことしなくても、十分母親っぽいんだが
「颯真、莉麻ちゃんのこと起こしてきてくれる?」
「はいはい……」
いつもなら逆の立場なのだが、その日だけは違っていた、まあ、たまにはいいだろってことだな
階段を上り、二階に上がる、俺の部屋の隣が妹の部屋だ
妹も思春期らしく、兄の俺がこの間無断で入ったら、俺の部屋にあったエロ本をリビングに置かれるという精神的なダメージを負うことをしてきた
だが、この場合はそんなことも言ってられないだろう、何せ起こしてあげるのだから
部屋のドアをあけ、中に入る
先ほど言った通り、妹も思春期らしく、香水などを使っている、おかげで部屋は……女子が好きそうな、あまったるい香水の匂いがした
「お~い、起きろぉ莉麻~、朝だぞ~」
とてもスローな声で言ってみた
「ふあ…、ん?お兄ちゃん……?」
「そうだお前の大事なお兄ちゃん」
「……お兄ちゃんもついに」
「ついになんだよ!」
「で?どうしたの?」
「いや起こしに来たんだろうが」
「そう」
「そうって……それだけ?」
「お兄ちゃんが早起きしてる!」
「今頃かよ!」
「お兄ちゃん、年ごろの妹の部屋に、勝手に入るのはよくないと思うよ!」
「……そうだね、じゃあ朝飯だからな」
なんでだろう俺が起こしに来てやったのに
誰でも絶対にそう思うだろうと心の中で思いながら、俺は、リビングに戻った
「はやくきなさぁーい!」
味噌汁のいいにおいとともに俺は席に座る
「いただきます」
ご飯、味噌汁、サラダ、目玉焼きベーコン……、まぁ普通ですよ
母は料理がうまく、味はおいしい
朝ごはんをさっさと食べ終え、俺は学校に向かう準備をする
制服を着、ネクタイを締め、靴をはく
そうしているうちに玄関のチャイムが鳴った
「おーい颯真ぁ、いくぞー」
「おーう、琉、今行く、じゃあ母さん父さん行ってくるよー」
「はーい」
俺は玄関のドアを開け、外に出る
「よー、颯真、今日は早いんじゃねぇの?」
「……そのセリフ、さっきからめっちゃ聞いてるんだが」
「だってよ、お前いっつも俺が来てから起きるじゃん」
「間違ってねぇけどな」
こいつは幼馴染の紀陸琉、ちっさい頃からよく遊んでるまあ、親友だ
中肉中背、髪型は少しチャラめの髪型、目は活発なこいつにはあってる
なんで幼馴染が女じゃないのかって?俺が聞きたいよ
そんなこんなで俺たちは、歩いて学校に向かう
うちの学校はたいていの生徒が自転車通学なのだが、俺たちは学校から家が近いということで、徒歩で学校に行っている、毎朝こいつをしゃべっていれば、すぐ着くくらいの距離だ
「そういやさぁ、颯真、今日転校生が来るらしいぜ?しかも女子だぜ女子!」
「ふぅーん……、可愛いのか?」
「俺に聞くなよ、俺だってそんなの知ってたらいろいろ準備するさ」
「お前にはどっちにしろ無理だろうけどな、てかお前そんな情報どっからとってくるんだよ」
「ふっ、甘いぜ颯真君、今は情報が大事な社会だぜ?」
「そうかい」
「……せめてもうちょっとリアクションとろうぜ?」
「わーすごーい、そうなんだぁ!」
「・・・・・・・俺が悪かったよ」
こいつと話していると飽きが来なくてとても楽しい、流石一六年間の付き合いは違うぜ
「あっ、颯真じゃん!おはよー!」
「よー、美歌、おっはー」
「おっす橘、元気してるか?」
「いたんだ紀陸」
「ひっでぇ、何、その俺はついでみたいな言い方」
「そういったつもりなんだけど?」
「・・・・・神様、なんで僕はこんなにもいじめられるのですか」
「でもそういうのが好きなんだろ?」
「俺はマゾじゃねぇよ!」
「「え・・・・?」」
「なに不思議がってんだよ二人してよ!」
きゃはは、と笑う俺と美歌、こいつは橘美歌、こいつとは小学校からの縁だ
ロングストレートの茶髪の髪型に、カラーコンタクトをしているのかあかっぽい目、身長は女性としては大きい方である、顔だちは高校生にしては大人っぽい顔つきをしている
胸・・・・・は、うん、歩くたびに揺れると言えばわかるであろう
「ねぇー颯真ぁ、今日さ、教科書忘れちゃったから見せてくれない?」
「なんでだよ、今から戻れば間に合うんじゃね―の?」
「だって・・・・面倒くさいじゃん?」
「・・・・・・わかなくもないから貸してやるよ」
「ありがと颯真!大好き!愛してる!」
「年ごろの女が、簡単に大好きとか、愛してるとかっていうな」
「すいませぇ~ん」
「なあ、橘、俺にも大好きって言ってみて」
「奈落の底に落ちろ」
「・・・・・・・颯真、助けて俺もう生きていけない」
また二人で大笑いした
そんなこんなで、学校についた
【鳳聖凰蘭学園】
そんな目立つ文字が校門に彫ってある
私立鳳聖凰蘭学園
通称、鳳蘭
全校生徒が千五百人のそこそこ人の多い学園だ
あとはどこにでもある学園と同じ
少し違うと思われるものをあげるとすれば、噴水や、芝生があるぐらいだ
すでにいくつかの部活動は朝練を始めていた
威勢のいい掛け声から、女子たちのかわいい声などたくさんの声が聞こえてくる
そのたくさんの声の中に
「しってるぅ?今日転校生が来るんだってぇ!」
という言葉が混じっていた、ふむ、いつも思うんだがそんな情報どこで手に入れてくるんだろう、誰か俺に教えてくれ
「ほら、言ったろ?俺の言った通りだ」
さっきの会話を聞いたのだろうか、琉が俺を小突きながら言った
「まだわかんねぇだろ?本当にくるのかも」
そうは言いつつも、俺は少しだけ期待をしていた
教室につき特にすることもなく、机に突っ伏していた
机は横に長いもので、二人で一つの割合で使っていく、俺の隣はもちろん琉
「俺ちょっと寝るから、先公来たらいってくれよ」
「あいよ」
俺は琉にそういい残し、闇の中にフェードアウトしていった
† †
「・・・・・そう・・・・・・・・そうま・・・・・・・・・颯真!起きろ!先生来たぞ!」
「・・・・・あ、うん」
耳元で大きな声を出された俺は、目をこすりながら起きた、周りを見ると生徒が全員来ており、すでに前を見ていた
「皆さんに今日は、いいお知らせがあります」
クラスの何人かの男子が先生を煽るように、ヒューヒューと言っていた
「なんと、このクラスに転校生が来ます!」
「まじだったのかよ・・・・・」
琉にしか聞こえない声で俺は言った
「な?いったろ?俺の情報は正しいって」
「いやお前は言った通りだとは言ってたが、正しいとは・・・・・」
「・・・・・面倒くせぇなお前」
「よく言われるよ」
そんなガキっぽい会話を済ませ、前のドアを見ていた
するとガラガラと音を立て開くドア
そしそこから出てきた、一人の女性
外国人を思わせるようなきれいな金髪、すらっと長い身長、美歌といい勝負をするのではないかと思わせる胸、そして細い脚
パーフェクト
俺の頭にはそんな文字が浮かんでいた
「國津愛唯といいます、よろしくお願いします」
男子どものウォオオオオオオという雄叫びがクラスを響かせた
え、いや俺はやってませんよ?嘘じゃないですほんとです
「静かにしろー!」
先生の一言でみんなが黙る、こういうときって先生ってやっぱり強いなと思うよな
「あーじゃあ、國津さんは・・・・・」
「せんせぇー、私の隣あいてますよー!」
「おっ、そうか、じゃあ國津さん、橘さんの隣に行ってください」
「はい、わかりました」
緊張しているのかはわからないが、すこし固い気がする、もしくはそういう性格なのか?
通り過ぎていく國津さんを男子どもはがん見していた、俺は決してそういうことはしなかったが、隣にいた琉はほかの男子生徒と同じくガン見していた、その様子を女子生徒は蔑みの目で見ていた、まぁ、そりゃそうですよねー
「ほらーお前ら國津さんが困ってるだろ、さっさとホームルーム始めるぞ!」
先生のはっきりした声で生徒全員がきちっと前を向いた
「では、まず今日の――――」
よし寝よう、眠いわ、うん眠い
「琉悪い、俺朝早かったから眠いから寝るわ、んじゃ」
「了解、何時限目に起こせばいい?」
「・・・・体育って何時限目?」
「三時限目」
「じゃあその時に起こしてくれ」
「あいよ、お休み」
起こしてもらう時間を決め、その時何をしようかなー、などと考えていたら、いつの間にか俺は睡魔にやられていた
† †
視界と身体、どちらもぐわんぐわんと揺れた
「うおい!颯真!颯真!お前いい加減起きろ!」
「ん、あぁ、おう」
またまた眠たい目をこすりながら起きる、頬がなんか痛いなと思ったら、机の跡がくっきるのこっていた
「おい、颯真!さっさと目ぇ覚まして、体育館行くぞ!今日はバスケだとよ!」
「おう」
「寝ぼけてんなよ!」
「おう」
「・・・・・一+一は?」
「二」
「答えんのかよ!まぁいい、さっさと行くぞ!」
「わかった」
まだ完全に脳が起きていないのか、体が重たいが、俺は琉と一緒に体育館に向かった
俺たちのクラスは三階、体育館につながる道は一階、というわけで俺たちは階段を下りる
一階につくころには、脳が完璧に起きたようで、体も軽かった
渡り廊下を渡り、あ、いえ、ダジャレじゃないですよ?
体育館に向かう
体育館の中では、すでに体育指導の先生が来ていた、この先生が意外と恐くて、みんなきっちりしていた
俺たちは遅く到着したせいか、かるく睨まれたが、何事もなかったように列の中に入っていった
「・・・・・・雨宮、紀陸、お前ら二人で体育館の周り五周走ってこい、三分以内でな」
「そりゃ無理でしょ先生」
「まったくその通りだぜ・・・・・こっちは起きたばっかなんだぞ・・・・・」
「異論は認めん、さぁ走れ」
「だから待てって―――」
「よーいスタート」
「「うおい!てめぇ本当に先公かよ!」」
俺と琉は走り出すとともに、赤城先生という名の悪魔につっこみをいれた
体育館の中は結構広々としていて、一周走るにも結構時間がかかった
そんな俺たちの気も知らずに、ほかの生徒たちは俺たちを見て爆笑していた、なんてひどい奴らなんだろう、まったく
文句を言いつつも俺と琉は走り終えた
「ふむ本当に三分で終わらせるとはな、少しびっくりしたわ」
「「お前が言ったんだろうが!」」
俺と琉の怒鳴り声が体育館中に響いた
「ほら、お前らさっさと列の中に入れ、バスケットのチームが発表できないだろ」
俺と琉はもう何も言うことはなかった、というよりは、もう何を言ってもだめだろうということを把握した
疲れた足で列の中に入る、周りの生徒たちがまだ笑っている、いい加減にしとけよ
列に入ってきちんと並んだ状態になると、悪魔が話し始めた
「じゃあ、今日はバスケットボールをするからな、チームは五人組み、その五人組はお前たちで決めろ!」
「最終的に俺らが決めんじゃねぇかよ!お前さっきチーム発表ができないとか言ってただろうが!」
「おい雨宮、先生に向かってお前ってなんだお前って」
「お前はお前だからお前なんだよ、お前に先生なんていうか」
「今先生って―――」
「餓鬼か!」
「というわけでお前ら今からチーム作れー時間は二分な、はい作れ」
「・・・・・・もう疲れた」
「颯真ぁ!ウチ達と組まない?」
威勢のいい声が後ろから聞こえてきた、振り向くとそこには、美歌、琉がいた
「おう!いいぜー」
「あと二人はどうするんだ?」
「うーん・・・・・どうしようねぇ、そこまで考えてなかったぁ」
「そうだな・・・・・、あっ!おい、珀!お前俺たちのチームはいらない?」
「あ、颯真君・・・・・僕なんかでいいなら」
「全然オッケーだよ!たしか珀君ってバスケ部よね?」
「うっうん、でもそこまで力になれるかわかんないよ?」
「あー大丈夫だ、その時は俺が―――」
「いやお前は頼りにはならないんじゃないか?琉」
「・・・・・・・あーあ、扱いがひどいなー」
「あと一人ね!誰かいないか・・・・・・あっ!愛唯ちゃん!ウチ達のチームはいらない?」
「え・・・・・、わっ私、運動音痴だけど・・・・」
「全然構わねぇよ、体育なんて、楽しむものだろ?一緒に楽しもうぜ!」
「あっ、うっうん、ありがとうございます・・・・・」
「敬語は使わなくていいよ、どうせ俺たちも使わないと思うしさ、な?颯真」
「確かに俺と美歌と珀は使わないかもしれないけど、下級な琉は・・・・・」
「なぁ本気で泣いちゃうぞ、俺本気で」
そんなときクスクスと笑う声がした、その方を向くと、愛唯さんが笑っていた
「あっ、愛唯ちゃん笑うと印象変わるね!とってもかわいい!」
「本当に可愛いな、結構おとなしめだと思ってたから、がらりと印象変わったな」
「えっ、そっそんなことないよ・・・・・」
すこし顔を赤らめて下を向く愛唯さん、この子可愛いなオイ
「とりあえず、五人決まったな」
「そうだな」
「そうね」
「そうだね」
「うっうん」
どうしようか迷っていたとき
「はい!終了、お前ら決まったかー?代表者決めて、俺のところまで来い!」
悪魔・・・・・もとい赤城先生が叫んでいた
「代表か誰にする?」
「颯真!」
「颯真が一番いいんじゃない?」
「僕も颯真君がいいと思う」
「私も・・・・」
「・・・・・そうかい、んじゃ行ってくる・・・・・」
なぜかみんな団結し俺を推薦してきた、俺のどこがいいのかな、責任感ゼロ、運動能力は並、勉強も並、俺を選ぶなら珀のほうがいいだろうに
だるそうにゆっくり歩いていると、赤城先生の周りに数人集まっていた
「おい、雨宮、さっさと来い」
「・・・・・うい」
気だるそうな声をだし俺は軽い駆け足で赤城先生のところに向かった
「一、二、三、四、五、六、よし全員いるな、というわけでお前らにはここでジャンケンをしてもらう、勝った順から横に並んで行け」
先生が言い終わると、俺とその他五人は丸くなり、ジャンケンを始めた
「最初はグー、ジャンケン、ぽい!」
誰かが掛け声を出していた、それに合わせてみんなが手を突き出す
グーが三人、チョキが二人、パーが一人、ちなみにパーが俺だ、みんなからお前・・・・という感じの目で見られたが、特に気にしないことにする
「あいこで、しょ!」
また、誰かの掛け声で俺たちは手を突き出した
グーが四人、チョキが一人、パーが一人
ちなみに今回はグーを出した
「ちょっとまて、きまんねぇから、こっち側とこっち側にわけてやろうぜ」
決まらなかったので俺が言い出した、三人集まったところで、再度ジャンケン
「ジャンケンぽい!」
チョキが二人、グーが一人
なんと、俺がグーだったので勝ってしまった、思わず
「おっ、勝ったわ」
と口にしてしまった
俺は勝ったので、一番前に並ぶ、すると決着がついたのか、次々に俺の後ろに並ぶ
「おし、決まったな、じゃあ雨宮から順に、一班、二班、三班、四班、五班、六班だ、まず一番最初は、一班対五班と三班対六班、一班と五班はステージ側のコートをつかえ、三班と六班は入り口側のコート、残りの班は審判をやれ、いいな?わかったら行け!」
他の生徒はきびきびと動くのに対し、俺はだらけながら、ほかのメンバーが待つ場所に行った
「どうだったー、颯真!」
「ん・・・・、ステージ側のコート第一試合目」
「早速だね・・・・・、僕頑張るよ」
「おう、頼りにしてるぜ珀、じゃあ行くか」
俺以外のメンバーがうん、というのを聞いて俺はステージ側コートに向かった
† †
これ以上のことを書くと、ほかのジャンルになりそうなのでやめておこう
何のことかって、うんまぁ、把握してくれっ!
結果は六十一対四十八で俺たちの勝ちだった、珀が華麗なるドリブルや、レイアップシュート、スリーポイントシュートまで見せてくれた
俺と琉はとりあえずディフェンス側についてた、ひたすらボールをカットするのだが、やっぱり難しかった
美歌は、身長を生かしたシュートなどで、攻めの方に行っていた
愛唯さんは、運動音痴などと言っていたが、きびきびした動きをしていた、まるで何かを経験しているような、特に驚いたのが、俺と琉が抜かされたドリブルを、いとも簡単に止めたことだった、相手も切り替えしてきたのだが、素早いフットワークで目の前にいき、ボールをはじいていた
そんな姿を俺と琉はガン見していた、あ、いえ、別に変な意味でじゃないですよ
そんなこんなで、体育の授業は終わった、その後は普通に授業を受け、弁当食べ、学校生活を過ごした
そして放課後
俺と琉は帰る用意をしていた、俺達は面倒だという理由で帰宅部に入った、美歌はというと、小学校のころからやっているバレーボールを高校でもやっている、幼いころからの積み重ねが実っているのか、一年生唯一のレギュラーに選ばれたそうだ、そういうところは素直に流石だな、と思う
今日も普通に普通の学校生活が終わった、玄関で靴を換え、外に出る心地よい風が頬に当たる、太陽もいい感じに照らしてくれている
「さて、颯真帰るか」
「だな」
そう言い、俺達は歩き始めた、いや正確には歩き始めようとした時だった
「あの、雨宮君・・・・・?でしたよね」
不意に後ろから名前を呼ばれ、俺はすかさず、後ろを振り向く、するとそこにはパーフェクト転校生、愛唯さんがいた
「そうだけど・・・・・、どうしたんだ?」
「あ、まさか告白とか?」
琉が茶化すように言ったので、俺は琉の脇腹を肘で打った、「ぐぱっ」という声と共に琉はその場にしゃがみ込んだ
「あの、いきなりで悪いんですけれども・・・・・、この学校で、一番人目につかないところってあります?」
・・・・・なぜそんなことを聞くのだろう?
そう思ったが、私情に口を出すほど性根は腐ってない
「うーん、そうだな、校舎の屋上とか、体育館倉庫とかかな、でも今は体育館倉庫はやめたほうがいいぞ、部活で使っているやつらもいるからもしれないからよ」
「ありがとうございます!雨宮君!」
「あー、あと愛唯さん、普通に颯真って呼んでもらって構わないよ、なんか雨宮って呼ばれると、歯がゆい」
「え・・・・っと、わっ・・・・わかりました、ありがとうございます、颯真君」
「おう、じゃあな」
「はいっさようなら」
小さく手を振る愛唯さんは俺の目にとても可愛らしく映った、俺が歩き始めると、愛唯さんは後者の方に走って行った
「お・・・・・い、待てよ・・・・・・・」
何か後ろで声が聞こえたので振り向いてみると、そこにはうずくまっている琉がいた!不思議だな、なんでうずくまっているんだろう
「おい、どうしたんだよ琉、さっさと行くぞ」
「てめぇが俺に肘打ちしたんだろうが!」
「だっけ?ほら行くぞ」
「理不尽だな、泣きたくなるぜ」
そんなしょうもない会話をしながら俺たちは下校するのであった
† †
(颯真君って優しい人・・・・・)
心の中で私はそう思う、今まで何度かある事情で転校してきた、そのたびに私は初めて会った人たちに同じ質問をしていた、みんな教えてくれるのは教えてくれたのだが、少し気味悪がっていた
しかし彼はそんな顔をしなかった
(だけど、なんだろうこの気持ち、今までとは何か違う)
心がちくちくするような痛みが今はある
だが、私はそんなことも言っていられない、やらなくてはいけないことがあるから
(確かこの階段を上がれば、屋上が)
階段を上がりきると、大きなドアがあった、ドアノブに手をかけ回し押す
ギィィィと重い音がすると同時に、大きなドアが開く、暖かい風と日差しが私を迎えてくれていた
そこで私はある事をする、アニメじみた、誰も信じてくれないような事を
「レイレちゃん、交信をお願い」
「分かった!」
どこからか小さく可愛い生物が現れた、この世に存在する生物では説明できない、とても可愛らしい生物が
その生物・・・・・レイレは、光り輝くと、可愛らしい、アニメ声で
「ネットワークОK、勇者育成所との交信をします」
ブーというノイズが一瞬聞こえると、私の頭の中に声が響く
「認証開始・・・・・・・・認証完了、勇者レイン、転送を開始します」
「・・・・・はい」
今から私は國津愛唯ではなく、勇者、レイン・エイファランになる
もう一度ブーというノイズが聞こえると、レイレの光が増し、私は屋上から消えた
† †
「でよ!今日の授業で相沢のやつ、野蛮人に怒られてやんの!マジ笑ったぜ?お前もおきてりゃよかったのに」
「マジかよ・・・・・そればっかりは見たかったな」
俺は琉と共に学園を出て数百メートルのところにいる
まだ後ろを見れば学園が大きく見えるくらいの距離だった
「てか、お前寝てたからわかんないだろうが、来週に古典テストがあるらしいぞ」
「え、ガチ?それ、俺古典無理なんだけど・・・・・・」
「ふっ、しょうがねぇな、今度俺が教えに―――――」
「美歌が確か古典得意だったな、今度教えてもらうか」
「俺の!俺の!俺の話を聞いてくれよ!」
「ちょっと歌ってんじゃねぇよ」
怒られるだろ、いろいろな意味で
そんなとき、俺はふと、さっきの愛唯さんとの会話を思い出し、学園の屋上を見てみた
その時だった、屋上から何か眩い光が発せられた
あまりにも眩しく、俺は目を閉じた
(・・・・・っ!なんだ?)
心の中でそう思いながら、ゆっくりと目を開け、屋上を見るが、なにもない
(気のせいか?)
「どうした?颯真、なんか真面目な顔して」
「いや、なんでもね」
「なんだよ隠し事かよ、言えよ気になるだろ」
「いや、俺の部屋のエロ本、妹に漁られてないかなと思って」
「・・・・・・そんなことを真面目に考えていたのかお前は」
「そうだが?」
「いろいろ苦労してんだなお前も」
「やっとわかったか」
気にしてもしょうがない、俺はそう思い足を速め、家に向かった
「颯真の家とうちゃぁーく!」
「どっちにしろお前の家もすぐ隣だろうが」
「じゃあ、俺の家にもとうちゃぁーく!」
さて家の中に入るか
玄関のドアを開け、玄関で靴を脱ぎ、二階に上る、ちなみにいうと、階段を上りきってすぐ右にある部屋が妹の、その先にあるのが俺の部屋だ
両親たちは一階に二人で寝ている、そのため部屋は広い
俺は部屋に入り、荷物を机のわきに置き、制服を脱ぎ、ハンガーにかけ、私服に着替える
私服といっても普段着だ、結構ラフな格好をしている
ワイシャツを片手に下に降り、洗濯機の中にぶち込む、冷蔵庫をあさり、飲み物を片手にまた部屋に戻る
飲み物をベッド付近に置き、ベッドにうつ伏せになる
何もすることがない、かといって、勉強をする気にもならない
とりあえずグダグダしていた、漫画を読み漁ったり、ファッション関係の雑誌を読んだり
何時間か経ち、俺はベッドに横になった
家には今の時間帯は誰もいない、父は会社、母はパートをしている、妹はというと、この時間帯にいないなら、たぶん遊びに行っている
やることはあらかたやったので、俺は外を見ていた
今の時刻はだいたい五時半、辺りが夕焼けに染まっている
こういう風に感傷に浸っているのも悪くないなーと思っている矢先だった
窓の向こう側で先刻みた光がもう一度見えた
「あれはっ・・・・!」
思わず声に出してしまうほどの出来事だった、一度ならわかるが、二度
流石に無視することはできなかったので、すぐさま玄関に向かい、家を出て、光が見えた方向に走った
夕日に向かって走った!といってもいいだろう、方向が一緒だったからな
なんかカッコよくね
そんなことも考えつつ、俺は光が発せられた場所についた、するとそこには一人の女性がいた、そして俺はその女性に見覚えがあった
「愛唯さん?だよな、ここで何してるんだ?」
「そっ颯真君?なっなんでここにいるの?」
「こっちが質問してるのに、質問してくるなよ」
苦笑しながら俺は言った
「ごっごめん・・・・・・、とっ特に何もないよ、ただ散歩していただけ」
「そうなのか?それならちょっと聞いてもいいか?」
「なっなに?」
「愛唯さんさ、多分場所ここであってると思うんだけど、光見えなかった?」
俺の一言に、愛唯さんは衝撃を受けていた
「な・・・・・・、いっいや、私は見てないけど」
動揺であたふたしている、・・・・・・わっかりやすいなこの子
「いやさぁ、その光学校の屋上でも見えたんだよね、なんだかわかる?」
「あーっ!私、ちょっと用事があったから、じゃっじゃあね!」
俺の横を走り去ろうとする愛唯さんの腕を俺は掴んだ
「っ!」
「なあ、転校初日に、しかもあったばっかで疑って悪いんだけどさ、わかってるよね、愛唯さん」
「・・・・・・どうしようレイレちゃん」
どうしよう、小声で全然聞こえないわ
「・・・・・・・送るしかないんじゃない?」
「でっでも、彼は、無関係だよ?」
「愛唯も無関係だったでしょ」
「確かにそうだけど、でもぉ~・・・・」
「じゃないとこっちの世界がばれちゃうんだよ?」
「・・・・・・わかったよ」
話が終わったのか、愛唯さんは俺の方にゆっくり歩み寄ってきた
「ごめんね、颯真君、本当は・・・・・こんなことしたくないんだけど」
最悪なセリフと共に俺の目の前は真っ暗になった