まだ決まってません・・・
タイトルが決まってなくて申し訳ないです。
無我夢中で描いていたので・・・。
決まったら、改めてタイトルを記入するので、そこのところは御了承願います。
あと、脱字や間違えて使っている漢字があっても、スルーでお願いします・・・。
〜序章〜
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「あ〜あ、退屈だな〜」
私は、ミリーナ=サクンチュアリ。誰も相手にしてくれず、すねて薔薇園を歩いている。
「あー!もう!どうして誰も相手にしてくれないのよ〜!あー。退屈だな」
すると、後ろからやけに慌てる召使に声をかけられた。
「姫君!はぁはぁ!捜しましたよ!いったいどこにいらしたのですか!はぁはぁ!」
私は、驚いたがいつもの事だ。
いつも私がここにいるという事に気付かず、王宮や城の中を捜し回ったあげく、こんなに息が切れたのだろう。この光景を見るのも私の楽しみだ。
「で、何か用? 」
「はぁはぁ。はい。ミリーナ様。王女がお呼びです。少々お怒りの御様子ですので、急いで行かれた方が宜しいかと…。」
「嘘!?急いで行かなきゃ!」
何故私がこんなに慌てるかと言うと、
この都の王女である母は凄く厳しくて私の自由は無い。だからいつもこうして抜け出して薔薇園にいるのだ。だが、どうやら堪忍袋の尾が切れたらしくお怒りらしい。
実はこれで3回目だ。1回目は素直に帰ったのだが、檻に監禁された。しかも、毎日五時間に及ぶ説教があった。その説教は指名された召使がそれを言うのだ。そのときは、かなりプライドというモノを傷つけられた。
2回目は恐くて逃げたが、すぐに捕え母は容赦なく私を檻に閉じ込めた。しかも食事は水のみ。だから、帰らなければ何をされるか分からないのだ。考えるだけで鳥肌が立つ…
――王宮
「はぁ…。ミリーナ!貴女はどこまで私達を困らせる!罰として、薔薇園への入室を禁じます」
王女の怒鳴り声が辺りに響く。私はこの怒鳴り声に弱く、どうしても涙目になり怯えてしまう。
「!ごめんなさい。でも、私はこのような自由の無い生活は嫌です。たまには一日程の合間くらい…」
母は、怒りで顔は醜く歪んでいた。
「御黙り!ミリーナ!その言葉は聞き飽きました。だいたい私達は神の末裔であり、代々王の座を受け継いで来たのです。
それをなんですか?貴女は私の言う事を聞かず毎日毎日…」
どうして?
私には、いつも優しかったじゃない・・・?
母がこんなになったのは、国王、すなわち私の父が死んでから。
私に八つ当たりしてるんだって。父を失った苦しみを押さえきれないから。
そう、家臣達が密かにつぶやいてるのをなんどか聞いた。
私は母の言葉に我慢が出来なくなった。
わがまま過ぎるわ。神様がなによ。くだらないわ。否定してやる!こんなの認めるもんですか!
いくら、父を失ったからって・・・!
暫く沈黙が続く中で、私は心の怒りを口に出した。
「ねぇ、どうして?」
「なんですか?ミリーナ?」
「私には、父様の過去だって知らないけど。どうしてそれなのに私に怒りをぶつけてくるの?!
そんなこと否定してやるわ!大体、今日は稽古事だってきちんと済まして、薔薇園に行ってるのに、何文句あるの?
私はただ普通にしていたいだけなのに?!
どうして…?どうして自由はイケないの?用意された、幸せ、お見合い、召使、家庭教師。こんなのうんざりよ!
それに母様。祖先祖先ってうるさいわ。言い訳ばかり。こんなの…、自由を奪う理由にはならないわ!否定してなにが悪いのよ!?」
「まだその様な事を…。否定出来ぬ事実を認めよ!ミリーナ=サンクチュアリ!私達の祖先は…!」
「ならば私は否定する!事実を否定します!もしも抗えぬ事実ならば私は王妃を継がない!」
すると、母は気味悪い笑みを浮べて私を見る。
「あらそうですか?私が、ミリーナぐらいの時は、キッチリと母のいうことをこなしました。自由を求めずにね〜。貴女が私の様に成れず残念だわ〜♪アハハハ!!ハハハ。まあでも、貴女は王妃を継がないわけにもいきませんからね。」
母は、私を小馬鹿にしながら笑い涙を指で優雅に掬い取る。
私はもう口が勝手に動いていた。
「もう…!いい加減にしなさいよ。………否定してやる。とことん否定してやるわよ…!貴女の言葉全てを否定してやるんだから!」
私は涙を見せぬ為に宛てもなく駆け出した。
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――その後の王宮
「チターニャ様。少々言い過ぎでは?それに、まだ御身体の御様子が回復に向ってないではありませんか?怒鳴ったりしたら悪化しますよ?」
心配した召使が、手を触れようとしたその時、
王女、チターニャは、勇しく気高く言った。
「触るな!我が身を案ずる事は良いが、我に対する無礼を慎め!それに…我はまだ生きれる。我が娘ミリーナの王妃誕生まで見守るのだよ。その時まではまだ…」
召使は困った様子でチターニャに跪く。
「申し訳ございません。チターニャ様。」
その瞬間。
醜い音が辺りに響き、召使が顔を上げたときには、吐き出されたモノが顔につく。それは『血』だった。
『ゴホゴホ!ゴホ!っ!』
チターニャの手には血がべっとりとついている。
「チターニャ様!御身体の御様子が…!今医者を!」
「構うなっ!私…は……へ…ぃ気だ…!…だか…ら、下…がれ…!」
さっきの咳のせいで息が続かないのか声がかすれてきていた。しかし、必死で、命令を紡いだ。
「しかし…チターニャ様…」
「こ…う言わなきゃ分からぬ…か!……下がれっ!」
「…分かりました。しかし、無理をせずに…」
召使は俯き心配しながらもドアを閉める。
チターニャは、安心したかのように深呼吸をした。
「は…!心配し過ぎが、やはりここの召使の悪き癖だ。はぁ…。ミリーナのアレくらいの態度ならば、安心して逝けるかも知れぬ。
少々、眠たい…なぁ…」
チターニャは天の光に照らされ安らかに目を瞑った。
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――薔薇園抜け口(ミリーナ視点)
私は、歩きながら泣いていた。気付いた時にはもう、涙が止まらなかった。
「何よ!御母様なんか…。母様なんか……。大嫌いだ…。」
そう呟いたその時、誰かにぶつかった。
『ドン』
「あっ!申し訳ありません。大丈夫でございますか?」
男が手を差し延べる。
私はまだ意識が朦朧していたけど、手に捕まり立ち上がる。
「あ、どうもありがとう。私の方こそぼーっとしててごめんなさい…。」
私はペコリとお辞儀をして改めて彼の顔を見る。彼の姿は、スラリとした体型に、小麦色に輝く髪に隠れた優しげに見える瞳には勇ましい光が宿っている。彼は少し不思議そうな目で私を見ていた。
「あの、何かあったのですか?」
「え?」
「いえ、貴女の顔が涙に濡れていらっしゃるから」
私は急に恥ずかしくなった。
「い、いえ。なんでもないの。」
私は静かに瞳に溜まった雫を人指し指で掬いとる。
その時、
「ミリーナ様!ミリーナ様!捜しました!ミリーナ様!ぜぇぜぇ…」
やけに慌てている。いつもなら、ぜぇぜぇ言わないし。
私は緊急時だと判断した。
でも、これはただの余興に過ぎなかった。