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○退院


 眞一郎が巻き込まれた事件から、数日が経過した。

依然、犯人は捕まっておらず、手掛かりすら、つかめない状況だった。

しかし、そんな状況の中でも、眞一郎が無事に退院する事になった。

そして、今日は、一斗の家で退院祝いをする。

と、言っても一斗と眞一郎の二人だけでするのだが……。

『退院、おめでとう。』

『ありがとう。これで、無事に明日から楽しい楽しい高校生ライフが楽しめるよ。』

テンションの高い眞一郎。

しかし、一斗から衝撃的な言葉が返ってきた。

『明日、振替で学校は休みだけどな。』

その言葉にショックを受けた眞一郎だった。

『マジ?冗談じゃぁないのか……。』

『マジ。ウソついても意味ないだろぉ。それに、明日休みだからこんな時間から祝ってるんだろうが。』

現在の時刻は23時過ぎ。しかも、木曜日で次の日が休みと言う事は、金、土、日と、3連休になるので、眞一郎の楽しみにしている高校生ライフは3日間、お預けとなる。

ちなみに、退院祝いがこんなに遅い時間から始まる原因を作ったのは一斗だった。



さかのぼる事、6時間前。

一斗は、学校帰りに退院祝いで飲んだり、食べたりするためのジュースやお菓子を買いに、コンビニに寄っていた。

いろいろ物色していたところ、横から話しかけられた。

『今日は大事な日じゃぁないのかい。』

一斗が声の主の方向を見ると、そこにいたのは、石井だった。

一斗は石井を見たが、無視して、商品を選び始めた。

『ホントに君は人と関わる事を極端に避けるね。少し、話す時間をくれないかい。』

石井の言葉に一斗は相変わらず、無視をする。

しかし、石井がその後もいろいろと話しかけてくるので、うっとうしくなってきた一斗は少しだけと言う条件で、話すことにした。

場所は、石井がコンビニの中は迷惑がかかるからと、近くの喫茶店になった。

『で、話しって、なんですか?』

かなり、機嫌の悪くなっている一斗。

『とりあえず、何がいい?』

一斗の機嫌の悪さなど、気にすることなくメニューを差し出す。

『ん、いりません。』

睨みつけながら言う一斗。

『いらないのかい。遠慮しなくてもいいんだよ。』

全く一斗の気持ちを理解していない様子の石井。

『いりません。早く帰りたいので手短に話しをしてくれませんか?』

まだ我慢をしている一斗。

『コーヒー2つお願いします。』

一斗の言葉を無視して店員に注文をする石井。しかし、石井は自分の言葉の後の一斗の仕草などをさり気なくチェックしていた。

『あのぉ、オレの話し聞いてますか?』

机の上を右手中指で小刻みにトントンしながら言う一斗。かなり、イライラしているのがハッキリと分かる仕草をしている。

その姿を見て石井が言葉を発した。

『君は思っている事がすぐに態度にでるね。』

真顔で言う石井。

その顔を見て一斗も真剣な顔で石井を見た。



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