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●バカ


 一斗の胸ぐらを掴んだ島田は一斗が睨み付けている目を睨み返した。

『もう一度言ってみろ。』

『一回で聞き取れ。このバカ。』

次の瞬間、島田は一斗をおもいっきりぶん殴った。

一斗はおもいっきりぶっ飛んだ。

『脳のないヤツはすぐ手を出す。』

この一斗の言葉に全員が一斗を囲みこみ、一斉に座り込んだ一斗を蹴り始めた。

『やめろ。』

島田の一声で全員が蹴るのをやめた。

『不様だな。何一つ抵抗しないとわ……。』

そして、笑い出した。

『バカには一生分かるわけないね。』

一斗も最後に笑った。

『なに笑ってんだよ。』

と、同時に踏みつけようとした。

『そこまでにしときな。』

その言葉に島田の足が止まった。

島田達は、一斉に声のする方向を見た。そこには、同じ制服を着ている青年が立っていた。

『行くぞ。』

島田は、校舎の方へと歩き出した。

『島田さん。どうしたんですか?』

『なんで、途中でやめるんですか?』

一斉に島田の周りにいた連中が島田に言う。

『黙れ。でないと、お前を殴る。』

その言葉に、連中は、島田に話しかけるのをやめ、島田の後を追った。

『大丈夫かい?』

一斗の傍に寄り、手を差し出す。

しかし、一斗は、その手に触れることなく座り込んだ。

『オレから見ると、キミの方がバカだと思うよ。』

青年は、微笑みながら言った。

しかし、一斗は相手にしなかった。

『無視かい?それでも構わないけど、今日は帰った方がいいと思うよ。』

『言われなくても分かってる。』

一斗がようやく反論をした。

『家の車で送ろうか?』

『もぉ、話しかけるな。』

一斗はそのまま、校門の方へ歩いて行った。

『時期社長にしては言葉使いが全くできていないなぁ~。』

謎の青年はその言葉だけ呟くと校舎へ歩いて行った。



 一斗は家に着くなり、ベッドに倒れ込んだ。そして、島田に言われたことを思い出し、涙が溢れてきた。島田に言われなくても愼一郎の事に関しては自分が一番理解していた。自分のワガママによって起きてしまった事件だと、一斗は自分自身を責めていた。

しばらくすると、一斗は眠りについた。



 目を覚ますと、目の前にはチビが丸くなって寝ていた。一斗はその姿を見て和んだ。しばらく、チビの頭を撫でているとケータイが鳴った。

ケータイを見ると眞一郎からのメールだった。内容を確認すると。

『ヒマ……。遊びに来いよ。』

と、言う内容だった。

一斗はすぐに返信を出した。

『行く。』

と。



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