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○お見舞い


 その声を聞いて一斗はベッドに近寄る。

近寄って一斗の視界に入ってきた光景は少しやつれている眞一郎の顔だった。

『よ。』

眞一郎は普段と変わらない接し方をしてくる。

『シン……ゴメン……。』

謝る一斗。

『お前のせいじゃないよ。だから、次謝ったりしたらぶん殴る。』

笑顔で言う。

『話しが盛り上がっているところ悪いんですが、ベッドを移したいので、続きはそれからでよろしいですか。』

看護士が言う。

そして、眞一郎はベッドを移された。

医者と看護士がいなくなり、病室は一斗と眞一郎の二人だけになった。

『一斗、お前、学校は?』

『学校はズル休みだな。』

笑いながら答える。

『オレのためにズル休みしてくれたのか。』

『イヤ、昨日、病院から電話があったんだけど、気付かずに寝てて、夜気が付いて電話したら、シンの意識が戻った事を知らされて、慌てて出てきたんだけど、入れてくれなくて、病院の敷地内にあるベンチで知らない間に眠ってただけ。』

と、昨日からの経緯を説明すると、爆笑をし始めた。が、傷口はまだまだ閉じていないので、お腹に負担のかかる笑い方は当然NG。そして、笑いたいが眞一郎は傷口が痛くて笑える状態ではなくなった。

最初は笑い涙だったのが、今は痛みで涙が溢れている。

『大丈夫か?誰か呼ぼうか?』

あたふたしながらも心配する一斗。

『大丈夫。これも隠し事していた天罰だな。』

目線が下向きになる。

『シン……。』

『ありがとうな。先生から全部聞いたから。』

泣くのを我慢している眞一郎。目にはまた違う涙が込み上げていた。

『気にすんな。それに隠してた事聞いたときはショックだったけど、自分が同じ境遇ならオレもシンと同じ行動していたと思うし。ただ、一つ違うけどね。お前みたいに普段通りみんなに接することはできなかったと思う。お前、凄いよ。』

『一斗……。』

眞一郎の目からとうとう涙が溢れだした。

『泣くなよ。生まれて初めてお前を褒めてんだぞ。』

一斗の目からも涙が流れていた。が、顔わ笑顔だった。

『サンキュー。でも、今だけは泣かせてくれ。』

『そんなキャラじゃ無いのにな。』

普段は眞一郎の方が冗談を言うのだが、今日は一斗が必死に冗談を言っている。



 しばらくしてようやく落ち着いた。

コンコン。

部屋のドアがノックされた。

『はい。』

眞一郎が返事をする。

『失礼します。』

看護士が入ってきた。

『宮野さんに警察の方がお話を聞きたいとお見えになっているのですが、お通しして構いませんか?』

『あ、いいですよ。その代わり、一斗は警察の人がいる間、病室から出て、どっかに行っててくれないか。』

一斗に自分が打たれた経緯を知られたくない眞一郎の思いが込められていた。

『分かった。じゃぁ、売店行って何か買ってくるよ。見舞いの品持って来なかったし。』

眞一郎の考えが一瞬にして分かった一斗は素直に眞一郎の言うことを聞いた。

そして、一斗と入れ替わりで、警察が病室に入っていった。



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