親友のいない僕
僕には親友と呼べる者がいない。
誰にでも気を遣ってしまう僕は、親や兄弟、恋人にだって心を開くことが出来ない。
そんな僕に親友なんて出来るはずがない。
友人と呼べる者はいる。
僕が弱っている時、共に酒を飲んでくれる友だ。
そんな優しき友にでさえ、僕は心を開くことが出来ない。
そう、僕の考える親友とは、何でも語り合える、心を開ける存在なのだ。
何故、僕はこんなにも心を開くのを躊躇ってしまうのか。
それは自分の本性が醜いと分かっているからだ。
醜い自分を晒し、捨てられるのが怖いのだ。
真の自分を晒し、たとえそれが醜いものだったとしても、包み込んでくれるのが親友ではないのか。
その様に考えることもある。
しかし、もし受け入れられなかったら?
僕は親友を得ることが出来ないだけでなく、友を失うことにもなる。
それならば友のままで居てもらいたい。
僕には友を信じ抜く強さも欠如しているということだろう。
僕はこのまま、親友と呼べる者がいないまま、友に囲まれながら死んでいくのだろう。
 




