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第5話 “どうぞう”の奇跡!勘違いから始まるぽんこつバディ♪

やっと、“願叶え神”わしの出番やないかぁ~い♪

ずいぶん待ったでぇ~♡


『神様!ハウス!!』


『ゴラァ!まのん!!犬ちゃうわ!!』


『っと言いながら、小屋に入るな!!』


今日は、3か月かけて貯めた2万円を握りしめてお出かけよ♡

お目当ては──1万5千円の“アレ”!


ついでに、スーパーで九州醤油ポテチとダイエットコーラを買って、

今日は宴会よ♡


心苦しいけど、愛しの秋葉原を通過して上野へ直行!

だって今日は、アニメやゲームと並ぶくらい大好きな

“あの人”のアレを買うのだから♡


「うえの~うえの~」


西郷隆盛様の銅像の前に立つと、胸が高鳴るの。

二度の島流しにも屈しなかったあなた様は、

苦難続きの私にとって人生の師匠なの♡


『まのんの人生に苦難があったか?』

『おだまり!ぽんこつ!』


「西郷さまぁ〜♡ 今日こそ、あなた様のレプリカを手に入れて、

 毎日拝みますわ!」


『なあ、まのん。ちなみに、坂本竜馬さんは知ってるか?』

『誰?』

やっぱり.....知ってる歴史の偉人は『西郷さん』だけってことか......


美術館前の露店に、いつもの外国人お兄さんがいた!!


「おう!まのんちゃん♪また来たね!!」

「やっとお金が貯まったから、今日こそ買うわ!!」

「おぉ!じゃあ1万5千円のところ、特別に1万でええよ♪」


「マジ!!お兄さんマジ神!ありがとう♡」

これでポテチとコーラに、チキンナゲットも追加できるわ♡


「まのんちゃん♪まいどおおきに♪」


『1万でも高いけど、西郷さんってだけで、プレミアが付いて

 将来、高く売れるわよ♡』


「ありがとう!またね~♡」


さあ、速攻で帰るわよ!中央線は座りたいから、

山手線で東京駅まで行くわ!!


余裕で座れたから、袋から西郷様をお出して崇めるわよ♡

ごそ♡ごそ♡ごそ♡


「うひぃひぃひぃ♡西郷さまぁ~♡」


「ママ~あのお姉ちゃん、一人でニヤニヤしてるよ!」

「シンちゃん、見ちゃダメ!東京は怖いところよ!」


何とでも言え!今の私には西郷様しか目に入らぬわ!!


やっぱり、混むのよね~中央線は。。。出発時には満席なのよ。


『まのん。遂にわしの出番じゃ』

『はいはい。私は今、西郷様に夢中だから、勝手にやっといて。』


わしの名は──“願叶え神”の キタのぽん。


『神様なのにダッセー名前!!』


『うるせー!師匠が大阪キタ担当で、弟子はみんな“キタ”が付けられるんや!

 わしは神様の仮免試験に53回落ちたポンコツやから“キタのぽん”や!!』

(筆記試験で落ちたとは言えん......)


ここはスルーしとこ。byまのん


『わろたか!?わろたやろ!?うぇ~ん(涙) ばかやろぉ~

 笑ってくれへんのか。うぇ~ん(涙)』


これ、ウケを狙ってるやろ!!(ってか、この神様は仮免中!?)


では、気を取り直して説明するでぇ~。

『わしが善行と認めた行いを1日に3回やったら、

 どんな願いも1つだけ叶えたる!

 それが“願叶え神”のルールや!』

(ってか、53回も落ちたポンコツが何言ってんのよ……)


でさ、本試験に合格して、せっかく神様になれたのに

まのんに騙されて、まのんの『願叶え神』になってしもてん。。。

一生の不覚!!わしの人生…じゃなくて神生を返せぇ!!


『何言ってんのよ!あんたが勝手に私に憑りついたんじゃない!

 このポンコツ!!』

『なんだとぉぉぉ!神様を背後霊みたいにゆーなぁ!

 元はと言えば、おまえが間際らしいことを、すっからじゃねーか!』


『あんたが勝手に勘違いしたんじゃない!!

 神様なのに守乃ちゃんが好きなこと、師匠にチクるわよ!』


『何のこと?』

『守乃ちゃんのセクシーコスプレ写真をみてから、デレデレじゃない!!』

(バレてたんかいな・・・)


『あ、まのん様。『きゅん乙女イブちゃん』のプレミアフィギュア

 欲しがっていましたよね。『願叶えオプション』のおまけで

 クレーンゲームで取れるようにしてしんぜよう』

『ほんとう♡♡♡』


はぁ~でさぁ、何でまのんに憑りついたかと言うと

じゃなくてぇ!まのんの願叶え神になったかと言うと、


東京で一週間、人間を観察しても善人は見つからず……

諦めて大阪に帰ろうとしたその日に、天敵・まのんに遭遇してしもたんじゃ!


『くそぉぉぉ!なんで、わしはこんなにも運が無いんじゃ!』

『なんか言ったか?ぽんこつ?』


『いえ、何も申しておりません。まのん様』シャキーン!!

『よろしい!』


でな、中央線に乗って網棚から車内を観察しとったんじゃ。

そしたらな、お茶の水から妊娠3か月位の女性が乗って来て

座れなかったんじゃ。


わしは神様だから分かったが、3か月だと誰も妊娠に気付かず、

マタニティーマークも付けてないから、誰も席を譲らんのじゃ。

で、その女性の前に座ってたのがまのんじゃ。。。


なんと、まのんがその女性に気が付いて席を譲ったのじゃ!!


『だから、あんたの勘違いだっつーの!』

わたしがさ、西郷様の銅像を見ていたら、

手が滑って銅像が落ちちゃったのよ。。。


で、とっさに「あ!銅像どうぞう!!」って言って、

立って拾おうとしたら、


その女の人が「ありがとうございます。」って、

勝手に私の席に座ったのよ!!


いや!だから、譲る気なかったのに!!

(ってか、私ってば、善人に“見える”天才かも!?)


この娘!よく気が付いて、躊躇なく妊婦さんに席を譲った!!

『100年に1人の善人!この娘しか勝たん!』って思った訳なのよ......

ってか!『銅像どうぞう』かいぃ!!


『今からでも、まのんの『願叶え神』になるのキャンセルできひんかな?』


『何言ってんの!まだまだ、あんたの勘違いは続くでしょ!!

 このリアルぽんこつ!!本当はあんた免停中じゃないの!?』

『ちゃうわ!今は神様の本試験も合格しとるわい!!』


(神様なのに、なんでわしが、コケにされとんねん……

 でもね……わしの勘違いはまだ続くのよ。。。)

当作品はフィクションです。

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